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ブラジル:同性愛者同士のシビル・ユニオンの承認を記念するインターネットユーザー

2011年5月5日、ブラジル最高裁が同性カップル同士のシビル・ユニオン[訳註]を認める判決を下した。 判決文には、ブラジルの法律が異性愛カップルに対して定めている権利や義務は、安定した生活を送る同性愛カップルに対しても同様に認められると記され、判事全員の一致をもって決定された。今後、シビル・ユニオンを果たした同性愛者は、パートナーの年金、退職金、健康保険の恩恵を受けられるようになり、同性愛カップルは、養子縁組など、家族法で認められているすべての利益を享受することになる。2010年の国勢調査によると、ブラジルには60万組の同性愛カップルがいる。

[訳註] シビル・ユニオン - 同性カップルなどに対し、結婚した男女と同等の権利や義務が法的に認められる関係。同性結婚とは区別される。以下、Wikipedia、Civil unionのページから冒頭部分を引用して翻訳。
「法的に認められたパートナーシップの形態で、結婚に類似している。1989年、デンマークで最初に法制化された。その後、結婚した異性カップルと類似した(または同一の)権利、手当て、責任を同性カップルにも付与することを目的に、シビル・ユニオンやその他の名称で多くの先進国で法制化されていった。ブラジル、ニュージーランド、ウルグアイなどの国では、異性カップルに対してもシビル・ユニオンが開かれている。」
Dia 5 de maio de 2011 -> Dia em que o Supremo Tribunal Federal aprovou a União Homoafetiva (união estável) por dez votos a zero. Twitpic de @Leo_Rossetti

2011年5月5日。ブラジル最高裁が同性愛カップルにシビル・ユニオン関係を結ぶ権利を10対0の全員一致で認めた日。@Leo_Rossetti投稿のTwitPic

この歴史的な決定は同性愛者に対する法律上の差別に終結をもたらすことになり、ネット上その他での話題をかっさらったが、この決定を祝う論調が大部分を占めた。5月5日には、法廷が開かれた後、ツイッターのハッシュタグ #uniaohomoafetiva(直訳するとhomo-affective union、同性愛者感情結合。同性愛者同士のシビル・ユニオンを指す言葉)が、ツイッターのトレンドでトップに躍り出た。

ブログUlulos Selvagens (野蛮な金切り声)のTieloは、同性愛者同士のシビル・ユニオンが認められるか否かを決める議論を分析するため、テレビで審理の行方を見守った。(憲法に関する案件のときにのみ開廷される)ブラジル最高裁を誇りに思いつつ、Tieloは審理で交わされた最高の議論を紹介した

Recomendo a leitura dos votos não apenas pelos argumentos jurídicos, mas pelos argumentos pró-tolerância.

Há duas falas que ministros que eu gostaria de deixar aqui:

“Aqui, o reino é da igualdade absoluta, pois não se pode alegar que os heteroafetivos perdem se os homoafetivos ganham. Quem ganha com a equiparação postulada pelos homoafetivos? Os homoafetivos, muito bem. E quem perde? Ninguém perde. Os heteroafetivos não perdem e a sociedade não perde” – Ministro Ayres Brito

“Uma sociedade decente é uma sociedade que não humilha seus integrantes.” – Ministra Hellen Gracie

法律上の議論だけでなく、寛容さを支持する議論もなされているので、裁判記録を一読することをおすすめします。判事たちの言葉を2つ引用してここに載せたいと思います。

「ここは絶対的な平等の国です。なぜなら、同性愛カップルが得をしたからといって、異性愛カップルが損をするなどとは主張できないからです。同性愛者が求める平等によって得をするのは誰でしょうか?同性愛者たち自身です。では、誰が損をするでしょうか?誰も損をしません。異性愛カップルも損をしませんし、社会も損をしないのです」Ayres Brito判事

「まっとうな社会は、その構成員に屈辱を与えるなどということはしないものです」 Hellen Gracie判事

Papai Gay(ゲイのパパ)は、普段はブラジルの司法システムに対して滅多に感じない誇りを、このときばかりは感じた、と言う。

Essa equiparação nos faz, perante a lei, iguais em nossos direitos de casais gays. Isso tem um efeito psicológico social fortíssimo. O estranhamento que ainda causa quando as pessoas sabem que moro com um homem será amparado pela lei. Vão pensar 2 vezes antes de falarem que isso é uma pouca vergonha.

