エジプト:1月25日はエジプト版インティファーダの日となるだろうか

この記事は、2011年エジプト大規模デモ特集の一部となります。

1月25日にエジプトでは何が起こるのだろうか。あらゆるところでデモ活動や座り込みへの参加が呼びかけられている。誰が参加するのだろうか、どこで行われるのだろうか。何を要求しているのだろうか。そもそもこのデモに反対の人がいる可能性はあるのだろうか。答えを探しに、我々はエジプトのブログ界に目を向けた。

US在住のエジプト人の祈りは、1月25日にエジプトで行われようとしているデモ活動と座り込みに参加するよう、人々に呼びかけている:

يوم 25 يناير بداية إنتفاضة الشعب المصرى
كن جزء من تجربة يمكن أن تجعل أولادك وأحفادك فخورين بأنك كنت جزء منها ، سنتصدى للفساد مهما كلف الثمن ، قد لا يكون هذا الحدث هو النهاية ، ولكنه بالتأكيد سيكون شرارة وبداية للتغيير الحقيقى إن شاء الله.
エジプトの人々にとってのインティファーダは1月25日に始まる予定だ。(訳注:インティファーダはイスラエル創立で追放されたパレスチナ人の対イスラエル抵抗運動を指す)
いつの日か孫やひ孫が誇りに思うだろうこのイベントに参加してほしい。どれだけの犠牲を払おうとも、政治腐敗に抗議するデモを行うつもりでいる。これは終焉ではなく、確実に始まりとなるはずだ。真の変革の火付け役となり、その第一歩となるのだ。

チュニジアでのザイン・アル=アービディーン・ベン=アリー前大統領を国外逃亡に追い込んだ事件のおかげで、チュニジア症候群がアラブ中に拡がっているようで、チュニジアをドミノ効果の最初の一枚と捉える者がいても不思議ではない。

エジプト人の祈りは続けてこう記す:

فى تونس نزل الآلاف من المواطنين صامدين مصممين على ضمان حقوقهم وحقوق الأجيال القادمة وحصلوا على حقوقهم كلها حتى هروب الديكتاتور بن على و مصر مش أقل من تونس.
チュニジアでは、数千人のチュニジア人が自分たちの権利と次の世代とのためにデモを行い、目標を達成して独裁者ベン=アリーを国外逃亡に追い込むまで、権利を主張し続けた。エジプト人だってチュニジア人と同じくらい勇気に溢れているはずだ。
1月25日、エジプトに自由を。
ブラジル人漫画家のカルロス・ラツフは多く作品をこのイベントに捧げている

1月25日、エジプトに自由を。

ゼイナブ・サミールは、他の多くのエジプト人たちと同じように、その日何が起きるか未だに確信を持てないと言う。

ماكدبش عليك، أنا مش عارفة إيه اللي هيحصل يومها، مش عارفة العيال اللي على فيس بوك هينزلوا فعلا زي ما بيقولوا وللا لأ.. مش عارفة حتى إذا كان يضحك وللا يبكي إنها تتسمى “ثورة”.. يعني، من باب إن الثورة دايما بتبقى مفاجأة مش بمعاد
正直に言って、その日、どのように物事が進むのか、私にはわからない。通りに出てデモを行なうようフェースブックで呼びかけている人々自身もデモに参加するのだろうか。準備されているスケジュール上では革命は起こらないことになっているのだが、このイベントを「革命」と呼ぶことがおかしなことなのかどうかもわからない。

フェースブック上ではデモのために沢山のグループが作られ、イベントが予定されている。7万8千人以上のエジプト人が「We are all Khaled Saeed(ぼくらはみんなハレド・サイードだ) 」グループが予定しているイベントへの参加を公表している。ゼイノビアは現時点での参加者数合計をこちらのページで集計している。エジプトの外でも、ロンドンとワシントンのエジプト大使館の前でのデモ活動への参加が呼びかけられている。

ゼイノビアは次のように述べている:

1月25日の抗議活動はさらなる注目を集めている。フェースブックのページやグループが#25Janへの参加を呼びかけ、巨大なイベントに参加しようとしている政治グループの数も増えている。政治グループの数はおよそ17である。

