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中国:史上初?中国語のツイッター小説が連載開始

カテゴリー: 東アジア, 中国, 文学, 芸術・文化

元教師、元検察官で現在は有名なブロガー、政治評論家である連岳氏は、今月から『2020』という題名の小説をツイッターで公開する事をブログ [1]上で発表した。ブログによると同小説は2020年まで続くとのことである。

私の知る限りでは(もし間違っていれば訂正いただければ有り難いが)これはツイッター上で公開された初の中国語小説となる。ツイッターで初めて純文学小説をノーカットで発表したのはマット・スチュワート [2]氏である、と言われている。著書『French Revolution(フランス革命)』は「リスクのある」小説と見られて出版社を見つけることができず、そのような形で発表された。しかし氏の場合、その動機は全く異なっている。連岳氏はこのように述べている。

这跟在浴室唱歌同一个道理。人在放松自由的时空里,你会想到娱乐自己,你有创造与表达的热情。浴室歌声无法发行,偶然听到的人也许耳朵要受罪,可是那个在水雾中温暖松弛的家伙,他无法控制自己啊。

これはふろの中で歌を口ずさむようなものです。リラックスしているときには、自分自身が楽しいと思うことを見つけられるでしょう。創造することや自己表現に対して情熱を抱くでしょう。ふろの中での歌は公開されるわけではありません。もしかすると、たまたま耳に入った人の気分を害するかもしれません。しかしもし、湯気の立ちこめたふろ場で楽しいと思うことを好きなようにできないならば、人は自分自身をコントロールできなくなるでしょう。

在极端严酷的环境中,创造力将逐渐消亡,文字的多义和暧昧,可以任意引申为犯罪的故意,创造等同于自杀,于是再也没人做了,文字只残存标准化的批判与审判。

極度に厳しい環境の中では、創造性が徐々に死んでいきます。言葉の持つあいまいさと多義性は、犯罪の証拠としてその解釈を容易にねじ曲げられるかもしれません。創造性を発揮することが自殺への道を意味するのならば、だれもそのようなことに力をそそいだりはしません。言葉は画一化した批評や意見へと劣化するでしょう。

气候稍稍回暖以后,不必穿得那么厚,泥土也变软了,友好地保存你的鞋印,就像苗要从缝里钻出,创造性在这个阶段也是靠它的多义与暧昧甩掉追踪的尾巴,面对指控也可以自我辩护,好比巧妙的示爱,遭拒后并不丢脸。

気温が上がれば、我々は厚着をせずにすむようになります。地面がやわらかくなれば、歩いた跡が地面に残るようになります。それは地面から芽が出てくるようなものです。この段階において、創造性はそのあいまいさや多義性を利用して告発から逃れ自らを守ろうとするようになります。それはまるで、もしも拒絶されたら恥ずかしいと恐れながらだれかに愛を告白する場合と似ています。

只不过,这场游戏不是爱情,谁也不知道哪块肉里有刺,不小心碰到了就痛得发火。创造力还是佯狂装醉,这对思维照样有害。李白与怀素不敢喝醉,只能在微醺中算计,这对他们来说,就失去了一切活力。

しかしこれは恋愛に関する問題ではないのです。そこに針が潜んでいないかどうかはだれ一人知りません。もしも不注意であれば、傷つくことでしょう。しかしただ気が狂ったふりや酒に酔ったふりをするならば、芸術的思考に悪影響を及ぼすことになります。もしも李白や懐素が酒を飲まなかったならば、気力をなくしたことでしょう。

假如一个人在受酷刑,头被摁在水里,快要憋死时,可以探头吸一口气,此时呼吸是唯一主题。而到了正常呼吸的时候,呼吸却被忽视了,这个人就会去找一些别的事情消磨时间。在twitter上就是这种感觉,有创造力的新人们,在那里相会吧。

ある人が拷問を受けて、水の中に入れられたとしましょう。息ができずに苦しくなったときに、息をする機会が訪れるならば、それがその人にとって唯一の関心事となります。その人が普通に呼吸できるならば、呼吸のことなど忘れ去ってしまうでしょう。そして別の楽しみを探すことでしょう。ツイッター上で活動していると私はそのような印象を受けます。創造的で何か新しい事をしようと思う方々、是非ツイッターでお会いしましょう。

中国語を読める方はツイッター上の小説をフォローすることもできる。URLはhttp://twitter.com/lianyue 使用されているハッシュタグは#ly2020である。