この判決によって、ゲイ・カップルに対し、我々の権利としての平等が法律的視点からももたらされた。これは社会に対して非常に大きな心理的効果があった。私が男性と一緒に暮らしていることを知った人々はいまだに違和感を抱くようだが、我々はこれからは法律で守られることになる。私に対し、気軽に恥知らずだなどと言えなくなるのだ。

同性愛者同士のシビル・ユニオンの法的承認をなんとか遅らせてきた宗教団体や保守的グループの活動のせいで、Joaquim Fernandezにとっては今回の決定はいくらか遅いものになった。しかし、Fernandezは、ブラジルはよい方向に一歩踏み出したと確信している。

Só mesmo a visão turvada pelo preconceito ou pelo fanatismo religioso pode levar alguém a ser contra tal medida. A decisão, inclusive, não institui o casamento civil entre pessoas do mesmo sexo. Entendem os ministros que o casamento civil se restringe aos casais formados por um homem e uma mulher. Assim, não há motivos para alguém se opor a uma decisão que, reitere-se, foi tomada por unanimidade. Ainda que de forma mais lenta do que seria desejável, o Brasil vai avançando nas questões de cidadania.

今回の決定に反対する者がいるとすれば、それは偏見によってゆがめられたものの見方や、宗教的狂信のせいだろう。実際、今回の判決は、同性同士の市民としての結婚制度を設けるものではない。判事たちは、市民としての結婚は、男性と女性からなるカップルに限られるものと解釈している。よって、今回の判決、繰り返しになるが、判事が全員一致で決定した今回の判決に反対する理由などないのだ。実を結ぶのが期待より遅かったとはいえ、ブラジルは市民意識という点においてよい方向に進んでいると言える。
Commemoration of the law allowing for same-sex marriage on Paulista Avenue. Twitpic by @Gui_5

パウリスタ通りで同性同士の結婚を認める判決を祝う人々。@Gui_5のTwitPicより

しかし、同性カップルのシビル・ユニオンが法的に認められたことを祝った人々の多くは、このような理解はしていなかった。つまり、シビル・ユニオンはあたかも結婚の同義語だと解釈されたのだ。Everton LopesとMarcel Zamaが、判決後のサンパウロ市内の全体的な雰囲気を詳しく語っている。

Ontem algumas dezenas de pessoas foram comemorar na Av. Paulista. Foi bem legal e interessante. Emocionante as pessoas gritando “Agora pode”, quando uma drag queen vestida de noiva apareceu segurando a bandeira do arco-íris.

Sim, agora pode!

Mas que fique bem claro. O mais importante não é casar. É TER O DIREITO DE SE CASAR. Direito negado desde sempre e que hoje, é a nossa realidade.

昨日、何十人もの人たちがお祝いのためにパウリスタ通りに出かけました。とてもかっこよかったし、おもしろかった。みんなが「結婚できるんだ!」と叫んでいて、わくわくしました。ドラッグ・クイーン(女装した男性の同性愛者)がウェディングドレスを着て、虹色の旗を振りながら登場したり。

「そう、結婚できるんだ!」

でも、これは記録のため。重要なのは結婚じゃありません。重要なのは、結婚できる権利なんです。私たちをいつも否定してきた権利が、今は私たちの現実になったんです。

実は、同性愛カップルは今回の判決の下では結婚することはできない。判決は、同性カップルによるシビル・ユニオンの方向への単なる一歩に過ぎないのだ。弁護士Flavia Penidoがこの点について説明し、他の質問にも答えている

Não se está falando sobre casamento gay, e sim de equiparação da união estável heterossexual para a união estável estabelecida entre homossexuais

これは同性結婚という話ではありません。異性愛者同士のシビル・ユニオンと同性愛者同士のシビル・ユニオンの話なのです。

Cida Lorenz Pelenzが、市民としての権利保障に関する質問に簡潔に答えている。

Elementar, meu caro. A Constituição já diz que somos todos iguais perante a lei. Cumpra-se a lei!

基本的に、みなさん、我々は法の下に平等であると、すでに憲法に記されています。法は尊重されなければなりません!

異議を唱える声

全体的にはある種お祝いムードに包まれているかもしれないが、全員が最高裁の判決に満足しているわけではない。例えばJhunior Silvaは、今回の判決は家族にとっては後退だと考えている。

Deus neste dia está muito triste e decepcionado com os congressistas Brasileiros, o que Deus fez, eles querem apagar, abolir, tirar dos valores do ser humano o projeto família, mas eles não sabem, o que Deus estabeleceu homem nenhum irá destruir.

