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中国: Google 追放の可能性にネットが抗議、ネット市民は動き出した

カテゴリー: 東アジア, 中国, テクノロジー, デジタル・アクティビズム, ニュース速報, メディア/ジャーナリズム, 抗議, 経済・ビジネス, 言論の自由

Do no evil(邪悪なことはしない)、Google はそう言っている。しかし、皮肉なことに Google は中国が機密情報を隠蔽し、自国のインターネットユーザーから隠す手助けをしてしまった。Google が中国で営業するには不可欠だからだ。しかし、今回 Google は本当に腹を立て、公権力に対し押さえこんできた反感をあらわにしたとみえる。Google は中国から手を引くというのだ。

Google のブログの投稿 [1]に、Google は中国からのサイバー攻撃にさらされてきたとある。さらに、第三者が顧客の情報にアクセスしたと述べている。アクセスされた顧客のうち多くは人権擁護者だった。

Google が自主規制をしていることは知られているだろう。たとえば、「天安門」と Google.cn [2] にタイプしても、1989年の事件 [3]の画像も文章も引っかからない。

このため、昨夜 Google が自主規制を外すと宣言したとき、中国のインターネットユーザーは Google のサイトに群がり、いままでアクセスする機会がなかった機密扱いの単語を検索した。ツイッターでも、フォーラムでも、掲示板でも、Google の話や、Google が中国から退去か追放になるかもという話題で盛り上がっているのが観察できる。

pzhtx [4] のツイッターの発言:

Google热榜中“天安门”上升到第一了,中国网民在送Google最后一程

ポップのリストで「天安門」が一番上に出てきた。中国のネット市民はこのようなやり方で Google に別れを告げているのだ。

人々はとうとう世界でもっとも大きい LAN ネットワークに閉じ込められてしまったと嘆いている。厳しい検閲と Great Firewall [5] に囲まれて。

インターネット上で狂ったようにあるツイッターの発言が広まっている。

Facebook的原罪是它能让人认识想认识的人,Twitter的原罪是它能让人说出想说的话,Google的原罪是它能让人找到想找到的东西,Youtube的原罪是它能让人看到想看到的东西……所以它们都被干掉了

Facebook の原罪は親しくなりたい人と自由に知り合えるようにしたことだ。Twitter の原罪は言いたいことを自由に発言できるようにしたことだ。Google の原罪は知りたい情報に自由にたどりつけるようにしたことだ。そして Youtube の原罪は見たいものを自由に閲覧できるようにしたことだ。だから、みんな追い出された。

この現象は数億ものネット市民に影響する。Google が中国で普及して以来、検索エンジン、Gmail、Google Doc は広く使われてきたからだ。若者の間で人気のあるソーシャルネットワークである社内網のユーザーはパニックに陥っている。

陆铠 [6] :早上看到新闻说“谷歌将退出中国市场”……吓醒了……我的Gmail,我的Google docs,我的谷歌咨询,我的互联网

朝「Google が中国市場から手を引こうとしている」ってニュースを見たんだ…恐ろしくって目が覚めたよ…僕の Gmailが、僕の Google docが、僕の Google 検索が、僕のインターネットが

このごろ中国のネットはおかしい。百度はイラン人と名乗るハッカーによりハッキングされ、ネット戦争が引き起こされた。百度は中国のローカル検索エンジンのうちシェアが最大であり、Google とよく比較される。百度の評判には汚点がついている。検閲の強化、それに製造業者から金をもらい、毒入り牛乳の検索結果を消したことが原因だ。

王子健 [7] :百度该不知道的都不知道,谷歌不该知道的都知道,他知道的太多了…

百度は知ってはならないことは何も見せない。でも Google はその反対だ。Google はあまりにも知りすぎているのだ。

Google はインターネットユーザーの間で高い評価を受けている。

樊春晓→槑 [8] :谷歌退出中国市场?!谷歌有骨气,谴责xx一个,没有民主的地方,谷歌情愿退出,道义、金钱,什么更重要?我收回以前说老外没文化的话,现在他们为我们诠释了什么叫舍身取义,XX,看看现在的中国人,祖宗的美德一点都没留下,枉为华夏子孙

Google が中国市場から撤退するだって!気骨がある会社だなあ!民主主義のないところからは手を引くべしというわけだ。もっと重要なのは、金かモラルかってことだ。もう外人が無礼だなんて言わない。正義のために自分を犠牲にするとはどういうことか示したのだから。祖先の美徳なんて失われている。中華帝国の子孫だなんて恥ずかしくて名乗れやしない。

ネットで毒の効いたフレーズが大人気を博しつつある。

90后:今天我翻墙,看到一个国外网站叫Google的,妈的全是抄袭百度的。00后:翻墙是什么? 10后:网站是什么? 20后:国外是什么?

90年代生まれ:Great Firewall の外にでて Google という名前の外国のサイトを見つけた。ちぇっ、百度のコピーそのまんまじゃないか。
00年代生まれ:Great Firewall の外に出るってどういうこと?
10年代生まれ:ウェブサイトって何のこと?
20年代生まれ:「外国」って何?

唐鹏 :我党威武,我天朝万岁!!谷歌终于要“自愿”退出中国市场了!!!

偉大な我が党、中国共産党の政権よ永遠に!とうとう Google が「自主的に」中国市場を出て行くそうだ!!

すぐに人々はこの事件に対する国営メディアのCCTVのコメントをでっちあげた。

cctv新闻稿:近日谷歌公司由于黄色搜索,侵犯中国作家著作权等问题,遭到了中国网民的普遍抵制。由于业绩下滑严重,考虑退出中国市场。这又是一次中国网民抵制外国不良网络服务商的成功案例!

Google はわいせつな検索結果や、著作権の侵害などの問題により、中国のネット市民にボイコットされている。また、収益の減少により、中国市場から手を引くことも考えている。また一つ、倒錯した外国のウェブサイトが、中国の人民によるボイコットの対象になった。

現在、中国にある Google のオフィスに花をおくキャンペーンがネット上で流行りだしている。これは Google に対する追悼の意を表し、検閲に対する悲しみと怒りを表現する方法だと考えられている。Google の北京オフィスの前に、人々は花の記念碑を作ろうとし始めた。