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ヨーロッパ難民危機

(英文タイトルの記事は未翻訳です)

2015年9月16日セルビア、ホルゴシュ。ハンガリー警察が難民に放水した後の国境検問所「ホルゴシュ2」。鉄条網を壊し、セルビア側のホルゴシュからハンガリーへ入ろうとした難民たちに対して、ハンガリーの機動隊は催涙ガスや高圧放水砲を使用した。写真:Art Widak、著作権:Demotix

2015年9月16日セルビア、ホルゴシュ。ハンガリー警察が難民に放水した後の国境検問所「ホルゴシュ2」。鉄条網を壊し、セルビア側のホルゴシュからハンガリーへ入ろうとした難民たちに対して、ハンガリーの機動隊は催涙ガスや高圧放水砲を使用した。写真:Art Widak、著作権:Demotix

トルコのリゾートビーチで寄せる波の中に横たわる、シリアの男の子アラン・クルディちゃんの遺体。死にものぐるいで鉄条網をくぐり、セルビアからハンガリーへ入ろうとしたところで催涙ガスを浴びせられる家族たち。ギリシャの人気観光地コス島とレスボス島にはテントやボランティアがあふれ、危ないボートで地中海を渡ってきた難民たちが長い列をなしている。

暴力や弾圧、大惨事から逃れてきた人々の強く印象に残る写真や、心の痛む物語がソーシャルメディアにも主流メディアにもあふれている。彼らが逃げてきたのは、子どもたちにましな生活を送らせてやりたい、という望みのためだけではない。まさに生きるために国を後にしたのだ。

難民も人間だ。写真:Wikimedia commonsより

難民も人間だ。写真:Wikimedia Commonsより

紛争によって土地を追われた人々の数は世界全体で過去最悪のレベルとなり、国連によると、2015年に地中海を渡ってヨーロッパに到達した難民・移民は、9月までで47万7000人を超えるという。また、ギリシャの島には毎日4000人がたどりついていると推定される。そして3000人近い人々がこの旅の途中で命を落としている。

ヨーロッパに上陸したのちは、愛憎の入り混じった歓迎を受けることになる。

ヨーロッパの各国政府が拡大する難民危機に苦慮している一方で、ギリシャやドイツ、ハンガリーでは市民が難民支援の活動をし、自宅の提供も行っている。

難民危機が世界のトップニュースになるよりも前、政府が排外主義な反移民看板を設置したことに対して、ハンガリーの活動家たちは彼ら独特の抵抗を示してみせた。

続きを読む: Hungarians Use Wit, Paint and Photoshop to Deface the Government's Anti-Immigration Billboards

続きを読む: Everyday People Put Solidarity Into Action Helping Refugees in Greece

ギリシャでは、レスボス島のカラ・テペにある難民キャンプで何千食分もの炊き出しが行われた。活動したメンバーは、ブログでこう語っている。

It's not charity, it's solidarity from everybody to anybody…It's also love from human beings to human beings regardless of skin color, ethnicity or religion.

これは慈善事業ではない。みんなで力を合わせるんだ。肌の色も、民族も、宗教も関係ない、人間から人間への愛なんだ。

 

難民の多くはシリアから

国連によると、海を越えてヨーロッパにたどり着く難民の半数以上はシリア人で、アフガニスタンとエリトリアからの亡命希望者がそれに続く。

2011年に内戦が始まってから、シリアの人口のほぼ5分の1に当たる400万人が国外へ脱出した。それ以外に700万人の国内避難民がいる。

シリアのバッシャール・アル・アサド政権は、化学兵器や殺傷力の高いたる爆弾によって、容赦なく市民を攻撃してきた。ISISや他の武装グループもシリアの領土で勢力を拡大し、冷酷無残に市民を苦しめ殺している。国連の推計では、2011年から続く紛争で死亡したシリア人は20万人とされている。

Vienna, Austria. 1 September 2015 -- A banner is held up by a group welcoming refugees arriving from Syria and Afghanistan at Vienna Railway Station where they plan to stay overnight en route to Germany. Photo by Martin Juen. Copyright Demotix

オーストリア・ウィーン。2015年9月1日、シリアやアフガニスタンから逃れてきた難民を歓迎するグループが、ウィーン駅で横断幕を掲げている。ドイツへ向かう途中、難民はこの駅で夜を明かそうというのだ。写真提供:マルティン・ユエン。著作権:Demotix

シリア難民の大半は、隣国レバノンやヨルダンの過密化した難民キャンプにいる。しかし、シリアや難民キャンプから脱出して家族と共に新たな生活を始めようと、ヨーロッパへの危険で不安な旅に踏み出す人々はますます増加している。

祖国を後にしたシリア人たちの生活は楽なものではない。シリア人活動家でグローバル・ボイスのライターでもあるマルセル・シャホワロは、戦火の祖国を逃れた後の経験を「シリアを離れて1年」につづった。

I chase away all thoughts of death, to the extent that a Syrian possibly can. I'm reconnecting with friends and I'm embracing the victim that is me. I pity her, love her, pray for her to gain strength and patience, and most importantly to gain forgiveness.

