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マダガスカル:土地をめぐって農民が死刑に

カテゴリー: Popular Post, サハラ以南アフリカ, 西ヨーロッパ, フランス, マダガスカル, デジタル・アクティビズム, 人権, 抗議, 歴史, 法律, 環境, 行政

Ankorondrano-Analavory(マダガスカル、アンタナナリボの西90キロに位置する)の地元農民21人は土地所有権をめぐる論争に端を発した集団暴動を問われ、ミアリナリボ国家裁判所で下された判決は多岐にわたる。。過去数十年、自分たちの土地だと信じてきた土地が収用されるのを防ごうと、彼ら農民は、その土地から農民を追い出すべくやってきた警察と衝突したのだった。この小競り合いの結果、警官2人、地元の女性1人が死亡した。

判決は8か月前に出たものだったが、オンラインで減刑を求める動きが活発になり、世論の注目を再び集めるところとなった。オンラインフォーラムやブログには、判決に関する一方的な意見が投稿されている。

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(写真:L'Express de Madagascar [1])

様々な意見を紹介する前に、この論争と判決の意味するところを簡単に説明しておこう。L’Express de Madagascar [2]によると、172ヘクタールの土地の法的所有権は開発プロジェクトのためにこの土地を取得した業者にあるという(未確認情報だが、アミューズメントパーク建設計画のようだ)。しかし、土地所有権が明確に定義されていなかった70年代から、彼ら農民は実際にその土地で農作物を耕してきた。。

21人に下された判決は以下のとおりだ。死刑判決が13人、12年の強制労働が6人、1年の拘禁刑判決が1人、執行猶予のついたものが1人。

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(写真: AFASPA [3])

Raharimbahoaka Andriahobijaona [4]は、農民の減刑を求めるFacebookでこう説明す
。マダガスカルは死刑廃止条約の署名国の一つだから、憲法(1958年制定)上は死刑が廃止されていないとしても、今日までに死刑判決を受けた53人は事実上、終身刑に「変更」されている。以下、さらに続く(フランス語)。

“ devant la justice, vu les faits et les preuves, les riches ont presque toujours gain de cause. La justice n'est pas mal faite, mais certaines lois sont dépassées et ne correspondent plus au monde actuel.[..]Le vrai problème est que le foncier dans la tradition malgache reste un héritage culturel.”

裁判所で事実や証拠が審理されることを考えると、金を持っている者が常に裁判に勝つことになるだろう。この地の司法制度は完全に腐敗しているというわけではなく、時代遅れの法律がわずかにあるだけで、現実の世界の状況に対応していないというのが実情なだけだ。マダガスカルの最大の問題は、土地は文化遺産だとする伝統が根にあることだ(グローバル化の流れにはそぐわない考えだが)。

そして、こう付け加える。

“Utiliser la presse étrangère, la diaspora malgache et tous les médias dont on disposent est, je pense, très utile. Car à notre ère, la présidence suit de très près ce qui se passe au pays et ailleurs. Ce qui compte c'est la manière et la façon dont on s'y prend pour agir. Nous devons respecter la loi en vigueur tout en négociant pour pouvoir trouver ce qu'il convient de faire sur le moment.”

海外メディア、海外在住のマダガスカル人、その他あらゆる報道機関を利用することは効果があると思う。今の時代、大統領は国内外の声に耳を傾けている。大事なことは(農民の代わりに)どう行動するかだ。今の法制度は尊重しなくてはいけないが、その一方で、今農民にとって最善な道を探ることだ。

農民釈放の請願 [5]は、アフリカ市民と友好・連帯を結ぶフランス連盟 [6] (AFASPA)から、マーク・ラヴァルマナナ大統領とBakolalao Ramanandraibe Ranaivoharivony司法大臣に提出された。

特に、この地域の土地相続に関わる複雑な歴史を考えると、マダガスカル農民の釈放を支援する人々の怒りの矛先は判決に向けられた。Jean Razafindambo [7]は、土地所有権は植民地時代に大混乱したのだと説明する。そして、その解決として以下を提案している(フランス語)。

“Le dialogue ne devrait-il pas toujours primer sur la répression dans un litige foncier? [..]L'Etat de Madagascar devrait racheter ces hypothèques à leurs justes valeurs actuelles et effectuer une réforme agraire en bonne et due forme qui tient compte des facteurs historiques et non juste des archives héritées de la colonization”

土地争議に関しては、攻撃的に反発する前に、話し合いの場を持とうという努力がなされないものだろうか? マダガスカル政府は時価で抵当権を買い戻し、植民地時代から続く土地登記だけでなく、歴史的な要因を考慮して農地改革を行なうべきだ。