若い世代を対象にした HIV 予防キャンペーンのうちで、「生き延びよう」キャンペーンはもっとも大規模に展開されている。Shuga は「生き延びよう」キャンペーンが世界エイズデーに向けて MTV と共同製作している強烈なドラマである。定番の無難な路線からそれて、Shuga はハイスピードで生きる六人の大学生を描写している。そして、アルコールやセックス、恋愛の中で、若者がなぜHIVに感染するリスクを負い相手も巻き込むのか、その原因に焦点をあてている。
Shuga は HIV/AIDS 感染がはびこる中、郊外にすむ若者の間の性的関係の問題を扱っている。さらに、若者が下した性的な決断が自分自身やパートナーや愛する人々に与える影響を探っている。生き方に関する大切なメッセージを若者に届け、教育し、自分のこととして考えてもらうのにドラマという形式はとても有効だ。
ストーリーは Ariya を中心に展開する。Ariya はハングリーで野心的な女の子である。人生のすべてを欲しがり、HIV+ の疑いがある年上の男と寝たせいで昔から続いている関係を壊しかける。Shuga のオープニングはこうだ。授業で自分自身を売り込めという課題がでる。求人のため面接官が並ぶ前で、Ariya は性的なほのめかしをしたため、面接官はいやな顔をした。そして、Ariya は叫ぶのだ。「だって性って売れるのよ。」「性で車も売れる、歯磨き粉だって…」Rafiki Kenyu というブログではこのように語っている。
映画のワンシーンを紹介する。
“Hi ni story ya ma boys, in gear five,
Madem wa fly getting down with the music, feeling fly,
Furahi day nights, music vibes, sweat and sex in the air.
This is a story of true love, lust, broken trust,
It is the story of bright lives, entwining and colliding,
Hi ni story ya morning after, mabyebye baadayes,
Madoa sugu zimeachwa
So what do you do when the party catches up with you?
Has the ride been worth it?”
ホットな女の子たちが音楽に乗って盛り上がってる、もう飛べそうな気分
金曜の夜、音楽のビート、汗とセックスの匂い、
これは真実の愛の話、欲望、失った信頼、
それは明るい生活の話、絡み合い衝突する、
それは後悔と甘い別れの話、
そしてお互いに残す傷の話、
パーティに参加する番がきたら、そのときあなたはどうするの?
スリルの価値は本当にある?
Shuga を見ると、自分の人生がどこにむかっているのか、どこに向かうべきなのか、若者たちは考えざるを得なくなる。Shuga は欲望と恋愛の狭間を埋めている。聞くところによると、政府が街に建てたエイズ予防プロジェクトセンターに一部の若者が HIV 検査のため群がるという現象が今週起きたそうだ。ブロガーの Lydia Njeri はこう書いている。
「最初は自分の役を演ずるだけだと思ってた。でも、そのうち Kenneth を演ずる俳優になるのはやめて、Antony に戻ったんだ。自分自身の人生を真剣に考えさせられたから。」主役の一人の Antony はこうコメントしている。
新シリーズを見れば、大胆で、綺麗で、使命を負って身を装い、パーティと一晩だけの関係の人生を愛す、そんな女性たちに魅了されることは間違いない。
若く精力的な男たちが派手で威圧的な車を乗り回し、女を引き連れている光景にもくらくらするだろう。
ドラマには 18歳から25歳の層に人気のあるケニアのアーティストや歌手、俳優がたくさん登場する。この層はミュージック・カルチャーに取り付かれ、ファッションに執着し、別れを繰り返すけれど、セーフセックスや禁欲、率直さについて語り合いもする。こういうことは今までになかった。Shugaにはこんなフレーズが出てくる。「性欲に振り回されないで!」、コンドームを使わないための言い訳として「他のやつと寝てるなら構わないよな。」、「男になろうとする」、「またパンティを脱ぐようになったころにはネガティブって判明してるはず」などなど。
最終的には、登場人物は人生を取りもどし、コントロールできるようになる。Shuga は視聴者にどうしろと教えはしない。まず考えてほしいと訴えるのだ。Out and About Africa で、Brandie はこう書いている。
ザンビア土曜版を引用する。
「この映画は若者の心に響いている。主な目的は若者の知識を増やして HIV に関する議論を促し HIV の感染を免れてもらうことだ。
新たな感染を防ぐため、行動を変える助けになればというのが狙いである。
次の段階は HIV は死の宣告ではないと人々に思い出させることだ。HIV ポジティブでも生き続けることはできる。」Mary はこう述べている。
MTV 365 はIgnite キャンペーン(若者に考えさせ、性的な行動を変えるための MTV のキャンペーン)の主催者として、ロードショーを活動の一環として始めるとも Mary は言った。
Ty を演ずる Pepe Haze も、若者の間の HIV を止めるには結婚まで禁欲するしかないと思い込んでいたそうだ。
このシリーズへのコメントを紹介する。
1 コメント
結婚まで禁欲かHIV感染か、どちらかの選択肢しか示されないということでは、HIVに感染する人が多くなるのもわかります。日本でも、「寝た子は起こすな」というロジックを語る人が多く、safe sexという概念自体を学校などで教えるのが難しいという問題がありますね。