- Global Voices 日本語 - https://jp.globalvoices.org -

ロシア:若い女性向けのブランド化されるタバコに関する激しい議論

カテゴリー: 東・中央ヨーロッパ, ロシア, デジタル・アクティビズム, メディア/ジャーナリズム, 健康, 女性/ジェンダー, 市民メディア, 政治, 若者, RuNet Echo

ロシアの最も大きなタバコ製造業者による最近の広告キャンペーンとカートンのリニューアル化はロシアのブロガー達をイライラさせており、責任あるマーケティングと広告の議論で火花を散らしている。

Donsky Tabak [1]はロシアの主要なタバコ製造業者である。そして、2つの「女性」用のスリムなタバコのカートンをリニューアルし、より若い人への広告キャンペーンとしておしゃれにデザインした:

Redesign of "Sweet Dreams" cigarettes, Illustration from Dontabak.ru [2]

Dontabak.ruに掲載されている「スイートドリームズ」の新しいデザイン

タバコは10代を対象にしているのか?

「新しい」スイートドリームズのタバコの企業サイトのプレスリリース [3][ru]には以下のように描かれている:

Маркетинговая и дизайнерская концепция марки заключены в идее путешествий, о которых мечтают все молодые девушки. SWEET DREAMS – это сладкие мечты о прекрасных городах, где можно отдыхать, развлекаться и совершать покупки.

マーケティングとデザインコンセプトの中心は全ての女の子の夢である旅です。スイートドリームズ ― それはあなたがリラックス出来たり、楽しんだり、ショッピングに行く美しい街/都会の甘い夢なのです。

Adme [4][ru]というサイトはロシアのウェブサイトで広告キャンペーンを分析したり、批評したりするサイトである。そこでタバコの広告について書かれた記事は、以下のように疑問 [5]を投げかけている[ru]:

Кто из маленьких глупеньких девочек не мечтает о жизни, изображенной на пачках этих сигарет? Шмотки, тачки, путешествия. Почувствовать себя хотя бы микроскопической частью этого мира можно незадорого — нужно всего лишь достать из сумки яркую пачку всего за 20 рублей и изящно расположить ее рядом с собой. Сигареты эти к тому же ароматизированы, а фильтр у них сладкий.

若く、浅はかな女の子というものは、こういったタバコのパッケージに書かれているような買い物、車、旅などの人生を夢見たりしないのではないか?
こういう世界をほんの少しでも感じようと思えば、、それはまったく高くつかない。ただ、あなたはバッグから輝かしい20ルーブル(0.7米ドル)のタバコの箱をを取り出し、優雅にそれを近くに置くだけでいいのである。そして、さらに、タバコには風味が付けられており、フィルターは甘い。

Alexey Navanlyは徐々に人気が出てきたロシアのブロガーである。Admeの記事を受けて、彼は新しい広告とタバコのパッケージをブログで紹介しビフォア、アフターについて記事を投稿した [6][ru]。Navanlyとコメントをした人々はDonskoy TabakのトップであるIvan Savvidiを10代と女性にタバコを売り込むためだと激しく非難した。Ivan Savvidiとはビジネスマンから与党統一ロシア [7]の代議員になった人である。

同時に、ロシアのニュースサイトVesthiは厚生省は以下の草案を考えていると報告している [8][ru]。「今日までで最も厳しい反タバコ法」、「電車、空港、ジェット旅客機」での喫煙を禁止するという脅し、そして、一箱につき200ルーブル(6.90ドル)へ値上げするというタバコへの増税。

Navanlyの投稿は再投稿とコメントの引き金となり、広告キャンペーンを非難すると同時にデザインのリニューアルが何か法を破っているのかという疑問を呼び起こしている。

あるユーザーは「広告」に関する法律の第16条[ [9]ru]、が(これは最近変更されたのだが)改正前の版を [9]投稿した。
それは、ある商品、すなわちアルコールとタバコはどのような広告が許可され宣伝されるかというものである:

обращаться непосредственно к несовершеннолетним, а также использовать образы физических лиц в возрасте до 35 лет, высказывания или участие лиц, пользующихся популярностью у несовершеннолетних и лиц в возрасте до 21 года

直接に未成年者にタバコを売ることは法律に反しており、そしてまた、35歳未満の顔のイメージを使うこと未成年や21歳未満の人々に人気のある人の文言や出演も法律に反する 。

一方、ddkfが主張した [10]のは広告だけではなく10代や若い女の子たちに合わせたパッケージも反しているということである:

Так что если даже донской табак не будет крутить рекламу об этих сигаретах, все равно их яркая привлекательная молодежная упаковка сделает свое губительное дело, и никакой закон это не предотвратит!

たとえ、DonskoyTabak がこれらタバコの広告をひねらなくても、輝かしく、魅力的で溌剌としたパッケージはそれでもまだ深い印象を与え、それを禁止する法律はない。

 同様の記事がGazeta.ru,fotofemer [11][ru]で反対意見を述べている:

Чего все взъелись? Нормальный коммерческий подход. Хорошее графическое оформление и грамотная маркетинговая схема.

何が大きな問題なのか?これは普通で商業的アプローチなのである。いいグラフィックの見た目と知的なマーケティングキャンペーンである。

別のユーザー [12]は、広告には何の問題もなく、政治がブロガーの激しい怒りが背後にあると憶測した [12][ru]:

на рекламе вроде взрослая девушка и на пачках написано, что продажа до 18+ запрещена, на пойму из-за чего истерика, из-за того, что владелец Донского табака единорос?

広告の女の子は大人に見えるし、包みには18歳未満への販売は禁止されていると書かれている。私にはどうしてそんな神経質になるのかわからない。本当は、Donskoy Tabakのトップが統一ロシアの議員だからではないだろうか?

スイートドリームズのSmoking Girl.ru [13]上のサイトやフォーラムでは、Donskoy Tabakに対する女性喫煙者自身の声とほとんどポジティブな意見が寄せられている。

]Sefatili [ru] [14]は以下のように書き込んでいる:

Пачки очень крутые – белые с изображением девушек и архитектурными образами городов. Кто-ни будь виде, пробовал такие?

箱は本当に素敵―女の子の絵と白地に町の建造物の絵。だれか試したことある?
"If it’s not allowed, but you really want it, then you can." Source: Adme.ru [5]

Adme.ru掲載の「もし許されなくても、本当にそれが欲しいなら、それは可能だ」

Admeの報告によると、2008年Donskoy Tabakは若いお下げの女の子がアイスを食べているところを表現した広告をリリースするときに法的問題に陥ったという。その広告は「もし許されなくても、本当にそれが欲しいなら、それは可能だ」というキャッチコピー付きであった。

AdMeによるとその広告は結局リリースされ、Donsky Tabakは100,000ルーブルの罰金を支払わされた。

ブロガーmilksite [15] [ru]は以下のように哲学的思索にふけった:

Так написано же: “Если нельзя, но очень хочется, то можно” это же ведь не только рекламный слоган сигарет, это принцип, по которому живут все дохерархи нашей страны

そして、それにはこう書かれている。「もし許されなくても、本当にそれが欲しいなら、それは可能だ」。これは単にタバコの広告のキャッチコピーではない。ロシアすべてののdoherachs(大物実業家)たちが実際に生き抜いてきた原則なのである。