マレーシア:医療教育計画を一時休止

マレーシア政府は、ここ毎年の医学部卒業者の増加に伴い、量から質への転換を図るため、国内の医療教育計画を5年間休止することを発表した。

Pagalavan Letchumananは、休止のみを強いるだけでは不十分だと考えている

現存する医療系の大学はすでに数が多すぎるし、この大学たちは金を稼ぐため多くの学生を集め続けるだろう。だから、卒業生の数は増え続けていく…。これは特に、親に知ってもらいたいのだが、次の2~3年、医学の道はもう人生を約束するような要素にはならない。親や学生たちが、医学で美化された人生のことを考えるのはやめてほしいと、私は切に願っている。

Pilocarpine も、同じ感情を抱いている。

これだけは指摘しておきたい。この記事がロシアやウクライナ、インドネシアやインドの医学部卒業生の質の低さを強調しているのは、まったくの見当違いだと。なぜなら私は、数え切れないほどの研修医たちが、タイの医学部卒の学生以上に知識も自発性も参加意識をも身につけてこれらの国々の大学から卒業していったのを、ここ数年という短い間、若手の医者たちと過ごすなかで目にしてきたからだ。もし海外の医学部がはじめから低水準なのだとしたら、どうして我が国の偉大で高水準な医療教育を目にとめないことがあるだろう?

Medicine Malaysiaもまた、この一時停止は不適切な手段であり、卒業生の質を高めるため医療系大学の改革が必要であると主張している

医療系大学の認可は厳正に行う必要があり、高い基準が設けられるべきである。学士院会員をわれわれの側に招き、今いる者たちにはとどまってもらうことも、同じくらい優先される事項だ。これが光栄ある厚生相の口から聴きたいことだ。5年の医療教育計画停止という話は、明らかに検討が必要な問題に、脊髄反射的に反応した結果現れたものに過ぎない。

しかしながら、Alex Tangは医学生の過剰供給という問題が明るみに出始めたことに安堵感を見せた。とはいえ、時はすでに遅かったとも感じている。

24の医療系大学が卒業生を量産している一方で、たくさんの医学生が海外の医療系大学を卒業し、もうすぐ母国へ帰ってくる。マレーシアが医者であふれかえる未来は、間もなく現実になるだろう。それでもなお、マレーシアの至る所では、親たちが自分の子供に医学を学ぶようせきたてている。

マレーシア人の大半が支持している考えとこの問題とが噛み合っていないことは明らかである。加えて、そもそも政府が問題の火種を作ったのだと非難する者も多くいる。ブロガーであるDr Hsuも、そのような意見を表している

まるでキノコが生えるように医療系大学が乱立したのは、明らかに公的機関の医者不足が原因だ。なぜなら、公的機関の医者は必要勤務年数を終えると職を辞し、今より環境が良いと思われる民間の職場へ移っていくからだ。

多くの国において、民間への医者の頭脳流出に対抗する策といえば、公営の医者が職を辞す理由を突き止め、彼らの嘆きに向き合うよう努力し、願わくばこのまま働き続けてくれるようにすることだ。これが一般的な考え方だ。

マレーシアがとった方策は、これまでの例からもわかるように、一般的な考えを考慮に入れず、むしろハンマーで一撃を食らわせるような強硬策だといえる。

マレーシア人の論理では、もし医者たちが公的な機関にとどまりたくないというのならば、マレーシアの市場を医者であふれかえらせればよい、となる。医療系大学の設置や医者の訓練には金がかかるということは、全く気にしない。

十分な数の医者が輩出されれば、市場は医者で飽和し、医者たちは政府の機関に居続ける以外に行くところがなくなるというわけだ。

これらは、マレーシアをリードする英字新聞『The Star』の記事「医療系大学に5年間のモラトリアムを課す政府の決定」に掲載されている。

サムネイルの画像はFlickrのページPacific Northwest USCGより。 クリエイティブ・コモンズライセンスAttribution 2.0 Genericに基づき使用。

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