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メキシコ:銃撃の中、生徒を励ました教員の歌声

カテゴリー: ラテンアメリカ, メキシコ, 市民メディア, 戦争・紛争, 教育, 映画, 若者

この記事はグローバル・ボイスの特集 “Mexico's Drug War” [1] の一部です。

メキシコのMonterreyで起きた銃撃の最中、生徒を落ちつかせるために彼らと歌を歌う、ある幼稚園教員を映したYouTube映像が、スペイン語圏の国々にまるで感染していくかのような勢いで広まっている。

教員が携帯電話を使って記録したこの映像 [2]は、とても幼い子供たちが床に伏せている教室の様子を映したものだ。教員は優しい声で生徒たちに、外から銃声が聞こえる間は、頭を床につけて伏せているように指示している。伏せ続けるよう注意しながらも、怖がらなくて大丈夫、教室の中は安全よと安心させている。そして子供たちの気を紛らわせるために、彼らとともに歌を歌い始めた。彼女はBarney showという子供向け番組で歌われている、Raindrop Songを選んだ。この歌は「もしも雨がチョコレートでできてたら、どんなことが起こるかな、ぜんぶ食べるのに、どうやってお口を大きくあければいいかな」という内容をスペイン語で歌ったもの。子供たちに歌わせることで全員を落ちつかせるだけでなく、「仰向けになって口を大きくあけ、お空を見上げましょう」と促して、子供たちの頭を低くさせておくことにも成功した。

地元メディア [3]ははこの幼稚園が、Colonia Nueva Estanzuelaにある幼稚園と推測しており、そこは7台のトラックに乗った武装グループが、個人タクシー乗り場にいた5人の民間人を射殺した場所から、ほんの数メートルしか離れていない。いまだに特定されていないこの教員は英雄と呼ばれ、彼女の勇気や人柄、園児への愛がメディアや視聴者の間で評判になっている。