今日、神様はブラジルの政治家に対してたいそう悲しく、落胆していらっしゃることだろう。神様がなさったことを政治家たちは消し去り、無効にしたいと欲している。人間の価値や家族の創造を奪い去りたいと欲しているのだ。しかし彼らは知らない。神様がお作りになったものは、何者であっても破壊することはできないのだ。

国会議員Jair Bolsonaroは、「同性愛者同士のシビル・ユニオンの次は、小児性愛の合法化か?」と、最高裁の判決をあざ笑う。これに同調し、似たような視点でコメントする者もいる。例えばMarconのように。

Pelo andar da carruagem, muito em breve passará a ser necessário, no Brasil, que todo homem terá que ter
uma experiencia homossexual para ser considerado maior de idade – felizmente de há muito já passei dos 18 anos e não serei alcançado por tal determinação.

このペースで物事が進めば、いずれ男は全員、同性愛的経験を経なければ法定年齢に達しているとみなされない、なんてことになるだろう。幸運なことに、とうの昔に18歳の誕生日を迎えた私にとっては関係ないが。

戦いは続く

Civil Union for Same-Sex Couples. Illustration by Marcel Trindade in homage of the ruling by Brazil's Supreme Court (Flickr, copyright CC BY 2.0)

同性カップル同士のシビル・ユニオン。ブラジル最高裁の判決に敬意を表し、Marcel Trindadeが描いた。(Flickr, copyright CC BY 2.0)

Amanda Almeidaは、法律面での争いには勝ったかもしれないが、戦いはこれからも続く、と強調する。

Estamos agora em busca da aprovação do PL 122, que torna crime a ofensa e discriminação a homossexuais. É outro ponto que acho um absurdo que precise de votação. Respeito é algo que deveria ser inerente ao ser humano, independentemente de qualquer cor, raça ou escolha sexual. Mas tendo como estatística que um homossexual seja morto a cada um dia e meio (260 mortes irracionais em um ano), essa é outra luta essencial. Como infelizmente precisamos disso, que venha a votação da lei, mais uma vez.

Finalizo esse texto com uma frase fantástica da minha mãe. Sim, minha mãe. Que nunca foi feliz com minha ‘ orientação’ sexual e que sei que se sente triste com essa orientação, mas é uma pessoa que me deseja ver muito feliz, independente de qualquer coisa. Quando disse a ela que teve uma votação para garantir esses direitos, ela disse: “Mas se até as amantes, que obviamente causam destruições da instituição familiar, quando comprovam relacionamento duradouro têm direito a pensões e benefícios sem que nunca tenha sido necessária essa votação, pq um casal homossexual que só quer ser feliz sem prejudicar ninguém precisa passar por essa votação?” . Pois é, mãe. Ótima pergunta!

我々は今、同性愛者差別を刑罰の対象とするとした法案122を可決させようとしている。これもまた、投票がなければ成立しないという、ばからしいものだ。他人を尊重する気持ちは、肌の色や人種、性的指向にかかわらず、人類が生まれつき持っていなければならないものだ。しかし、同性愛者が平均すると1日半に1人ずつ殺害されている(1年で260人が、理不尽な死を迎えた)という統計からわかるとおり、これはまた、避けては通れない戦いだ。我々は不運にも可決を必要としている。もう一度、法的な勝利を勝ち取ろう。

母の素敵な言葉でこの文章を閉じようと思う。そう、私の母だ。母は私の性的「指向」について快く思ってこなかったし、その指向のせいで悲しんでいることを私は知っている。しかし母は、とにかく私の幸せを見られるよう願っている人でもある。これら権利を保障するための裁判があるのだ、と母に伝えたとき、母の質問は次のようなものだった。
「でも、どう見たって家族制度を破壊するようなただの恋人たちでさえ、長続きする関係を証明できただけで年金や福祉手当を受け取る権利をもらえるんでしょう?裁判なんかまったく必要なしに。それなら、なぜ他人を傷つけずにただ幸せになりたいと思う同性愛カップルには裁判が必要なの?」
その通りだよ母さん。グッドクエスチョン!

ブラジルが現在、どのように不寛容さや偏見に立ち向かっているのか。それが次回の記事の主題です。当シリーズ、以下の記事もあわせてお読みください。

ブラジル:同性愛嫌悪、宗教、政治
ブラジル:LGBTをめぐる議論

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