シリア人として可能な範囲で、死に関するすべての考えを追い払うのだ。友人ともまた連絡を取り始めたし、自分は被害者であるということも受け入れつつある。わたしは、被害者である自分を哀れみ、愛し、祈りをささげる。強くなるため、耐えられるようになるため、そして何よりも、ゆるしを得るために。

ヨーロッパへ渡るために命の危険をおかす難民たちのニュースが連日報道されている中、トルコに亡命したあるクルド系シリア人は国へ帰ることに決めた。またブラジルでは、シリア難民のタラル・アル・ティナウィがクラウドファンディングで新たな夢を叶えようとしている。シリア・レバノン料理のレストランを開いて地域の人たちに腕をふるいたい、というのが彼の希望だ。

続きを読む: トルコから故郷へ帰ることを決めたシリア難民

続きを読む: ブラジル:クラウドファンディングでレストラン開業を目指すシリア難民

#BuyPens(ペンを買おう)運動は、あるシリア難民の父親を援助するための連携活動だ。少し前にレバノンの首都ベイルートで、ひとつかみのペンを売っている男性の姿が撮影されたことがきっかけだった。

続きを読む: Buy a Pen, Save a Life: A Syrian Father Inspires a Fundraising Cause

紛争が始まる前、サーイル・オルファーリはレバノンで法律を学んでいて、シリアの家族の元にたびたび帰省していた。しかし、戦いが激しくなり、オルファーリはレバノンを離れて地中海を渡ることを決心した。

続きを読む: One Syrian Refugee's Long and Dangerous Journey to Europe

現在ドイツにいるオルファーリは、こう語った。

I like my [refugee] camp because I stay relax…I want to forget everything in Egypt, every problem in Syria, every problem in the boat.

私はこの難民キャンプを気に入っています。ここは心が休まるからです。[中略]エジプトであったことも、シリアの問題も、ボートの中のことも、全部、全部、忘れてしまいたい。

 

アラン・クルディの死「海岸に打ち上げられた人間性」

シリア人アラン・クルディちゃんの遺体は、トルコのリゾートビーチに打ち上げられ、写真に撮られた。トルコからギリシャへの数マイルの海を家族で渡る途中の事故だった。この写真に世界は震撼(しんかん)した。

クルディ家はカナダに渡ろうとしたができなかった、というニュースが報道されたあと、GVのイラン編集者マーサ・アリマルダニは暗然たる思いで、この世界では書類1つで生死が左右されるのか、と問いかけた。

There are many stamps in there, because this passport is accepted without much trouble in much of the world. My Dutch residency card is next to my passport. Why do I, above anyone else, deserve these documents that give me the freedom to roam and live where I choose?

私のパスポートにはたくさんのスタンプが押してある。この旅券は世界の大半で、たいした面倒もなく承認してもらえるからだ。オランダの滞在許可証もパスポートに次いで大切なものだ。自分が選んだ場所に移動したり居住したりする自由を与えてくれるこうした証明書を、他の人ではなく、この私が手にしているのはなぜだろう。

 

難民の大移動

国連難民高等弁務官事務所によると、2014年、祖国を追われた人々は世界で1900万人に上り、前年より300万人近く増加した。つまり、毎日4万2500人以上が難民になっていると推定される。

シリア以外でも、アフガニスタンなど以前からの紛争地で多くの難民が生じた。2014年、EUへの亡命申請で3番目に多かったのは、コソボの貧困から逃れてきた人々だった。また、約4万人のエリトリア人が同国の非人道的な独裁政権からの保護を求めた。

イスラム系少数民族ロヒンギャは凄惨な暴力と民族浄化の標的とされ、何千人もの人々がミャンマーを追われることになった。この迫害には、政府も暗黙の了解をしていたとみられている。

ヨーロッパの難民認定者数:ドイツ、スウェーデンは受け入れ枠以上の努力をしている。フランス、スペインはまだまだ
(画像内上の文章:クオータ制の割り当てに基づいた、各国の難民申請認定率は以下の通り。
画像左:難民認定数が割当枠以上の国
画像右:難民認定数が割当枠以下の国)

 

参考資料

ヨーロッパの難民危機は、シリア及びそれ以外の国の難民に対し、いかに資金を拠出し、人々の関心を集めるかという点でたくさんの課題を抱えている。