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アフガニスタン:ネット利用者の死刑宣告に進展なし

カテゴリー: 中央アジア・コーカサス, 北アメリカ, 東・中央ヨーロッパ, 東アジア, アフガニスタン, アメリカ, ロシア, 中国, デジタル・アクティビズム, メディア/ジャーナリズム, 人権, 市民メディア, 政治, 行政, 言論の自由

サイード・パルウィズ・カムバクシュ(Sayed Parwiz Kambakhsh)は、マザリシャリフのバルク大学でジャーナリズムを専攻する学生である。彼は、女性の待遇に関するイスラム教の立場を批判するイランのウェブサイトから文章をコピーし、この件に関してブロガーがよくやるように自身の考えを付け加えたそうだ。そのためアフガニスタンの諜報部局が彼を取り調べ、逮捕後バルカ州の裁判所は彼に対し異教の罪で有罪判決を下し、死刑を宣告した。

IWPRのジーン・マックケンジーによると、つい最近の控訴尋問でKambakhshは裁判官から激しく非難された [1]

アブデュル・サラム・カジサダ裁判長は、古くからの厳格なアフガニスタンの政権を支持している。彼は、タリバン政権の残留者であり、被告人に対する敵意は明らかである。

裁判の間、カジザダは中立な裁判官よりはむしろ検察官のようであり、弁護人のモハマド・アフザル・ノーリスタニとの法的争いに関与していた。彼は小槌をたたかず、ノーリスタニの訴訟依頼人の弁護を止めようと繰り返しペンでマイクを叩いていた。

裁判官は再び、青ざめながらも冷静に被告人の椅子に腰掛けているカムバクシュを攻撃した。

「なぜあのようなことをしたのか理由を述べなさい。」とカジザダは言った。「動機は何だ?」

「私は何もしていないので、理由などありません。」とカムバクシュは応えた。

カムバクシュは、昨年12月に始めて拘留された時から暴行を受けているとされているが、検査が予定されるまでにかかった時間の長さから考えると、ほとんどの傷は治っている。彼は罪を認めたが、そのように強要されたと主張している。

カムバクシュはまた、授業中にたくさんの質問をし過ぎたことや注目や人気を集めようとしたこと、失礼な態度をとったこと、携帯電話で汚い冗談を飛ばしたことなど他の罪にも問われている。

カムバクシュは、多くの障害に直面している。彼の弁護人は、最初の控訴尋問の1週間前になってもまだ事件に目を通していなかった。また、上院が保守的な聖職者やボ族の古老らとともに処刑を支持する声明を発表した [2][En]。

2006年、アブデュル・ラーマン [3][En]はキリスト教へ改宗したため死刑の宣告を受けた。彼の人生は、激しい国際社会の圧力下で、合法的な愚行と宣言されイタリアへ国外退去させられたことにより救われた。同様の国際社会の圧力はカムバクシュの件では見らない。IWPRで働く彼の弟に対する報復の恐れ [4][En]を懸念しているにも関らず、国際メディアでは彼の事件は何ヶ月間も報道されていない。

デイリーライフ・ウェブサイト [5]で2008年5月18日のカブールでの法廷尋問後にサイード・パルウィズ・カムバクシュを護衛するアフガニスタン警察官の悲痛な写真を見て欲しい。