先住民族の権利に関する国際連合宣言の再検討が行われる中、アメリカは2007年のこの宣言に反対票を投じた唯一の国となった。オーストラリアとニュージーランドに続き、カナダが予想外にも宣言の支持を決定したためだ。
カナダの先住民イヌイットの喉歌
アムネスティ・インターナショナル米国支部のブログHuman Rights Nowに、職員のアンジェラ・T・チャンによるカナダの動きについての記事が掲載されている:
11月12日、カナダは先住民族の権利に関する国際連合宣言(UNDRIP)を支持する世界の大多数に加わりました。この宣言は、すべての先住民族の生存、尊厳、福利の世界水準を確認する、法的拘束力を持たない人権規約です。
[…]アメリカのUNDRIP承認は時間切れです。 世界の中でも最も不利な境遇下にあり弱い立場にいる先住民族の国際的な人権水準にアメリカが従うことを保障するためには、完全な支持が必要です。アメリカでは、24パーセント近くの先住民が貧困状態にあるのです。
チャンは読者に、バラク・オバマ大統領に宣言の支持を求めるメッセージを送るよう呼びかけている。
しかし、カナダの支持に皆が喜んでいるわけであはない。トロントの弁護士で教授のPam Palmaterは、自身のブログNon-Status Indiansで、公式には先住民と認められていない人びとの権利を擁護する立場を取り、このニュースを「カナダにおける正義の錯覚」と呼んでいる:
カナダは昔の二枚舌的行いを断ち切ったと思いたいところだが、保守派によるUNDRIPの制限つき支持がそれを否定している。一方では私たちの問題に対応するために改善を行うと約束したかと思えば、また一方で私たちに反対する一般の支持を集めようとしたり、公約の実現を回避するために、政治的な言葉のあやを巧みに使ってくる。カナダは本当の意味で、UNDRIPを受け入れなかった。彼らは、カナダの先住民の権利(またはその欠如)に変化をもたらすことののない「支持声明」を出しただけだ。