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ハイチ:「略奪」の報道、しかし地震後に暴行が起きた証拠は少ない

この記事はハイチ地震(2010)の一部です。

ハイチの地震から四晩たち、テレビやラジオ、インターネットではメディアの “looting” (略奪) という言葉の使い方に関する議論が高まっている。 オーストリアの Web サイト nachrichten.at は “pluendern”、つまり “looting” (略奪) がポルトープランスで起きているとドイツ語の “pluendern” は、英語の “looting” (略奪) と同様、窃盗だけでなく社会の機能不全をも暗示する言葉である。フランスのメディアは “pillage” という言葉を使った。スペイン語のマスコミやブログは “saqueo” という意味の似た言葉を使っている。Ortiz Feliciao は現地で働く赤十字のボランティアによる説明を紹介し、”looting” という単語の意味合いを説明している。

地震のあとに始まった店の略奪はやむに止まれぬ事情があってのことだろう。必要ですらある。「食料を手に入れる手段はほかにないのだ」とアメリカ赤十字の代表である Matt Marek は語っている。「金を持っていたとしても、ものを買う方法はないのだ。店は崩壊し、誰も働いていないのだから。」

ポーランドやアイルランド、イギリスのメディアでも同じような言葉を使っている。

アメリカのブログでは、議論は人種問題にまで及んだ。The Awl は ニューヨークの報道関係者がグループで書いているブログである。ここでは、Ortiz Feliciao が引用した赤十字の発言の別バージョンに触れている。しかし、Ortiz Feliciano が「食料不足によりハイチで」という文脈を強調しているのに比べて、The Awl は言葉のニュアンスに商店を当てており、ハリケーン・カトリーナにも言及している。

Tom Scocca: … アメリカ赤十字のハイチ代表は「地震があってから崩壊した建物の略奪が広範囲でおきている。ほかに食料を得る手段がないのだ。金があったとしても、食料は数日で尽きてしまう。」と言っている。
Choire Sicha: なんてこった。
Tom Scocca: もしほかに食料を得る方法がないとしたら、略奪とはいえないな。
Tom Scocca: これってカトリーナのときも起きただろう?恐ろしい暴力がはびこったって報道された。「略奪」もね。
Choire Sicha: 黒人たちが夜中に駆けずり回るってやつな。

人種問題を論ずるアメリカのブログ StuffWhitePeopleDo でもこの状況を論じており、何百ものコメントが寄せられている。評論家の Krystal *Lyte はこう指摘している。

飢えた人々が不本意ながら国際連合が供給する食料を略奪しているという報道がある…正直なところ、災害時にこういうことをするのはサモア人やインドネシア人に限らないと思っているのだが、[レポーターは] こういう被害者にばかり暴行を押し付けるのだ。

コロラド大学の自然災害センターに勤める社会学者 Kathleen Tierney はThe Future Majority で “略奪” という言葉に関する問題は古くからあると語っている。

災害時の神話の多くは災害でおきたといわれることと本当におこったこととの間のずれから生じています。研究の結果わかったのは、1950年代や1960年代の昔から、メディアは特定の先入観をもって災害を取材してきたということです。メディアが災害の報道をするときは、かならず劇的な要素や反社会性に注目するものです。たとえ人口のうち1%しかそういう行動に出ていなかったとしても。当時でも、襲撃神話はメディアによる報道の前面に押し出されていました。

ハイチで起きているように、ですね。

その通りです。例えば、ハイチで地震がおきた次の日、刑務所が崩壊し囚人たちが逃げたと報道されました。略奪のため逃げたのだと見なされたのです。母親や姉妹の無事を確認したのではなく、略奪に向かったのだと。彼らは悪人だから、犯罪者だから、そうに決まっていると。

市民が投稿したビデオやニュースに武装したギャングが現れている。マチェーテという刀を持った若い男のビデオまでもだ。金曜日には、何千ものメディアや難民救済ワーカーが震源に到着した。しかし、ブログやメディアはほんの数例に基づいて略奪を報じているようだ。

ポルトープリンスに拠点を置くNGO である Konpay は、同名のブログで今日おきた発砲を報じている。

2010 年 1 月 16 日 午前 7 時:始まったのは午前 1 時だ。最初はずっと遠くだったが、だんだん近くなり、2:30 には止まったように思えた。また発砲が始まったとき、路上のホームレスや難民キャンプはみな集まり、大声で歌い、手をたたき、祈りをささげた。わたしは Delmas 33 の Matthew 25 にある家にすんでいる。われわれはここにトリアージ病院を設置した。サッカー場には1300人以上の難民が集まっている。

アメリカの主流報道機関である MSNBC は、棺を盗んだ男と、死に至った発砲の例を一つだけ紹介している。

マチェーテをもち繁華街を歩き回る若い男や、路上に放置された男を撃ったとされる強盗たちの話など、単発的な略奪が報道されている。AP通信社のカメラマンは亡き骸を棺から引きずり出し棺だけ車に乗せて走り去った略奪の例を目撃している。

コロンビアの El Colombiano では “saqueo” という言葉と自暴自棄な様子が同時に載っている。スペインの配信ニュースは同じ記事を引用し、さらにスペイン語のメディアやブログ界の両方から幅広く記事を引いている。また、略奪と盗みの区別をつけ、「国連の倉庫に押し入り、野菜や乾物を取っていく飢えた人々は大勢いたが、棒で武装し個人財産を奪い取る盗賊は少なかった」という地震の生存者の発言を引用している。

この記事はハイチ地震(2010)の一部です。

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