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タジキスタン:氷河期

カテゴリー: 中央アジア・コーカサス, タジキスタン, 民族/人種, 災害, 環境, 若者

タジキスタンでは待望のサングトダーI水力発電所 [1]が稼働を開始したにもかかわらず、国民はその変化を感じることがない。稼働しているのは(4つのうち)最初のタービンだけで、他の3つは今年末まで稼働しない。数日で寒気がタジキスタンから抜けると予測していた現地の気象学者の言葉 [2]とは裏腹に、気温はいまだマイナス16〜20度である。

それに加えて、いまだにエネルギー危機は解決されておらず、日増しに悪化の一途をたどっていると、kellyinthemountains [3]は言っている。アパート、学校、オフィスは寒くて暗い。

この低気温のために、人びとはオフィスや家の中で上着を着ることを余儀なくされている。

タジキスタンや中央アジアのその他の地域では、気温がマイナス20度を下回ったところもある。多くの都市や村では、大雪や雪崩により交通が寸断されている。凍結した道路を運転する勇気のあるバスの運転手は、乗客から切符の2倍の値段をとっている。

さらに、集中暖房がないことや電力の供給不足のために、中学・高校で授業をするのはほとんど不可能 [4]で、45分から30分に短縮された。教師や生徒は、教室でコートやマフラーをしたままでいる。

今年の冬は温かくなりそうもなく、状況は良くなっていないとnewseurasia [5]は伝えている:

最近のエネルギー危機に加えて、乏しい電力の値段は20パーセント、ガスにいたっては50パーセント上昇した。国民が家を温めたり料理をしたりするためのエネルギー不足に悩んでいる冬に、このようなことが起きているのだ。先日、現地の専売エネルギー供給会社であるTojikGaz(天然ガス)とBarqi Tojik(電力)が、電気とガスの急激な値上げを発表した。

病院などへの電力供給を止めることは法律で禁じられているが、この法律は日常的に破られ、悲劇的な結果を生んでいる。最近、ドゥシャンベの病院で新生児6人が死亡 [6]した。これらの死亡ケースの主な原因は、産科病院の電力が寸断されたことだと地元メディアは伝えている。

この国で発電される電力は、街灯にも不十分なくらいだ。Khurshed [7]は、道路が暗いとドライバーが事故を起こしやすくなると言っている[ru]。

ドゥシャンベの街灯は、ほぼ1週間消されていて、交通事故の件数は著しく増加している。

タジキスタンの報道機関 [8]は今日、 政府はエネルギー節約のために全ての生産設備や工場などの事業を1月末まで閉鎖するよう命令を出したと伝えた。昨日、主要エネルギー供給会社Barki Tojiki(電力)は、ヌレク貯水池 [9]の水位が急速に低下していると報告した。この貯水池はこの国の電力の80パーセント以上を発電しているヌレク水力発電所へ水を供給している。電力使用量が減らなければ、2月中旬までには貯水池の水がたりなくなると、Barki Tojikは言っている。