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沿ドニエストル共和国:ティラスポリからの声

カテゴリー: 東・中央ヨーロッパ, モルドバ, デジタル・アクティビズム, 人権, 人道支援, 健康, 国際関係, 戦争・紛争, 抗議, 政治, 法律, 経済・ビジネス, 若者, 行政


ティラスポリ中心部にある映画館 写真:lyndonk2 [1]

近年、モルドバの長年未解決である分離独立をめぐる対立への解決策は、いつも予測されはするが [2]一向に実現されない。一方で、旧ソ連崩壊以来モルドバから分離しようとしている小さな細長い未承認の国沿ドニエストル・モルドバ共和国(またはPMR、トランスニストリア、トランスドニエストル、プリドニエスローヴィエなどとも呼ばれる)の人びとは、どうにかやりくりしていこうとしている。

少なくともこの地域にいる数人のネット市民は、デ・ファクト政府の指導力に不満があるようだ。ここでは沿ドニエストルの首都ティラスポリの住人が立ち上げたロシア語LiveJournalのコミュニティocity [3]に掲載された最近のエントリをいくつか紹介しよう。

再生党エフゲニー・シェフチュク党首に宛てられた要求と不満 [4](LJユーザー 06_07_1970 [5]が投稿)

エフゲニー・バシリエビチ様

私たちは今朝目を覚まし、愛する故人の墓参りに墓地へ向かうためアパートを出ました。

私たちが住む建物の入り口で、大量の「再生」党の新聞 [6]を見つけました–各階の踊り場や吹き抜け、住民の郵便受(一つに数部投函されていた)、そしてエレベーターに散乱していました。建物の前はあなたの党の新聞で汚くなっています–建物のある住民が吹き抜けから新聞を放り投げたのです。

私たちが住む建物の入り口通路がこのようなゴミで散らかされたのは、今回が初めてではありません。

これらの事実に基づいて、チラスポリ Zapadnyi Per. 19/1にある建物の吹き抜けの掃除をできるだけ早くに行っていただくようあなたの党に要求します。

さもなければ、裁判所へ再生党と組織代表としてあなた個人に対する申し立てを行うことになります。

敬意をこめて

汚された [засранного] 建物の住民より

この苦情は、もっと従来型のオンライン・フォーラム [7]にも投稿され、およそ25件ほどのコメントが寄せられた。LiveJournalでは、LJユーザーverba77 [8]が以下のコメント [9]を寄せた:

この国の政府は貧窮していると言うけど、このゴミにいくらの金が費やされたか考えてみるといい。当局者は国民の役に立つようなことは何もしないくせに、彼らがいかに素晴らしい指導者であるかということを国民に押し付ける。

再生党 [10]シェフチュク [11]に公正を期して、ソ連後の国(そして多分他の場所でも)で政党が有権者を困らせるために反対勢力の資料をいろいろな場所に置くという「汚い手口」を使うのは前例のないことではないことを指摘しておく。A党が道に駐めてある車にB党のステッカーを貼ったという、この様な「ブラックPR」の例を思い出す。でも今回の件は、推測してみるとしたら、あの不快な新聞は過度に熱心な再生党派によって放置されたものだと思う。

人権擁護、沿ドニエストル版 [12]「特別な」国での「特別な」子どもとの生活というタイトルのブログを運営する、LJユーザーverba77 [8]による投稿)

2年前の2006年6月7日、プリドニエスローヴィエ(注:ロシア語で沿ドニエストル共和国)は初めて、人権問題の専任者を任命した。10室からなる事務所が設けられ、ヨーロッパ水準の改築が行われた。多数の新しいコンピューターなどのオフィス用品が購入され、素敵な家具やエアコンなどがある。沿ドニエストルにある他の都市にも、人権担当支所を開設する計画がある。

政府による障害を持つ子どもへの不可欠な医薬品供給の中断—-そして後には完全否定—-も、ちょうど同時期に始まった。

以前は障害を持つ子どもの命を守るために費やされてきた資金が、今は人権担当局へと回されているなどということはないのか。

先週の沿ドニエストル人権担当 V. Kol'ko担当との会話:

– 障害を持つ子どもに法的に提供される医薬品を支給しないのは、人権侵害ではないのですか?
– もちろんです。しかし、私に何ができるというのですか?
– どういうことですか?あなたは人権担当者でしょう。あなたは、病気の子どもの権利を守れるんですか?
– それらの医薬品のための予算がないんです。この国の政府はとても貧しいのです。
– じゃあ、なぜ政府には、人権を守ることのできない人権局のために、こんなに豪華な施設を作るだけのお金があるんですか?
– 最高ソビエトがこの局を作ることにしたのは、私のせいだといのですか?

我々の指導者には、年金受け取りをあきらめ、その浮いたお金で年金受給者権利局を作ることを提言したい。または、病院を閉鎖して病人権利局を作ればいい。

コメント欄で、verba77は、explains [13] 彼の家族は2つのもっと高額な医薬品にお金を払っているが、政府が提供することになっている医薬品リストにも載っていて、彼の子どもに処方された安い方の薬について、政府に支払要求しようとしている。

.これは原則の問題だ。なぜなら、このけだものたち自身は高価な公用車を買い、立派な屋敷を建て、自分たちのオフィスをヨーロッパ水準に改築したりして、額に汗して働く沿ドニエストル人のお金を使っているのだ。それでも彼らは、病気の子供たちのために医薬品を保障する法律に従おうとしない。彼らは、私、ひいては私たち皆の要求を軽くあしらった。このけだものたちは、あぶく銭を手にしているんだ。

***

そしてもっとユーモラスな話で、同フォーラムからの「(お客様)サービス」というタイトルのコメント(LJユーザーsasha_ethna [14]が投稿):

ティラスポリ。電車の駅。私たちはバルカに行こうと3番のミニバスに乗った。

…私が運転手に運賃を手渡していると、ひとりオーケストラ女がミニバスに向かってきた。彼女は肩にギターや高価なかばん、そしていくつかの楽器を持っていた。ひとつめのバッグをミニバスに投げ込み、ふたつめを投げ込む準備をしていると、運転手は「バルカには行かないよ!」と言った。

乗客全員が当惑し、ひとりオーケストラ女は素早くかばんを回収した。そして、多くの人びとがミニバスを降りる支度をした。

「でも、皆バルカに行きたいんだよ」と、何人かが言った。

「すべて大丈夫だよ。バルカには行く。ただ、あの荷物を回避したかっただけだ」と、運転手は彼の騙し手を明かした。