エジプト:ムバラクが反撃の演説を行なったが・・・

この記事は、2011年エジプト大規模デモ特集の一部となります。

エジプトで抗議活動が燃え盛る間4日間に渡って沈黙を守った後、現職のホスニ・ムバラク大統領は本日(1/29)早くにエジプト国民に向け、抗議活動家たちを「ギャング」や「悪党」だと呼ぶ演説を行った。同時に内閣を解任し、新しい内閣を本日組閣するとも述べている。世界中のネット市民は、この演説に対して失望と激しい怒りを覚えている。

エジプト国民に向けて演説を行うムバラク 撮影:スルタン・アル・カセミ

エジプト国民に向けて演説を行うムバラク 撮影:スルタン・アル・カセミ


怒れるアラブニュースサービスのアサード・アブカリルは次のように吐き捨てる:

ムバラクが生中継で喋っている。墓穴を掘りまくってるね。抗議活動をしている人たちを侮辱している。生涯を通じて貧しきには同情しているって言っていたのは自分なのに。だから、大金持ちしか周りにいないんだよ、独裁者さん。

また別の攻撃的なコメントで、このレバノン系アメリカ人は以下のように書いている:

内閣を退陣させると宣言しているね。誰か言ってやれよ、みんなが辞めて欲しがってるのはあんただって、馬鹿なやつだな。

また彼は、ムバラクの演説を、29日間の抗議活動の末に国外追放となったチュニジアの大統領、ザイン・アル=アービディーン・ベン=アリーのそれと比べている:

ムバラクの演説をベン=アリーの最後の演説と比べることもできるかもしれない。状況を悪化させているだけだね。ムバラクは人民が悲惨な状況を単純にナズィーフ首相の責任だと非難しているかのように表現していた。最後の一秒までいかに独裁者が戦うのかという見本だね。ムバラクが今日にでも権力を明け渡した可能性はあり、アメリカが権力の座に留まるよう強いたのではないかと個人的には考えているんだ。これは私の憶測だけれども正しいと感じてもいる。アメリカはエジプト軍参謀長を新しいリーダとしようとしているという情報もあるし。

1月25日の抗議活動の始まり以来エジプトに注目しているUAEのライター、スルタン・アル・カセミは、彼の憤りと失望とを一連のツイートで明らかにしている。

スルタンは次のように述べている:

彼はインターネットや携帯電話の制限を止めるとは言わなかった。彼は野党党首との会合を提案しなかった。彼はエジプト国民を認めなかった。

また、スルタンは次のように付け加えている:

彼は今年後半の大統領選に自身が再度立候補しない、息子に世襲させない、議会を解散しない、そのいずれにも言及すらしなかった。我々は、ガマル(訳注:ガマル・ムバラク、現大統領の次男)率いる新しい政府下におかれるだけなのだ。

そして、こう怒りを露にしている:

歴史上、独裁者が行った演説の中で一番酷い演説だったね。くだらないことばかりで。

世界中からも多くの反応が寄せられている:

次のツイートは100回以上リツイートされている:

@sivavaid: ムバラクへ、拒絶は#エジプトでは意味をなさないよ

米国大統領バラク・オバマも、エジプトでの騒動に対する「寛大な」態度を攻撃されている:

@SamiraAhmedUK: 「自分以外の全員を解雇する」ことがムバラクにできる最大限の変革だ。「堅固な」変革が必要とされているとオバマは演説したけど、だいぶ弱い変革だな。

ジョー・バイデン副大統領も攻撃を免れてはいない:

@evgenymorozov:ジョー・バイデンは積極的にアサンジ(訳注:ウィキリークスの編集長)を「ハイテクテロリスト」と分類したけれど、ムバラクを独裁者と呼ぶのは気が進まないようだ。アメリカの本領発揮、だね。

ムバラクの言葉の一部はツイッター上で笑いや嘲りを呼んでいる。

@nanawireko: ははははRT@Zichibhu: #ムバラク曰く、「私はエジプトを守るためにここにいるんだ」 #嘘だね #嫌なやつ

@Mayousef: 人民はムバラクを@foursquareのエジプト市長の座から追放した。#Jan25

@ringlunatic: RT @unessentialist: RT @yasminhamidi: ムバラク:独裁者ではないことを証明するために、新しい政府を個人的に任命しようと思う

@omarbaddar: 本日のジョーク -オバマ「ホスニ、ご自分の国民に向けてお別れの手紙を書いたほうがいいと思うんだけど」ホスニ・ムバラク「なんで?あいつら、どこに行くって言うんだよ」

歴史の教科書に立ち返って気づきを提供する者もいる:

@MAlshehri: 「ムバラクは#エジプト5,000年の歴史の中で、ムハンマド・アリー・パシャとラムセス2世に次いで第三番目に長い統治期間を誇る。#Jan25

ムバラクの演説の効果が何かあったとすれば、街の怒りに火を注いだという点だろう:

@EANewsFeed: #エジプト: カイロからの速報「反逆の魂は生きている。抗議活動は今も続いている」http://tinyurl.com/6ysbf9a #Jan25 #スィディブジド

@monaeltahawy: #ムバラクは自らが国民の恐怖を享受する独裁者であるかのように振舞っている。しかし、彼は代わりに憎しみと怒りを獲得しているのだ。抗議活動をしている者たちは、彼を恐れてなどいない。#Jan25

@AhmadHKh: 「ムバラクを倒せ」と落書きされた#エジプト軍の戦車のイメージは#1月25日について多くを語っている

また、ムバラクに荷を纏めてエジプトを去れと告げる声も増えている。

@UnitedArabs: #ムバラクよ、家族と取り巻きたちを集めて、#エジプトからの片道旅行に出発するならば、今日という日は善き日だぞ。

@alykhansatchu: 「ムバラク、ムバラク」人々が叫ぶ。「サウジアラビアが待ってるぞ」その時、放水砲が群集に向かって水を噴いた-

@aqsaaa_: まず国民で、次にアメリカだった。今や軍隊だ。最も近しい協力者も反抗する時には、#ムバラクよ、身を引くのが賢明ってものではなかろうか。 #エジプト #Jan25

ムバラクの30年間の統治に対する大規模な抗議活動は第五日目に入っている。エジプトからの更なるニュースに注目していて頂きたい。

この記事は、2011年エジプト大規模デモ特集の一部となります。

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