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チュニジア:失業中の男の自殺未遂が暴動に火をつける

カテゴリー: チュニジア, 抗議, 政治, 経済・ビジネス

この記事は特集チュニジア政変(2010/11) [1]の一部である。

失業中のチュニジア人が仕事のない現状への抗議として焼身自殺を図った事件が、現地に暴動の波 [2]を、ソーシャルネットワーク上に連帯と支持を広げている。

南チュニジアのスィディブジド出身のモハメド・ボアジジ(Mohamed Bouazizi)、26才の容態は依然明らかにされていないが、チュニジアのネット市民たちはこの事件を職の少なさ、政治の腐敗、人権を取り巻く状況の悪化を非難するきっかけと捉えている。

インターネットユーザーたちは、数年前にマーディア大を卒業したものの仕事を見つけることができなかったモハメドに対する連帯感を、フェースブックやツイッター、ブログで表明している。家族内での唯一の稼ぎ手だったモハメドは、家族の手を借りて、果実や野菜を露店で売り生活費を稼ぐことにした。この露店で彼は、ほんの少しばかりではあるものの家族を養えるだけの金を得ていた。しかし、市役所の役人には敵視され、何度か商品を没収されることがあった。モハメドは、自分には選択の余地がなく、生き抜くために露店を出しているだけだと説得を試みていた。そして、その度に商品を没収されて侮辱された上で、市役所の敷地を去るよう求められていたのである。またしても同じ状況におかれたモハメドは今生における全ての希望を失い、永遠に生を捨て去る決心をしたのだった。そしてガソリンを自ら浴びると、火を放ったのである。

フェースブック上には、この事件を告発するためのグループがに幾つか作られている。大統領閣下、チュニジアは焼身自殺を図っています [3](AR)はその一つである。24時間も経たないうちに、このグループには2,500人のメンバーが集まり、今日では10,000人を超えるファンを誇っている。また、24時間と経たないうちに、インターネットを強権的に弾圧する当局により、このグループのページは閲覧禁止とされた。

以下に二つのスクリーン画像があるが、チュニジア人がそのページにアクセスしようとした場合に目にすることとなるのは二つ目の画像である。
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複数のブロガーたちが、この事件について書き、怒りを露にしている。チュニジアの方言でブログを書いてるBoukachen [6]は、「スィディブジドの大虐殺」と題した記事で次のように述べている。

الحكاية يا جماعة ميش جديدة، عندها سنين حالة المناطق الداخلية ميزيريا تتحد في تسليطها على الناس الظروف المناخية و تهميش هالمناطق بكل لامبالاة و فرح دائم و طحين مستمر. اما الحكاية ما تاقفش هنا، لأنو الاعلام المنحط متاع بلاد العم بوكشان يمارس تعتيم كامل عالحكاية،…

ここで起きていることは、何も新しいことではない。長い間、この辺境ではこういった悲しい状況が続いているのである。気候条件とこの地域の周縁化との組み合わせが、(権力者たちの)無関心と相まって、このような結果を生み出してきた。しかし、腐敗せし我らがメディアがこの事件を完全に報道しないでいるため、この話がここに極まるということもないのだ。

チュニジアの少女 [7]はこう付け加える:

Dernièrement , les immolations par le feu se sont multipliées en Tunisie .Les acteurs de ces actions sont généralement des citoyens tunisiens qui ont perdu tout espoir en une vie descente . Chômage et pauvreté sont au rendez-vous et ont envenimé leur existence.

チュニジア政府は、この話を広めようとするウェブサイトを閲覧禁止にし、人々が街頭で抗議活動を行い怒りを露にしているスィディブジドの町を封鎖する以外、何の解決策も探そうとしていない。

ツイッター上でも、チュニジア人の間でトレンドとなっているハッシュタグ#sidibouzid [8]と共に、騒動が続いている。
この記事は特集チュニジア政変(2010/11) [1]の一部である。