- Global Voices 日本語 - https://jp.globalvoices.org -

タイ:黄シャツ隊再び集結

カテゴリー: 東アジア, タイ, 市民メディア, 抗議, 政治, 行政

タイの黄シャツ隊(反タクシン派)が再び路上に姿を現した [1]。大規模なデモ活動を起こし、2008年には国際空港を占拠したこの団体は、国境の防衛ができずにいる罪で「裏切り者」の官僚たちを非難するため、再び集結している。

プレアヴィヒア寺院 [2]をめぐるカンボジアとの国境問題に関して、タイは十分な攻めの態勢が取れていないとデモ隊 [3]は強調している。プレアヴィヒア寺院とは、カンボジアとタイ国境付近にある文化遺産の寺院である。

黄シャツ隊 [4] は民主市民連合(the People's Alliance for Democracy:PAD)のメンバーだ。2008年に勢力を伸ばした現政府の支持者でもある。しかし今日、黄シャツ隊はアピシット・ウェーチャチワ政権への批判姿勢をあらわにしている。

すでにここ数日、黄シャツ隊は抗議活動を続けている。フェイスブックのPalm Writingsというページでは、バンコクの状況 [5]がこのように描かれている:

あれから6日 [6]が経ったが、黄シャツ隊は今もまだ官邸のそばでキャンプを張って交通をせき止め、対カンボジア政策を強めろと要求している。時を同じくして、アピシット首相は国境付近の仏塔に立っているカンボジア国旗の撤去要請を出したが、フン・セン(カンボジアのリーダー)はそれを拒否し、デモ隊のなかではクーデターと国境付近へのカンボジア軍の追加派兵という二つのうわさが流れている。黄シャツ隊は政府との話し合いの機会を拒否し続けている。

黄シャツ隊は主要な官僚に対して、刑事訴訟を申し立てている。

thaimythbuster: [7] 黄シャツ隊(PAD)は、月曜、アピシット首相と他3名の大臣をタイの国土防衛を十分に取り図らなかった罪で刑事告訴した。

黄シャツ隊の主なライバルは、2009年から対立する抗議グループとして出現した赤シャツ隊 [8]だ。最近赤シャツ隊は「非民主的」なアピシット政権の退陣を要求すべく、何万人ものメンバーを動員した [9]スティングレイ [10](タイ情報機関の国家安全保障を扱うジャーナリスト)は、赤シャツ隊と黄シャツ隊のデモが成功したことをうけ、以下のように反応した。

赤シャツ隊も黄シャツ隊も、弾道軌道に乗った。
赤シャツ隊は日増しに勢力を強め、黄シャツ隊は肩を並べる者がいないほど過激だ。

赤シャツ隊と黄シャツ隊は融合するのだろうか?この問いに対し、政治評論家たちはそのような見込みはないと述べている:

StrontiumDog1: [11]赤シャツ隊はPAD(民主市民連合:黄シャツ隊)やTPN(タイ愛国者連盟:黄シャツ隊の分派)と合同デモを開催することはないだろう。彼らは目的も違えば、立場や見解も違うのだから。

PADは多数のデモ参加者たちを誘致し損ねたようである。

forestmat: [12] @terryfrd もう誰も#PADのことを気にかけてはいないと思う。彼らはもはや支持を集めることもできないみたいだ。僕は彼らが計画を発表するのを待つよ。

Aim_NT: [13] @jin_nation: RT @tulsathit: TR @jin_nation: PADはデモを“アップグレード”する準備が整った。人だかりもまばらなステープ副首相「通りを返してくれ」PAD「やなこった」

forestmat: [14] 黄シャツには参加者がわずかしかいないようだ。こんな貧弱な支援で、活動に終止符を打とうとでもしているのだろうか?#PAD

BBfeeling: [15] PADの抗議活動には一文の値打ちもない。彼らは自分たちの利益のために抗議をしているんだ!

[16]

見込みはないにせよ、ひとたび赤シャツ隊と黄シャツが力を合わせれば、この緊迫した状況が一層悪化する可能性がある。

artnithi: [17] RT @paisalvision: RT @sathornstreet: @paisalvision タイ政府はPADを敵に、カンボジアをボスにみなしている…そう考えずにはいられない!>+1

bkkbase: [18] PADが勢いづいてタイの政府庁舎を吹き飛ばしてくれますように。

two10eleven: [19] @RichardBarrow はっ!もし赤シャツ隊と黄シャツ隊とイスラム教徒が力を合わせたら、首相や軍はひとたまりもないんじゃないか。

JayVeerayano: [20] RT @suthichai: @tulsathit 「打倒アピシットに向けて黄シャツ隊と赤シャツ隊が手を組んだらどうする?」おそろしい・・・どっちも過激だからなぁ。

バンコクのツイッターユーザーは以下のように反応している:

MCOT_Eng: [21] ステープ副首相はバンコクの警察署長に、Makkawan橋を封鎖しているPADが車線を開放するように交渉し続けろと指示している。

BBfeeling: [22] 僕は言論の自由を尊重する…民主主義も信じている…でもタイの赤シャツ隊とPADは信じない!!!絶対に!!

Gokgag: [23] @aandpink 特に予定があるわけでもない…やる気もおきない。昨日の晩PADのデモに行ったよ…あんまり人はいなかった…ジョーは初日に行った。:)

pongpavan: [24] RT @KlaAthak: だからなんだって?PADにはなんの為政権もない。バンコクの選挙じゃ一席も取れなかったじゃないか…。またのけ者にされるんだろう…

NickDay13: [25] 将来、PADは他国の抗議団体と徒党を組んで、何度かデモを行うだろう。メディアの関心を引くために。

Tai Hui [26]は、こういった政治集会が設備投資に影響することはないと考えている。

政治状況が劇的に変化することはタイにおいては当たり前のできごとで、近年はこういった政治の嵐を経済がうまい具合に和らげてくれている。78年に及ぶ民主主義の歴史で、タイは24回の軍事クーデターと18回の憲法改定と27人の首相交代を経験してきた。地元企業と海外企業の両者にとって、不明瞭な政策は不安定な政治よりも大きな心配の種なのだ。

黄シャツ隊のデモの写真はフェイスブック [27]またはRichard Barrow [28]のブログで見ることができる。