2008年の四川大地震は、豆腐のようにもろい学校建築の問題や、人権擁護を訴える譚作人氏の逮捕などを受けて、マスコミにおいてタブーとなっているが、史上最悪の天災であった唐山地震を描いた映画が、34周年記念日の6日前に上映された。この地震は、1978年7月28日3時42分に河北省唐山市で発生、24万2,000人に上る死者と16万4,000人もの重傷者を出したマグニチュード7.8の大地震であった。
『唐山大地震』(英語:Aftershock)と題されたこの映画は、政府が後援し、監督は風刺の映画で認知度の高い馮小剛だ。大作として評価を得、興行収入は5億元以上、現地の記録を破った。
ストーリーの中心は、地震の最中ある母親が息子か娘のどちらを助けるかという極めて困難な選択を余儀なくされるというもの。母は息子を助けることを決心し、娘はなんとか生き残る。そして32年後、娘は自らが母になると、ようやく自分の母の選択のつらさがわかり、母を許すことになる。
この映画が観客の胸を打つ、うまく作られた作品であることは総じて世間に認められている。しかし、映画の中に含められた商品の広告があまりにも多く、それを人間の苦難に乗じて儲かろうとしたと捉えるネチズン(ネットの利用者)もいる。ミクロブロガーのYe Sanがつぶやいたメッセージは広く引用された:
唐山大地震这电影总结起来就是:准备哭。你哭了吗?你怎么还没哭?请买剑南春。你怎么能不哭呢?只有你没哭!快哭!请买中国人寿。你快哭!你必须哭!你居然敢不哭!请买宝马。你哭了吗?
カタルシス
天涯社区(人気の掲示板)の投稿者の吾非羊は、この映画のお涙頂戴的効果を、中国の地方における葬儀と比べている:
最后,大伙哭累了,精疲力竭了,丧家为表示对来吊唁的亲戚、朋友、宗亲、高邻、和尚、道士、撒纸钱的感谢,便在自家打谷场上摆下数十桌酒席。此时大伙的欢庆可以说达到了高潮,先前因为大哭丧而萎靡的精神与体力也迅速的恢复了。…
我国的这种丧礼习惯很容易将悲伤化为快乐,丧事变为喜庆,死了人变成大喜事儿。最近,冯小刚先生新作《唐山大地震》上映,笔者也有幸观摩了一遍。在黑乎乎的影院里,大伙涕泪声声。…冯导 的影片,在讲的故事,很容易让我想起小时候江苏农村大出丧的那种悲伤化为快乐,丧事变为喜庆,死了人变成大喜事儿的神奇感觉。
葬儀という習慣自体は悲しみを喜びに、葬式を祝賀に変えることができる。人の死はむしろ慶事になる。この前、馮氏の新作品、『唐山大地震』を見る機会があった。その暗い映画館で人々の泣き声が響いていた。馮氏の描いた話は江蘇省の地方のお葬式を連想させ、悲惨を幸福に、葬儀を祝い事に変える、そのカタルシス・・・
史談それとも政治的寓話?
Granite Studio (花崗齋雜記)は、この映画が事実からかなり離れていることを指摘したジェームズパルマー氏のコメントを引用した:
唐山地震の歴史家としての私は、少しがっかりした。タイタニックを見にいったときに、最初の30分以内に客船の沈没を見てしまうのと同じようだった。
おそらく、事実からいくぶん離れているアプローチこそが、家族と国家を繋げる政治的寓話を可能にしたのだろう。Seanpatrickの声:
唐山大地震,微觀家,宏觀國!~~~馮導進步了, 這部是政治意味相當濃烈的電影,暗藏了對國家未來良好發展的願景
今年の前半に、唐山地震をめぐる『掩埋』(英語:Buried)と題されたドキュメンタリーが、中国ドキュメンタリー映画際で賞を受賞した。「真実は埋められない」と訴える王利波監督はネット上で広く引用されており、馮氏の『唐山大地震』の批判的なフットノートとなっている。これらの動画はYouTubeで見られる: