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環境:China DialogueのIsabel Hilton氏にインタビュー

カテゴリー: 東アジア, 中国, デジタル・アクティビズム, 環境

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ChinaDialogue [1]は中国に関係する環境問題を取り上げている完全バイリンガルのウェブロブである。Isabel Hiltonはその編集者だ。彼女に中国の環境、オリンピック、気候変動、そして中国の抱える種々の環境問題とその解決法から学べることについて聞いた。GV初の環境インタビューに彼女は快くこたえてくれた。

China Dialogueで取り上げていましたが、北京五輪にまつわる環境保護やその準備に関する主な話題/意見は今どういった状況なのでしょうか?

中国における環境意識はオリンピックの準備のおかげで大きく前進することができたと思います。オリンピックが政府にとってあまりに重要であったため、政府は環境問題が経済に優先されることを許しーこれは、こういった状況下でなければどのような政府でも難しいことですーまた多くの必要な対策の実施ー工場の北京からの移設、公共交通機関のインフラ整備や緑化バスの導入を促す結果となりました。

オリンピック開会までに大気汚染解消の努力をする [2]等といったグリーン・イニシアチブ [3]に関する話題を耳にしますが、そのようなイニシアチブに対してどのようなご意見をお持ちですか?オリンピックだけを意識した短期的な現象なのか、あるいは今後優れた環境政策を推進するための長期的なコミットメントなのか?

こういったイニシアチブの登場は既に遅すぎるくらいなので、行動を起こすためにオリンピックが必要であるならば、それはそれで良いことでしょう。大切なのは、イニシアチブが行動に移されることで国際社会の注目が中国に集まり、政府が不正や数値の改ざんの防止に力を入れ、環境面で恥をかかないよう気をつけるようになることでしょう。また公共教育の面でも重要な意味があります:私はつい最近、在北京の5つの大学が参加するディベート・コンテストの審査をしたのですが、オリンピックのおかげで学生はみな驚くほど環境問題に関する意識が高く、知識も豊富でした。このように、2週間のオリンピック期間を超えて残るものもあることが分かります。しかし残らないものもあります。それにオリンピック自体がとても大きな足跡を残します。水の供給が北京へ集中しているため、すでに幾つかの省が水不足を訴えています。

世界中の国がオリンピックへアスリートを送り込みます。ランナーをスモッグの悪影響から守るために、スモッグ・マスクを準備する [4]必要はあるのでしょうか?大気を浄化する計画は成功すると思いますか?

結果的にどうなるかは分かりませんが、仮に失敗したとしても、それは努力を怠ったからではありません。必要とあらば中国は国の威信を賭けてオリンピックのために周囲何百マイルもの工場を閉鎖するでしょう。みな大変な努力をしていますし、空気の質に対する不信から誰かが参加を取りやめればとても傷つきます。成功には多くのことが懸かっているので、全ての人のためにとにかく上手く行くことを願っています。

気候変動に関する特にバリ会議以後の中国の姿勢についてどう思われますか?

中国の気候変動への対応はこの2年間で大きく進歩しました。中国内の政策の多くは、エネルギー利用の効率化や再利用可能な大型物件等といった緩和を目標としています。その反面、中国は、誰もが知っている通り火力発電所を新設しており、環境に破壊的なダメージを与えるテクノロジーに依存してしまう危険があります。多くは今後のアメリカの姿勢に懸かっています。過去7年間、こういった問題に関するブッシュ政権の妨害のため、中国は気候変動に対して前向きなスタンスを採用すべきだというプレッシャーをほとんど与えられてきませんでした。その方針が変わるにつれて北京でもまた新たな動きが見られるでしょう。

中国が直面している環境問題とそれに対する現在までの対応策から、他国はどういったことが学べるのでしょうか?

中国は難しい時期に産業革命を経験したので、、、西洋をモデルとしたものの、すぐにその限界へ行き着きました。政府が正しい対策を示せば、中国は環境保護と改善の世界的なリーダーになれる可能性があります。もしそうならなければ、先行きは暗いと思います。