この記事は特集チュニジア政変(2010/11)の一部である。
ザイン・アル=アービディーン・ベン=アリー大統領を国外逃亡に追い込んだ事件が起きてからというもの、アラブ世界中のネット市民たちは「次はわが身か」と自問している。
エジプト人のジャーナリスト兼ブロガーであるMona Eltahawyはチュニジアの反乱のあいだツイッター界を注視し、「チュニジアに続け」という題名のコラムを書いて、アラブ世界は「チュニジアに続く国」はあるだろうかと固唾を飲んで見守っていると指摘した。
ベン=アリーはほかに選択肢がなかったため政権を放り出し国外逃亡したので、今後どのような政治的な動きがあるかはっきりしない。しかし、この小さなアラブの国が年寄りたちの支配から抜け出すための第一歩になるだろうかと、世界は見守っている。
アナリストの Juan Cole もまたチュニジアの動きが大きな変化のはじまりでなる可能性を 示唆した:
…チュニジアはスンニ派でありアラブ民族なので、エジプト人やアルジェリア人、シリア人やジョルダン人が彼らの方法やレトリックを自分の国のために拝借するのに、何も恥じることはない。そうすることにより、大きな影響力を持ちうるだろう。 大卒や専門職、労働者、農家、進歩主義者、ムスリムの活動家が、我慢しきれなくなり、力をあわせて議会民主製を実現したことは、アーヤトッラー(訳注: シーア派の十二イマーム派で,高位の宗教学者に与えられる称号)権威主義的な支配よりも(スンニ派にはアーヤトッラーが存在しない)影響が大きいだろう。チュニジアという小国の反乱が何かの始まりになるのか、それともよくある夜明け前の微光に過ぎないのか、まだわからない。
一日中、ツイッターやアラブのブログ界では同じような感傷が飛び交った。サウジアラビア人のジャーナリスト Ebtihal Mubarak は(@EbtihalMubarak) 次のようにつぶやいている:
もしチュニジアの革命に続いて起こり得ないことがエジプトでなくシリアで起こったならば、そのときアラブ世界は生まれ変わるだろう。#Sidibouzid #Syria
“Majnoon Habibi” (@majnoon4) も同じようなことを書いている:
今日はチュニジア、明日はファシストのシリアに、革命が起こる。アラブ中東に民主主義よ来たれ。
Syrian Arwa Abdulaziz (@arwa_abdulaziz) も次に崩壊するのはシリアだろうと 予測している:
シリア人の Yassine Essouaiha (@syriangavroche) も同じように感じている:
このような希望にも関わらず、Nader Haddad (@NaderHaddad) はシリア通信社がチュニジア反乱に言及していないと指摘している:
シリア通信局はチュニジアの反乱にまったく言及していない。
今後のことはわからないが、チュニジアの反乱によりアラブ世界が変わってゆくかもしれないという希望がもたらされたことは疑う余地がない。
この記事は特集チュニジア政変(2010/11)の一部である。