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フィリピン:ツイッターで話題となり批判を呼んだハッピー・リサール・デイ

カテゴリー: 東アジア, フィリピン, 市民メディア, 歴史, 芸術・文化

2011年12月30日、#ハッピー・リサール・デイ [1]がツイッターで話題になった。この日は、フィリピンの国民的英雄、 ホセ・リサール博士 [2]の命日を記念する祝日だ。 このことを未だ多くの人々がリサールの事を覚えているのだと肯定的に受け取る人がいる一方、彼の死んだ日を記念して「ハッピー・リサール・デイ」と言ういい方を批判する人もいる。

[3]

Inday Kayla はリサール・デイを国民的英雄の誕生日だと誤解しているフィリピンのソーシャルメディアユーザーがいると嘆いている [4]
彼女は、自身のツイッタータイムラインの一部を掲載し、不満を強調した。

[4]

最悪なことに、これらは一部分に過ぎないの。彼らのツイートを見てめまいを覚えるわ。胸が張り裂けそうになる。 あなたたちの歴史の教師も同じように感じているのは確かよ。そしてリサール自身は、私たちよりもっとつらいでしょう。実際、多くのフィリピン人は、この日の本来の意味、ホセ・P・リサール博士の殉教日だということをないがしろにしてきたのよ。

In Between Columnsは、リーサルがスペイン入植者に銃殺された日に、フィリピン人が「ハッピー・リサール・デイ」と挨拶しあうなんて 皮肉だと語っている [5]

思うに、「ハッピー・リサール・デイ」って言うのは、単に現代のツイッター世代がリーサルをフィリピンの英雄くらいにしか覚えていないってこと。彼らは1896年の12月30日に市民警備隊が彼を撃ったなんてことはもう思い出さないんだ…。

ツイッターやその他のソーシャルメディアの時代に生きるフィリピン人は他の世代に比べて、「ハッピー・リサール・デイ」と単に挨拶しあって自国の歴史的転機を祝うことを楽しんでいるんじゃないの。

El Lobo Filipinoも共感 [3]を示している。

こういう「祝う人々」の中には、彼の英雄行為や彼が国のためにした事を祝っているんだと言うものがいる。だから私は彼らに言ったんだ。もしそうだとしたら、6月17日―リサールの誕生日に祝うのがより適切じゃないかって。事実、今年国は英雄の生誕150周年を祝ったんだ。

Daniel de la Rosaはリサールデーを12月30日から彼の誕生日の6月19日に変更するよう、ずっと呼びかけている。 [6]

たしかに、12月30日は彼の殉教した日で、それにより革命が触発され、彼の人生を頂点に押し上げたのだということがいえる。 私は、6月19日も祝って、そんな高みに上り詰めた一フィリピン人の偉大さを確認した方がいいと思うんだ。実際的な事でいえば、6月19日はフィリピンの学校が始まる日だから、リサールの人生に関して何らかを全ての学級計画に組み込めるんじゃないか。

校正:Hiroyoshi Matsuzaki