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フランス:カンヌ映画祭にて『Hors-La-Loi』タブーに触れ、物議をかもす

5月21日、映画『Indigènes(英語:Days of glory,日本語:デイズ・オブ・グローリー)』で賞を受賞したラシッド・ブシャール監督作品『Hors la loi(英語:Outside the law)』がカンヌ国際映画祭のオフィシャル・セレクションのコンペティション部門で上映された。その一方で、カンヌ映画祭会場のわきでは、大量の警察官がいる中、アルジェリアの独立戦争時のフランス退役軍人や、アルキ(アルジェリア戦争時にフランス側について戦ったアルジェリア人)やピエ・ノワールの団体代表者、与党国民運動連合の議員、カンヌ市長、極右政党の国民戦線支持者によって構成された1500人のデモ隊が、映画の内容は50年前のアルジェリアでのフランス軍とフランス国家の行動を汚すものだとして抗議行進した。

アルジェリアがフランスからの独立を勝ち取ったのは1962年のことであるが、それは6年に及ぶ長い対立の後のことであった。この血にまみれた対立は、フランス本土の政体を揺るがし、両国を癒しがたい深い恐怖へと追いやった。50年が経ち、歴史家たちが多大なる努力をしてきたにも関わらず、この話題はいまだフランス社会・政治の中でタブーである。

ブログImpôts utilesでは、多くがこの映画を見ることを拒否した右派の意見を表している(fr):

Dernier scandale, le film de Rachid Bouchareb, Hors la loi , qui raconte de façon partiale une part de l'histoire de l’ Algérie.
Ce film a été co-financé par la France (par les impôts des français) par l’ Algérie et la Tunisie.

最近の騒ぎになっているラシッド・ブシャール監督の映画『Hors la loi』は、部分的にアルジェリアの歴史の一部を描いている。この映画は、フランス(つまりはフランス国民の税金)・アルジェリア・チュニジアから共同出資されたというのに。

政治的議題から逸れて、熱い内容になっているレビューもある。例えば、モロッコのBouillon de cultureは次のように書いている(fr):

Rachid Bouchareb signe, ici, sans complaisance ou autre flagornerie, une œuvre majeure d’excellente facture, surtout au niveau de la mise en scène.

媚びやおべっか抜きに、ブシャール監督はとりわけ演出面で素晴らしい芸術大作をつくりだした。

フランスのブログIn the mood for cinemaのSandra.Mはこのように書いている(fr):

Une mise en scène ample, lyrique, inspirée, rythmée d'un cinéphile dont on sent les multiples et prestigieuses influences (du “Parrain” de Coppola au cinéma de Scorsese en passant par celui de Melville). Des comédiens une nouvelle fois remarquables. Des questionnements et un sujet passionnants et qui dépassent le cadre de la guerre d'Algérie. Pour moi, un des meilleurs films de cette édition 2010.

この映画愛好家の、壮大で叙情的であり、さらにインスピレーション豊かでリズミカルな演出の中にはあらゆる名匠(コッポラの『ゴッドファーザー』から、J-P.メルヴィルやスコセッシの映画まで)の影響を感じ取ることができる。役者は、改めて言うが、素晴らしい。非常に興味深い問題提起と内容設定はアルジェリア戦争の枠組みを超えている。私にとって、2010年の最も良い映画のひとつである。

カナダのケベックからは、Le Blogue des arts du soleilは一連の論争を「コップの中の嵐(すぐに治まる意味のない騒ぎ)」と、アルジェリア版「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のようなこの映画のことを喩えている(fr):

Avec son intrigue qui peine à trouver sa voie, ses incessants allers-retours dans le temps, ses personnages qui laissent de marbre, Hors-la-loi est à des années-lumière du chef-d’oeuvre de Leone.

方向性がはっきりしない筋書きや、頻繁にある劇中の時代の行き来、興味をそそらない登場人物。「Hors la loi」はレオーネの名作からは何光年もほど遠い。

劇場公開を9月22日に控えている「Hors la loi」によって、フランスは穏やかに歴史に向き合うことができるのだろうか。

Laterna magica肯定的である(fr):

(…) En 2010, il n’y a pas de raisons que Français et Algériens ne s’entendent pas. En l’occurrence, Bouchareb ne cherche pas à monter les uns contres les autres. Il prend le parti de ceux qui ont contribué à l’indépendance de l’Algérie, en représentant objectivant leurs actions, en montrant le FLN s’organiser selon une logique terroriste plutôt que démocratique, mais il ne juge personne, pas non plus le comportement de la police Française. Certes Bouchareb a choisit son camp, certes la France est l’ennemi dans le film et représenté en tant que tel, mais Hors la loi ne triche pas, ne semble pas s’arranger avec les faits historiques établis, ne diabolise personne non plus.

(…) 2010年になった今、フランス人とアルジェリア人がわかりあえない理由などない。この映画の中で、ブシャール監督は両者を対立させようとしているのではない。彼はただ、アルジェリアの独立のために貢献した人たちの立場に立って、彼らの行為を客観的に表し、FLN(訳注:アルジェリア民族解放戦線、アルジェリアの政党)が民主主義的というよりはテロリスト的な理論の下にどのように成り立っていったのかを描いているのだ。しかし、監督は誰かが、もしくはフランス警察の行動が良いか悪いかは判断していない。確かにブシャール監督は中立的ではないし、作中でフランスは敵役であるが、「Hors la lois」はでっちあげではない。実際に起こった歴史的事実を脚色するものでもないし、誰かを悪役にしようとするものでもない。

Le quotidien qui markは「hors du temps(時代遅れの)」のフランスについてジョークをかまし、常に変わらないフランスの短所を指摘している(fr):

Que, « Hors-la-loi », le film de Rachid Bouchareb qui a suscité plusieurs polémiques tant sur les massacres de Sétif que sur le rôle du FLN, n’ait pas été consacré par le palmarès du festival de Cannes ne devrait pas trop surprendre les cinéphiles. En revanche, le bruit qu’il a fait sur la Croisette et ailleurs illustre, comme les lois mémorielles, le malaise que la France entretient avec son histoire. Un paradoxe pour une nation qui peut légitimement se targuer d’être au firmament de cette discipline depuis près d’un siècle mais qui est incapable de regarder en arrière sans s’enflammer. Le problème c’est que les Français se réfèrent à Michelet lorsqu’ils parlent d’eux. Du coup, ils se voient comme ils aimeraient être et ignorent que le passé les montre souvent bien différents.

セティフ大虐殺やFLNの役割についての論争を巻き起こしたラシッド・ブシャール監督の「Hors la lois」がカンヌ映画祭で賞を取れなかったことは映画愛好家にとって驚くべきことではないはずだ。それどころか、(カンヌの)クロワゼット通りやその他で映画を起こした喧騒は、「lois memorielles(記憶についての法律)」のように、フランスが歴史に関して感じている居心地の悪さを表している。1世紀近く前からこの分野の頂点に君臨していることを誇りながらも、感情的にならずに過去を顧みることができない国の矛盾である。問題なのは、フランス人が自分たち自身のことを語るときにミシュレを参照することだ。結果として、彼らは、そうありたいように自分たちを認識し、過去が見せる自分たちはしばしば大いに異なるということに気づかないのである。

映画のトレーラーはこちら。Largeのブログでは、フランス-アルジェリア間の歴史の1コママンガを見ることができる。

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