日本:指紋押捺、顔写真、ようこそ日本へ

人権団体や外国人コミュニティーからの反対がありながらも、日本に入国する18歳以上の日本国籍を持たない全ての人の指紋押捺と顔写真撮影を義務づける新しい入国審査手順が11月20日から導入される。しかし、日本での外国人の指紋押捺は新しいことではない。日本は以前、在日韓国人中国人の特別永住者が中心になり行われた反対運動を受け1999年に廃止されるまで、日本在住の外国人に対し指紋押捺を行っていた。しかし今回、テロとの戦いの名のもとに、これが復活する。


(イラスト: Flickr ユーザ stbeck)

いまだ多くの日本人は、新しい制度の導入、ましてや法案が通っていたことについて知らない。futureeyeは、この制度がほとんどの国民の知らない間に導入されているということを指摘している。

今回の一番の問題は、住基ネットのときのような、賛否両論に分かれた議論がなんらなされていないことです。この法案がいつ通ったのかさえ、国民の大部分が知りません。日本政府の言い分としては、「外国人に対しての指紋照合制度であり日本人は無関係の法案のため、住基ネットのときのような議論は不要である」程度の反論が考えられます。しかし、前述したように、相互主義は世界政治の常識です。後々日本人に付けが回ってきます。このような法案を、我々が知らないうちにこっそりと通していいのでしょうか?

ブロガー Danny Choo

指紋押捺したところで、邪悪な思惑を阻止できるのかはっきりは分からない。もし誰かが自爆したいと思っているなら、指紋を持ってもそれを止めることはできない。
これがオーバーステイの防止に効果があるだろうということは分かる – 例えば、残留許可が切れたらすぐにオーバーステイしている人の写真を公開できる。(英語からの翻訳)

oheohehe が言うには:

時代の状況を考えれば当然の事です。
やましい事を考えている人間だけが文句を言うだけだ。
例えば朝鮮人や〜社民党の方々、弁護士の一部・・・・・

このブロガーは、なぜ外国人の指紋押捺が必要なのかについて自身なりの説明をしている。

指紋押捺制度はこう説明すべきなのだ。

外国人には日本人と違って戸籍がない。
だから日本人と異なる取り扱いをしても,不当な差別にあたらない。

戸籍がないため,入国している外国人は一定の管理の必要があるといえる。
また外国人犯罪も凶悪化している。入管行政の実効性も確保しなければならない。

ただ写真照合では同一人かどうかの判断は極めて困難。
個人を特定する上で「指紋の押捺」が最も確実といえる。

ゆえに指紋押捺制度は必要。

一方で、指紋採取について批判的なブロガーも多くいる。ブロガー踊るOLはこのように書いている:

海外旅行で入国審査時に顔写真や指紋を取得されるのは、犯罪者の予備軍と見られているようで、あまり気分は良くありません。
まして、審査官はともかく、入国審査窓口に並んで待っている外国人を誘導する警備員のような人たちの態度は、往々にして悪いことが多いです。

なので、テロ対策という名目は分かっていても、完全にテロを防止できるわけではないのに、なぜ善良な市民がそのしわ寄せを受けるのか、といった文句も、長い行列にうんざりしているときには、頷いてしまったりします。
(時間がかかりすぎて搭乗時刻に間に合わなくなると、一転してスルーパスになることも疑問です。)

Welcome to Japan
アニメーション: Nick Wood、 debito.orgより転載

Takoは残念だと言い、政府は対象を間違っていると批判している。

この11月から、日本へ入国する外国人は入国審査で「指紋採取」および「顔写真撮影」されることとなるんですって(例外あり)。これは米国に続いて二国目です。

いつだったっか、日本在住の外国人に対し、外国人登録時に指紋を取らなりましたよね。頭から外国人を犯罪者扱いしなくなったから「日本もまともに近づいたね」と思っていたのに、ああ残念。

今回導入される入国審査規定の紹介ビデオが政府のホームページで見られるので、興味のある人は是非見てください。

テロ対策という大義名分ですが、うさんくさいなあ。
近年のテロって、同国籍の人物によるものばかりじゃあないですか(イギリスで起きたテロは少なくともイギリス国籍の人物だった)。それに日本で起きたテロらしいテロと言えば地下鉄サリン事件などで、結局日本人の仕業だったし。

訪問者を疑うよりも国内の怪しい組織の動きにもっとアンテナを張ってもらいたいものです。

詳しい背景と最新情報(英語)は、debito.orgのfingerprinting NJ archiveに掲載されている。

原文:Hanako Tokita

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