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中国:活気づくネット上での玉樹地震被災者に対する支援活動

カテゴリー: 東アジア, 中国, テクノロジー, デジタル・アクティビズム, ニュース速報, 人道支援, 市民メディア, 災害, 言論の自由

マグニチュード7.1の地震 [1]が青海省で4月14日午前7時49分に発生。400人の死者 [2]が確認されており、さらに少なくとも10,000人の負傷者が出ている。地震についての詳細な情報は限られているが、少なくはない。

玉樹

伝えられるところでは、その日のうちに25以上の余震が発生し、すでに被害を受けた地域 [3]はさらなる打撃を受けている。余震の中には、午前9時25分に起きたマグニチュード6.3の地震が含まれる。

青海 [4]および全国のメディアは、すぐに救援活動を報道した。 網易 [5](ネットイーズ、Netease)のような大手のニュースポータルサイトが現状を伝えている。騰訊 [6](テンセント、Tencent) では現場からの最新情報を扱うページが増えており、最も情報が早いように思われる。複数の電話会社が料金未払いであっても携帯電話サービスを継続する事 [7]を保証している。 胡錦濤国家主席はアメリカに滞在中であり、回良玉副首相が素早く現地入り [8]し、救助活動を指揮した。

震源は遠隔地に位置し、標高が高いために救援活動は難航している。さらに、今も砂嵐が発生し氷点下の冷え込みという状況 [9]である。軍の関係者は、適切な装備が地域に備えられていないことが問題だと率直に認めた。 [10]現地の警察は、瓦礫の下に生存者がいる場合は手作業で救い出す [11]と述べた。

地震のつづく間に、少なくとも1つの学生宿舎が 崩壊 [12]して 56人の子供たちが死亡した。玉樹にある別の学校では、校舎が崩れ落ちて30人の生徒ががれきの中に 閉じ込められているが、 まだ救出される可能性があると 新浪ニュース(Sina news)の記事 [13]は伝えている。中国赤十字社(the Red Cross Society of China)のスポークスパーソンは地域内にある学校のうち70% [14]が崩壊したと述べた。

ツイッターのユーザーである Foxmulderyは、当局者がどのような恐ろしい発言をするか、次のように予想した。

推测青海地震事后处理:1,不存在豆腐渣;2,受灾群众情绪稳定;3,省外媒体不得入内采访;4,统一用新华社通稿;5,死亡名单不公布;6问责豆腐渣的人士被颠覆国家政权;7,专家再次解释地震不能预测;8,3月专家表示不会出现破坏性地震的新闻报道被消失。

1. 『おから工事』 [15]の建物は存在しない。; 2. 被害者たちは落ち着いている; 3. 省外のメディアにはインタビューの許可が下りない; 4. すべての報道は新華社を通すこと; 5. 死者の氏名は公表されない; 6. おから工事に対して申し立て [16]をする [17]国家への反逆罪 [18]となる; 7. 専門家は再度、地震の発生がなぜ予想不可能かについて説明する; 8. 専門家が、破壊的地震はもう発生しないと述べたという、ちょうど3月に出たニュース記事は削除されて読めなくなる

コラムニスト、ツイッター中毒者である連岳( Lian Yue)は、事実をより詳しく知ろうとしている。温家宝首相が2009年の全人代 [19]における政府工作報告において、国中の学校に検査を課して安全基準を強化すると約束 [20]したことについて、そして青海省にある8,000以上の学校に所属する15,878の建物で安全評価が行われ、その結果は昨年10月に公開されたことを彼は指摘している。

ツイッターユーザーの nwau はさらに詳細な事実を追求して、青海省の学校建築に関する安全作業部会レポート [21]、緊急事態にそなえるための玉樹県の公式な対応策 [22]の内容について、そして昨夏に建設が開始された同地域の学校が迎えた不思議な結末 [23]について述べている。

水曜日の真夜中になって、主要メディアのレポーターが多数、玉樹に向かう途中の武漢天河国際空港で立ち往生 [24]しているという報告があった。そして同じ頃、主に [25]チベット族が住む玉樹から80km離れた場所に検問所が設置 [26]され、早くもジャーナリストだけが地震発生地域に入ることを拒否されている [27]というニュースがもたらされた。

これは温家宝首相ならびに胡錦濤主席が発表した、救援活動に対する『全面的努力』 [28]に矛盾する処置であるように思われる。だが、これは単に2008年に起きた四川大地震 [29]を思い起こさせるような兆候を示している、というだけではないのだ。青海省の吉狄馬加(Jidi Majia)副省長が世論に対して、より強力で『適切な』指導を行うことを発表して [30]まもなく、ツイッターやその他のミニブログで活動するジャーナリストたちが、省外のメディアは地域内への出入りもしくはインタビューを行うこと [31]が禁じられ、地震に関するニュースが報道管制下におかれていることを報道し始めた [32]のである。

しかし同時に、ちょうど水曜日正午から百度(Baidu)の電子掲示板が集まっているページ [33]で青海のカテゴリが再開した。2008年3月18日 [34]に同カテゴリが閉鎖されて以来のことである。ただし、同日の朝早くに百度で青海に関する情報を検索するとすべてブロックされたことを幾人かが報告 [35]している。

baiduQH

ツイッターで、あるひとつのアカウントが開設された。現在、広く公開されている特定の電話番号に送られたすべてのメッセージや報告 [36]が転送されて、ただちにそのアカウントに投稿されるというものだ。さらに他の人々は、現状を伝える様々な詳細についてのツイートを集めたページ [37]を立ち上げた。さまざまな掲示板のスレッドやブログに、玉樹で撮影された写真が掲載され始めた。さらに、幾人かの人々がツイッターのようなサービスを利用して玉樹への旅行プラン [38]をたてはじめた。
QHRescue

ワンパターンな旅行や報道の禁止令では、中国のNGOが団結することを全く阻止できなかった [39]のである。たとえば、中国国際救援隊(The China International Search & Rescue Team)はブログだけではなく、搜狐(Sohu) [40]新浪微博(Sina) [41]といったミニブログのアカウントでもアクティブに新しいメッセージを発信し続けている。分散してしまわないような支援方法を人々が選択できるように寄付の呼びかけ [42]銀行口座 [43]ならびに 連絡先 [44] がどんどんツイートされている。さらに、寄付は玉樹県に直接 [45]送るよう強くすすめている人もいる…

組織化を図るための自主的な活動の告知が、主要な電子掲示板のサイトである 天涯社区(Tianya) [46]に出現した。そこには寄付を集めるため [47]に立ち上げられたページも見ることができる。

2008年の四川大地震の際にも見られたように、数々のインターネット企業が金銭的支援を提供している。たとえば、騰訊は200万元の寄付 [48]を約束し、さらにユーザーが寄付することができるように申し込みフォームを同社のページに設けている。さらに、中国で活動する宗教団体もオンライン [49]での寄付集めや救援活動のサポートを行っている。