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ケニア:ケニアの過激なドラマ「Shuga」を論ずるブロガーたち

カテゴリー: サハラ以南アフリカ, ケニア, 健康, 映画, 若者

若い世代を対象にした HIV 予防キャンペーンのうちで、「生き延びよう」キャンペーンはもっとも大規模に展開されている。Shuga [1] は「生き延びよう」キャンペーンが世界エイズデーに向けて MTV と共同製作している強烈なドラマである。定番の無難な路線からそれて、Shuga はハイスピードで生きる六人の大学生を描写している。そして、アルコールやセックス、恋愛の中で、若者がなぜHIVに感染するリスクを負い相手も巻き込むのか、その原因に焦点をあてている。

Shuga はクールな若い学生のグループの暮らしぶりや恋愛関係をたどった三部作の過激なドラマである。若者たちの人生は明るく、素晴らしい未来が待ちうけているが、リスクや危険を愛するがゆえに、いつも崩壊の危機にさらされている。Shuga は恋愛やセックス、金曜日の夜の話であり、お互いにつけた癒しようのない傷の話でもある。Shuga には Ariya という現代的な女の子が登場する。Ariya は自分が何を求めているかよく理解していて、どうすれば手に入るかも知っている。けれども、年上の男への情熱と引き換えに、長いこと付き合った恋人を失うのは割に合うのだろうか?同時に展開されるのは Virginia と Leo の間のロミオとジュリエットのような恋物語である。二人は一緒になると運命付けられているのだが、果たして二人の間の障害物を乗り越えることができるのだろうか?Shuga の拠点は東アフリカの心臓、ケニアのナイロビだ。
Shuga は HIV/AIDS 感染がはびこる中、郊外にすむ若者の間の性的関係の問題を扱っている。さらに、若者が下した性的な決断が自分自身やパートナーや愛する人々に与える影響を探っている。生き方に関する大切なメッセージを若者に届け、教育し、自分のこととして考えてもらうのにドラマという形式はとても有効だ。

ストーリーは Ariya を中心に展開する。Ariya はハングリーで野心的な女の子である。人生のすべてを欲しがり、HIV+ の疑いがある年上の男と寝たせいで昔から続いている関係を壊しかける。Shuga のオープニングはこうだ。授業で自分自身を売り込めという課題がでる。求人のため面接官が並ぶ前で、Ariya は性的なほのめかしをしたため、面接官はいやな顔をした。そして、Ariya は叫ぶのだ。「だって性って売れるのよ。」「性で車も売れる、歯磨き粉だって…」Rafiki Kenyu [2] というブログではこのように語っている。

みんな Ariya 役の Lupita Nyong'o が大好き。彼女は素晴らしい主役だし、唇が素敵だし、セックスシーンはとってもホットでクール!Ariya は綺麗で、大胆で、快活で成績優秀な22才の大学生。Langata の出身だけど、今はお母さんと妹と一緒に Buru Buru に住んでる。Ariya の父親は他の女のせいで六年前にお母さんの元から離れていて、このことが Ariya に深く影響してる。家族は父親がいなくなったせいでお金に困っている。Ariya はこの苦しい生活から母親と妹を救い出して、昔のゆとりのあった生活に戻そうと決意している。彼女には Ty という名前の交際相手がいて、Ty は彼女を愛しているけれど、Ariya は父親のせいで男を信じられなくなっている。彼女の欲にはきりがなくて、しかもせっかち。満たされずに、人生で成功しようとあせっているせいで、価値観も判断も曇ってしまっている。

映画のワンシーンを紹介する。

“Hi ni story ya ma boys, in gear five,
Madem wa fly getting down with the music, feeling fly,
Furahi day nights, music vibes, sweat and sex in the air.
This is a story of true love, lust, broken trust,
It is the story of bright lives, entwining and colliding,
Hi ni story ya morning after, mabyebye baadayes,
Madoa sugu zimeachwa
So what do you do when the party catches up with you?
Has the ride been worth it?”

これは男の子の話、ギアを踏み込んで、
ホットな女の子たちが音楽に乗って盛り上がってる、もう飛べそうな気分
金曜の夜、音楽のビート、汗とセックスの匂い、
これは真実の愛の話、欲望、失った信頼、
それは明るい生活の話、絡み合い衝突する、
それは後悔と甘い別れの話、
そしてお互いに残す傷の話、
パーティに参加する番がきたら、そのときあなたはどうするの?
スリルの価値は本当にある?

