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オーストラリア:ブログ界がカンクン会議を徹底議論

カテゴリー: オセアニア, オーストラリア, 市民メディア, 環境

オーストラリアのブロガーたちがカンクンでの国連気候変動サミットの最初の何日かを振り返っている。
Climate SpectatorのGiles Parkinson氏が、一連の出来事について詳細な報告をしている。12月3日に更新された記事では、大勢が疑問に思っていたこと、つまり「会議のコスト」について検討している。

COP16の会議場を延々と行き来するバスの中で出席者たちがよく話題にするのが、この会議のコストだ。国民の基本給が1日5ドルで、アメリカの学生相手に「40ドルで1日飲み放題」というプランを出すような国であれば、物価が高いことで悪評の高いコペンハーゲンよりもコストがかからないだろう、と思っていた人たちは、どうやら間違いだったようだ。
こちらカンクン:小さな一歩 [1]

John Passant氏はブログEn Passantで、社会主義者としての見方を展開している。Passant氏は非常に長い記事を投稿し、ボトムアップでの行動が必要だと結論づけた。

オバマ大統領や他の政治家たちが何かやってくれるのを無駄に待つことはできない。我々が求めている変化を団結して押し進めるために、一般の人々が歴史というステージに上らなければならない。そしてその変化は、すぐにでも必要なのだ。
カンクン:気候「無活動」会議 [2]

これは、ブログNorth Coast VoicesのWaterdragon氏が投稿した記事のタイトルにあるとおり、明らかだ。しかし、Waterdragon氏は政治的な行動も要求している。

・・・私たちの責任は、自分が排出する二酸化炭素量を減らすだけにとどまらない。化石燃料に依存するエネルギー会社や産業が「今までどおりに運営する」ために、地球温暖化に対する合法的な法的対応を妨害したり、気候変動に取り組むための法案を骨抜きにしたりするすべての議員を、投票行動を通して辞職させる責任が私たちにはあるのだ。

カンクン気候変動会議:などなど [3]

Philip Ireland氏はカンクンでオーストラリアの交渉団を追跡している。京都議定書の議論については楽観視していないようだ。

カンクン会議では、京都議定書のように包括的で法的拘束力のある協定に向けて交渉を継続する、という文言を引き出さなければならない。京都議定書の第一約束期間が2012年で終わるが、途上国の国々は第二約束期間に関する議論の進展をやきもきして見つめている。多くの途上国は、気候変動の影響を非常に受けやすい国民を抱えている。気候変動の適応に対する援助など、重要な規定が盛り込まれた京都議定書が含まれないのであれば、最終的な合意がなされたとしても途上国には受け入れられないだろう。
カンクンで京都の議論 [4]

Larvatus Prodeoのグループ・ブログではCOP16について定期的に更新されている。最新のまとめによると、良いニュースと悪いニュースがあるようだ。

ベースロード電力は必要?
まずは良いニュースだ。ベースロード電力は、必要ないかもしれない [5]
ソーラー・エネルギー技術開発者のDavid Mills氏は、発電システムの新モデルを開発した。そのモデルでは、従来の巨大なベースロード設備の設計が不要になるのだ。

共和党議員、米気候変動委員会を打ち切りへ
バラク・オバマ米大統領の政敵である下院共和党議員は、地球温暖化防止のための評議委員会を「金の無駄」だとして解体する [6]と発表した。

これは間違いなく悪いニュースだ。
気候変動 記事切り抜き5 [7]

オーストラリア青年気候連合(AYCC)はメンバー13人をカンクンに送り込み、オーストラリア政府に次のように要求している。

・・・我々の国際的な責任を満たすような、そして科学的根拠に基づいた炭素価格を 実現すること。つまり、実質的に5%以上の排出削減を実現するための価格だ。

・・・京都議定書の第二約束期間において、拘束力のある目標達成に取り組むという約束を再確認すること。

・・・森林や土地部門での排出削減のために作られたシステム抜け穴を「排除」すること。
国連でのAYCC政策プラットフォーム

最後に気候変動懐疑派から、ブログRightJab “Proud Aussie Infidel’の記事を紹介する。

コペンハーゲンをめぐる広報活動はすさまじいものがあったが、それが結局失敗に終わったのを見られたのは素晴らしいことだ。
国連はカンクン会議で再び「世界政府」を私たちに押し付けようとしているが、最初から盛り上がりに欠けたものとなっている。
多分、二酸化炭素が爆発的に増えると考えている出席者を除けば、さぞかし楽しい時間を過ごしているのだろう。
気候変動や生物多様性の議論、もう諦めるときが来た。 [8]