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パラグアイ:ヘチマとプラスチックで家ができる

カテゴリー: ラテンアメリカ, 東アジア, パラグアイ, テクノロジー, 市民メディア, 環境, 経済・ビジネス, 行政, 開発

つるにぶらさがるヘチマ

Laura512 [1]よりヘチマの写真

パラグアイ人のイノベーターであるElsa Zaldivarは、女性の世帯主にヘチマ [2]の実を加工して風呂用のたわしとサンダルにする訓練を行い、さらにこの野菜でできたスポンジの残りとリサイクルのプラスチックを混ぜて壁の材料となる丈夫な素材にする、というプロジェクトにより、2008年のロレックス事業賞(2008 Rolex Award for Enterprise [3])を受賞した。この技術を用いれば、プラスチックの複合物を木製の板の代わりに使うことで森林を救えるかもしれない。

下のビデオ[英語] [4]で、Elsaは自分の国パラグアイについて話している。低価格の住居は不足し、森林は急速に縮小し、ブラスチックによる公害が発生しているが、このプロジェクトですべて解決できるとのことだ。

そもそも、ヘチマとは何だろうか?ヘチマとはつる植物になる実の一つだ。若いときは食用になる種類もあり、苦いものもある。ただし、主にヘチマは風呂用のスポンジになり、死んだ皮膚の細胞をはがすために使われる。cmc-cmc blog[英語] [5]の著者は、農家がヘチマを育ててその場で皮をむいて洗う様子の写真やビデオ [6]を撮っている。また同じポストで、ヘチマの種はすりつぶして高血圧の自然療法に使われることもあるとも書いている。

WilliamSabber on YouTube[ポルトガル語] [7]は、ブラジルのAdair Satler氏の庭で軽く120cmを超えたとても長いヘチマを目にしたときの様子を撮影し、短いビデオにしている。

うれしいことに、パラグアイではヘチマ産業は上向きであり成長中だ。OIPICなどのNGO[スペイン語] [8]もこの農法を大豆・木綿産業とも張り合えるとして奨励している。ヘチマはハンドバック・靴・風呂用スポンジ・靴の中敷・サンダル・ポット用のたわし(こびりつき防止の加工がされた金属のフライパンに使っても安全である)・自然素材のハンドメイドの石鹸の材料になり、鼻の病気の薬としてさえ使える。ヘチマの栽培には、一年中花が咲くためミツバチの飼育に最適であり、巣を健康に保ち栄養を行き届かせハチミツをより多く作ることができる、という利点もあると「開発のための養蜂の会」(Bees for Development[英語] [9])は述べている。そして今では、Elsa Zaldivarのおかげで、建築物に使う繊維にもなりそうだ。