Shuga を見ると、自分の人生がどこにむかっているのか、どこに向かうべきなのか、若者たちは考えざるを得なくなる。Shuga は欲望と恋愛の狭間を埋めている。聞くところによると、政府が街に建てたエイズ予防プロジェクトセンターに一部の若者が HIV 検査のため群がるという現象が今週起きたそうだ。ブロガーの Lydia Njeri [3] はこう書いている。

Shuga はその辺のケニアのドラマとは違う。視聴者は画面に釘着けになる。楽しみながらも、自分は人生をどう生きているだろうと、いつの間にか考えてしまう。

「最初は自分の役を演ずるだけだと思ってた。でも、そのうち Kenneth を演ずる俳優になるのはやめて、Antony に戻ったんだ。自分自身の人生を真剣に考えさせられたから。」主役の一人の Antony はこうコメントしている。

新シリーズを見れば、大胆で、綺麗で、使命を負って身を装い、パーティと一晩だけの関係の人生を愛す、そんな女性たちに魅了されることは間違いない。

若く精力的な男たちが派手で威圧的な車を乗り回し、女を引き連れている光景にもくらくらするだろう。

ドラマには 18歳から25歳の層に人気のあるケニアのアーティストや歌手、俳優がたくさん登場する。この層はミュージック・カルチャーに取り付かれ、ファッションに執着し、別れを繰り返すけれど、セーフセックスや禁欲、率直さについて語り合いもする。こういうことは今までになかった。Shugaにはこんなフレーズ [2]が出てくる。「性欲に振り回されないで!」、コンドームを使わないための言い訳として「他のやつと寝てるなら構わないよな。」、「男になろうとする」、「またパンティを脱ぐようになったころにはネガティブって判明してるはず」などなど。

Shuga はケニアでかなり話題になっている。このシリーズは中流や上流に属する郊外の若者の心を実際に捉えているようだ。Shuga は若者が問題意識を持ち、性的な行動を変えるきっかけともなっている。huga は教育的で、挑発的で、面白い。「性欲に振り回されないで!」に代表されるように。ケニアの若者は「Shuga なら自分は誰だと思う?」とお互いに質問している。この映画を見たあとに、若者はなんとテストまで受けにいったのだ。性的な側面に興味を持っていない人たちも、ケニアには活気にあふれた映画産業が成立するための素晴らしいポテンシャルがあると述べている。

最終的には、登場人物は人生を取りもどし、コントロールできるようになる。Shuga は視聴者にどうしろと教えはしない。まず考えてほしいと訴えるのだ。Out and About Africa [4] で、Brandie はこう書いている。

今のところ、MTV の 生き延びようキャンペーンの Ignite が撮った Shuga という名前の三部作でその興味は満たされている。Shuga はナイロビを基点にして、都市に生きる若者の暮らしぶりや彼らの決断が与える影響を描いている。MTV が主催する生き延びようキャンペーンは、若者が正しい選択をするために必要な情報を届けて、HIV と AIDS の拡大を防ぐことに重点を置いている(Shuga のテーマはこの拡大防止という目的を中心に設定されている)。ケニアのシリーズは三部作のひとつで(他の二つはトリニダードとトバゴ島である)、実によくできているんです!ずっと昔に作られた、学校の後で子供たちが見るような特別番組じゃない。MTV の俳優はホットで若いし、話の筋は面白いし有名なケニアのミュージシャンをヤマ場に持ってきてるから、絶対に全国の若者(少なくともTVが見れる若者なら)にメッセージが届くはずですよ。わたしの親しい友達の子供まで Shuga のことを知っているんだから、メッセージは確実に届いてるんだと思います。

ザンビア土曜版 [5]を引用する。

HIV は広く蔓延し、新たに感染する率も高い。この現象はサハラ以南以南のアフリカおよび世界全体の若者の間で目立っている。このドキュメンタリーはその原因に社会的かつ経済的な側面から取り組んでいる。
「この映画は若者の心に響いている。主な目的は若者の知識を増やして HIV に関する議論を促し HIV の感染を免れてもらうことだ。
新たな感染を防ぐため、行動を変える助けになればというのが狙いである。
次の段階は HIV は死の宣告ではないと人々に思い出させることだ。HIV ポジティブでも生き続けることはできる。」Mary はこう述べている。
MTV 365 はIgnite キャンペーン(若者に考えさせ、性的な行動を変えるための MTV のキャンペーン)の主催者として、ロードショーを活動の一環として始めるとも Mary は言った。
Ty を演ずる Pepe Haze も、若者の間の HIV を止めるには結婚まで禁欲するしかないと思い込んでいたそうだ。

このシリーズへのコメント [6]を紹介する。

Shuga は私を大きく変えてくれた。ありがとう。
ダウンロードが終わるのが待ちきれない…ほんとすごい。もっと AIDS のことよく知りたい。
すごい、これこそ実生活でおきることだよ…傑作だね!
この作品大好き。ケニアの若者ってまさにこんな感じだと思う。わたしの生き方も確実に変えてくれたし…学校でもどうにかして放映できればいいな!素晴らしい映画ですね!
世界 AIDS デーの記念にぴったりですね!こんなにはっきりと正確に何が問題か説明されていれば、対象となっている人たちの心にも絶対に届くはずです。Shuga シリーズがリアルで衝撃的なので、わたし自身も考えさせられました。どうか、若者にもそうでない人たちも、すべての人が責任を持って振舞えるようになるまでこのシリーズが続きますように。
Shuga は本当にすごい。若者の間で起こっていることがそのまま鏡に映ったみたいだ。たくさん学んだけれど、まだまだ足りないから、もっと見たい。
Lupita も、製作会社も、どうもありがとう。あなたのおかげでケニア人は(特に若者ね)はこの作品を誇りに思っています。命も救ったかもしれません。