しかし、なぜこの日付なのだろうか。ゼイノビアは、この日程は警察がエジプト人民と共に政治腐敗に反対して立ち上がったことをエジプト人と警察に思い出させるためであるとしている。

1月25日はエジプト警察の日であり、「イスマイリア」の警察隊が人々と共に立ち、イギリスの支配に抵抗した、1952年の稀有な愛国的事件を我々が思い起こす日である。

今となっては、「ハレド・サイード」の殺害もあり、状況は異なっているのだが。

ゼイノビアはさらに次のように説明している:

2011年の現在、大きなイベントが「We are all Khaled Saeed(ぼくらはみんなハレド・サイードだ) 」グループによって組織され、多くの野党や政治グループによって支持されており、チュニジアで起きた事件の後では特に、このイベントがエジプトを恒久的に変えるのではないかという大きな希望がある。

ゼイノビアはデモ呼びかけ人たちの要求を次のように並べている:

このグループは、次の要求を実現するために通りに出よと人々に呼びかけている。

  • 最低賃金の下限を1,200LEに上げ、失業手当を支給せよ。
  • 国の緊急事態発令を取りやめ、ハビーブ・エル・アドリーを解任し、抑留者を裁判所命令なしに解放せよ。
  • 議会を解散し、新たに自由選挙を行い、大統領就任を2期に限定するために憲法を改正せよ。

現在問われているのは、大統領候補と期待されるモハメド・エルバラダイや反対活動を率いるべきリーダーたちがどこにいるのかという点である。ナワラ・ネグムは皮肉る:

اه وربنا
والبرادعي مسافر
والاخوان خالعين
ومش محتاجين نقول الوفد خلع لانه مالوش لازمة في الحياة اساسا
بس التوانسة نازلين عشانا… ومش بعيد الاردن كمان تنزل عشانا، ويمكن نتفاجئ ان الجزائر كمان نزلت عشانا، وامبارح كان فيه مظاهرات في السودان على الغلاء، على الله بقى السودان تنزل عشانا
النكتة حتبقى لو كل دول نزلوا عشانا واحنا ما نزلناش بحجة ان “القيادات” مش نازلة.
ああ、もう。
エルバラダイは海外旅行中だ。ムスリム同胞団は参加しない。新ワフド党も参加しないことは言うまでもないが、いずれにしても役立たずの党だと我々にはわかっている。
だが、チュニジア人が我々との連帯の下にデモを行ってくれるだろう。おそらく、ヨルダン人もだ。それに、もしかすると、アルジェリア人も。昨日は、スーダンでも物価上昇に反対するデモがあった。
みんなが我々のためにデモをしてくれるのに、我々が野党党首が参加しないことを言い訳にして家に留まるとしたら、それはおかしいよねえ。

「HAFS」として知られている「サラフィー主義者の改革運動(Salafists Movement for Reform)」は参加を表明しているものの、多くのサラフィー主義者の運動は今回の動きに全面的に反対している。また、この呼びかけが、統制の効かない暴動と混乱を引き起こすして終わるのではないかと疑い、不安を感じているブロガーもいる。アミラ・バーイ・エル・ディンは不安を次のように記している。

لن اقول لكم لاتحرقوها ….
لكن تذكروا ان هذا الوطن اغلي من العبث به وبحياه مواطنيه !!
ربما نعيش ايام سوداء لكنها ليست الاسود !!!!
ولو احرقتموها واحرقتمونا ، فلا تبكوا ولا تندموا فوقت البكاء والندم سيكون قد فات !!!!
国を焼き払わないでほしいと頼んでいるわけではないの。
ただ、実験とゲームの対象とするには、この国は貴重すぎるということを忘れないで!
今は皆つらい日々を送っているかもしれない、けれど、もっと酷い事態だってあり得るわ。
火を点けたり燃やされたりするのならば、後悔しないでね。覆水盆に返らず、よ。

結局のところ、この数日間、我々は何が起こるか成り行きを見守らなければならないのであろう。いったい誰が参加するのか、参加者は何をするのか、政権がどう反応するのか、様子を見守る必要がある。チュニジアが本当にドミノ効果の最初の一枚だったのか、それともエジプトやアルジェリアや他のアラブ諸国とは全く異なる状況にあったのかは、時が証明するだろう。

この記事は、2011年エジプト大規模デモ特集の一部となります。

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