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イスラエルとパレスチナの若者、ビデオで紛争理解

カテゴリー: 中東・北アフリカ, イスラエル, パレスチナ, テクノロジー, デジタル・アクティビズム, 人権, 宗教, 戦争・紛争, 政治, 教育, 映画, 民族/人種, 芸術・文化, 若者, 言語

イスラエルとパレスチナ占領地の2つの異なる団体が、ビデオツールを使った活動を行っている。これは、ユダヤ人とアラブ人の若者たちが紛争を理解し、彼らの間にある溝を埋めることで彼らが生活している複雑な状況についての夢や心配ごと、そして考えを共有できる交流とコミュニケーションの空間を生み出すためのものだ。

そのイニシアチブのひとつにSadaka Reut [1]がある。彼らは、このプログラムについてこう述べている [2]

パレスチナ人とユダヤ人の青年たちの大半が、物理的に互いから隔離されて(違うコミュニティや学校)いて、その結果は恐怖、人種差別、偏見が生まれるため、私たちはこの2つのグループ間の交流の代替モデルを作ることを試みています。「平和文化の構築」プログラムは、パレスチナ人とユダヤ人の青年の双方が、平等で、尊重され個人そして民族集合体として認められていると感じられる空間を作ることを目指しています。

プログラムのメンバーは、一週間のワークショップでビデオアクティビズムについて学ぶ1分ビデオプロジェクトにも参加している。以下は、その結果作成されたものの一部。団体サイト [3]で、全作品を観ることができる。

Arab [4]

AM/FM [5]:

Few Love Singing [6]

もう一つのイニシアチブに「Windows for Peace [7](平和への窓)」というプロジェクトがある。このプロジェクトは、紛争について学び、平等を促進し、若者に力を与える方法として、二言語・二言語の若者のための雑誌を制作する取り組みとして、1991年に始まった。しかし、彼らのサイトでも説明されているように、ことはそう簡単には進んでいない。

イスラエルとパレスチナの若者が、互いについて教えられている膨大な量の間違った情報やステレオタイプを乗り越えるのは簡単なことではありません。ほとんどが隔離されたコミュニティで生活し、今なお続く政治的対立によって悪化しているために交流が限られていることが、ふたつの民族を引き裂く歴史的な恐怖や偏見、憎悪を生み出しています。

ですから、このプログラムは、イスラエル人とパレスチナ人の若者たちの彼ら自身、「他者」そして紛争に対する見方を大きく変化させることに取り組んでいます。プログラム参加者は、双方が受け入れられる平和的な現実に向けた両者間での紛争転換を促進する体験をします。私たちは、公正で持続的な平和は民主的価値観、人権、そして「他者」の相互知識と受け入れに基づいたものでなくてはいけないと考えています。

彼らは「Through the Lens [8](レンズを通して)」という新しいイニシアチブにも取り組んでいる。これは、雑誌を「卒業」した15歳から17歳の若者が、短篇映画やニュースなどのビデオ制作の技術を磨き、「生産的で平和構築のための対話とポジティブな交流」をさらに進めていくというものだ。

このビデオ [9]では、Windows for Peaceの参加者が、グループでの経験や、自分の居心地のよい場所を抜け出し、イスラエル・パレスチナ紛争のような難しい問題について話すという挑戦にどう取り組んだかについて話している。

ビデオの中で子供たちが多くの言葉で語っているように、彼らは他の子供たちの意見を受け入れるのに苦労しているかもしれない。しかし、安全に問題を話し合う場所があれば、他の子供や若者と交流し、学び、共有できる、さらにはこの様な認識を変えられる可能性がある中で、彼らは自分たちが住む世界を理解することができる。