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日本:ニュースポータル「あらたにす」

日本の三大新聞社である、日経朝日読売が1月31日に「あらたにす」と呼ばれるオンラインニュースポータルサイトを立ち上げた。このサイトでは、各紙で報道された記事を並べて読者が簡単に一面や社会面、社説を比較できるようにしたものだ。あらたにすのメインページの要約記事からはそれぞれの新聞サイトに掲載されている元の記事へリンクされている。

ブロガーのこの新しいポータルサイトへの反応は懐疑的で、RSSフィードがないこと、長期的アーカイブ機能が欠落していること、そしてユーザー側に主流新聞のニュース報道の比較に興味がないことを指摘している。また、多くのブロガーがグーグルニュースの様なニュース集約サイトがあるのにまたニュースサイトが必要なのか疑問視している。他にも経済、国際ニュース、スポーツや文化などの方面での報道が乏しいと考えるブロガーもいる。

しかし、すべてのユーザーがこのサイトについて批判的なわけではない。例えば、Twitterユーザーのyouzakaは「あらたにす」という名前やallatanys.jpというURLなどを肯定的に見ている

やっぱプロが編み出しただけあって「あらたにす」のネーミングセンスはすごい。仮称のANYがAllataNYsの中にちゃんと入っているし、”新s”ということで新しいかんじプンプンだし、新はNEWなのでこれすなわちNEWsサイトでもある。

それでも、多くのブロガーはこの名前が魅力的だとは思っていない。ブロガーatm2k2 はこう書いている:

「あらたにす」ですか。ネーミングが良くないね。あすてらす製薬の広告かと思ってしまった。朝日新聞と読売新聞、日本経済新聞が立ち上げたインターネット共同事業のことである。

 いまどき、こんなもので新聞への回帰を図ろうなんて真剣に考えているのでしょうか。狙いは別のところにあると見た方がよさそうだ。「新聞勝ち組連合」で何かを始めようということか。

一方で、『ブログジャーナリズム—300万人のメディア』の共著者で、ガ島通信のブロガーそして元ジャーナリストの藤代裕之氏は、このニュースプロジェクトについてこう書いている

プロジェクト名・ANYとして注目されていた日経・朝日・読売の合同サイト「あらたにす」がオープンしました。舌をかみそうなネーミングだけでなく、ネットユーザーからはサイトについても「新しさがない」「GoogleNewsのほうがいい」などとイマイチ評判が良くないようですが、個人的には3社の記事を比べるというコンセプトはなかなか面白いと思います。一般ユーザーがどれくらい使うか分かりませんが、ニュース好きにとっては使い勝手がありそうですし、情報・リテラシー教育などにも使えそうです。

[…]

あらたにすは、ニュースアグリゲーターとして3社のサイトにアクセスを流すという役割だけでなく、「売り」も明確です。「くらべる一面」というキャッチコピーの通り、一面の読み比べがトップページとなっていますが、社会面、社説、注目テーマなどに加えて書評も比べられ、各社の論調、視点の違いが良くわかります。くらべる一面の下のほうには日経・朝日・読売の編集局からその日のニュースをどのように捉えているのかコメントもあり、インターフェイスも分かりやすい。

[…]

新聞社はコンテンツを生み出していることもあり、いまだにニュースアグリゲーターを軽視(どころか敵視)している人もいるようですが、コンテンツだけでなく、そのコンテンツをいかに見せるか、ユーザーに届けるかと言う「編集(見せ方、新聞社で言う整理)」の価値が重要なことが明確になったと思います。ヤフーのトピックスがよく読まれているのも、この編集の力です。商品を単に陳列するだけでは売れないように、情報も同じで見せ方を工夫すれば、より読まれる可能性があります。

このテーマについて一番ブックマークが付いているのは、ほとんど間違いなくブロガーで元テレビディレクターのanti-monosだ。彼はこの新しいサイトをもうひとつの合同ニュースポータル47news比較している。この300人近くのはてなユーザーがお気に入りに登録している投稿の中で、anti-monosはこう書いている:

はっきり言ってしまえば、「あらたにす」は間違いなく失敗する。かつて共同通信と地方紙連合が立ち上げた47NEWSと同じくらい、過疎状態になる。なぜダメかと言うと、RSSに対応していないのも驚いたが、構成自体が新聞といったマスコミの論理から1ミリも抜け出せていない。

コンテンツの中身を見ると、まずは朝日、日経、読売の一面記事を紹介して比べる。さらに社説、各紙の注目テーマが並ぶ。新聞紙面と違う目玉と言えば、「新聞案内人」なる有識者が、新聞の読み方を教えてくれる。さすが全国紙が集めてきただけあって、「新聞案内人」は伊藤元重東大教授、小林陽太郎元経済同友会代表幹事などそうそうたる面々になっている。

だが「一面記事」、「注目テーマ」、「社説」、「新聞案内人」と来て、気がついてしまった。やはりダメだと。既存の新聞そのものなのだ。つまり、すべてが「上から目線」で押し付けがましい。

例えば一面記事というのは、新聞社が「きょう日本国民が知っておくべき最も重要なニュースはこれです!」という意味を持つ。まあ、勝手な新聞社の独りよがりなのだが、新聞記者というのは自分の記事が一面になるかどうかがかなり気になる。読者に新聞社のニュース価値判断を押し付けている。「社説」はもはや説明の必要もないほどの「押し付け」。

[…]

既存のマスコミが絶対に理解できない、かつ生理的にも受け付けられないネットの特徴は「編集権を読者に委ねている」ということ。新聞、ラジオ、テレビと既存のマスコミはすべてニュース価値をマスコミの側で判断し、それを受け手に与えるという構造だった。何をどう扱うかは最初から最後まで、すべてマスコミ次第。つまり「編集権を完全にコントロールできる」状態。言い方を変えれば完全なる「押し付け」だ。だから、マスコミはブログやSNSなど受け手の側が発信、編集するというのは生理的にも受け入れられない。

ところがネットだと、2ちゃんねる、ニコニコ動画でも、マスコミの作った「ニュース」はすべて盛り上がるための「ネタ」に過ぎない。ネットに放たれたとたん、マスコミのコンテンツは、マスコミ自身が与えたお仕着せの「ニュース価値」から開放されてしまう。良くも悪くもなのだが。そこがマスコミにはアイデンティティに関わるだけに、決定的に理解できない。平均年収千数百万をもらっていても、社会経験などほとんどない記者が経費で飲み食いしながら、政治、経済、天下国家を語り、経費のタクシーで深夜に帰宅、そして紙面では格差社会を嘆くなどという、マスコミにとっては能天気な時代はもはや終わろうとしているのに。

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