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ビデオ:全盲者の日常の一コマ

カテゴリー: 北アメリカ, アメリカ, 市民メディア, 映画, 芸術・文化

トミー・エジソンは生まれつき全盲であるが、YouTubeの動画 [1]を通して、紙幣やATM、DVDプレーヤーの取り扱いや道路横断など、彼にとって課題となる行動にどのように対処しているかを伝えている。また、彼は映画の評論家 [2]でもあり、そのユーモアのある批評を通して、私たちは視覚障害者が日常生活をどのように楽しんでいるかを垣間見ることができる。

Braille is a tactile alphabet used to make reading accessible for the visually impaired. [3]

点字 [3] ラルフ・アイヒンガー [4]撮影、CCBy

最近の動画 [5]で、彼は往来の激しい道路を横断する様子を見せている。安全に渡れる時を教えてくれる音声信号がある場合もあれば、その他の場合、音を聞いて交通パターンを理解する必要があり、その上で横断しようとするのだが、この行為は恐ろしい体験だと彼は説明している。

エジソン氏は映画の批評家でもある。彼は登場人物や会話、音楽、ナレーションに集中し、その彼の語り口を通して、目の見えない人がこのような視覚的なメディアをどのように理解するかということに関して、私たちは新たな視点を得ることができる。この動画のレビューでは、音声が続いている中で画面が黒くなる部分があり、目の見えない人にとってどのように映画が展開してくのか、視聴者が実感できるのである。次の動画は、『X-Men: ファースト・ジェネレーション』についての彼のネタバレなしのレビュー [6]である。

トミー・エジソンは、批評をする映画をみるためにはたいてい映画館を訪れるが、自宅でDVDを鑑賞することもある。ところが、使いやすいと聞いて購入したDVDプレーヤーのセッティング [7]は、彼が思ったより少し厄介であることがわかった。DVDプレーヤーの説明書は多様な言語で書かれているが、それに点字 [8]は含まれていないため、この新しい機器の使い方の習得は困難を極める仕事であった。

次の動画は、障害者に合わせた技術が開発されているにも関わらず、努力が1歩足らないということを、ATMを使用するときを例に [9]して示している。技術面がそれほどひどくなかったにしても、トミーは他人の認識にも対処しなければならない。というのも他人は、彼が目の見える人向けに設計されたATMからお金を引き出すのに時間がかかっているとイライラし出すからである。

そして、トミーがお金を手にしたら?物事は全くもって楽にはならない。なぜなら紙幣を扱う [10]際には、分類などの多くの手間がかかり、また人々が本当に自分に正しい額のおつりを渡しているという信頼が必要となる。アメリカには、目の見えない人が紙幣を区別する方法がないためである。

エジソン氏は一人で奮闘しているのではない。ベン・チャーチル [11]が彼の動画を制作・監督し、そのチームは複数のソーシャル・ネットワーク上でフォロワーと交流している。例えば、人々は彼のページにコメントを残す [12]ことで、Blind Film Critic [2] に取り上げてほしい映画を提案している。彼自身もまた、複数のソーシャル・ネットワークに参加している。

 

翻訳の校正はNobuko Shimazu [13]が担当しました。