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プエルトリコ:不要な帝王切開防止のためのオンラインキャンペーン

カテゴリー: ラテンアメリカ, プエルトリコ(米領), 健康, 女性/ジェンダー, 市民メディア, 教育, 映画, 芸術・文化, 若者, 音楽

3月の第1週、”Unnesessary Caesarean”(不要な帝王切開)というキャンペーンがプエルトリコで開始された。国内の高すぎる帝王切開による出産率に歯止めをかけることを狙ったキャンペーンである。多くの妊婦が医学的には必要がないにも関わらず、帝王切開での出産を仕向けられているという背景がある。

woman with red fingernailed hands over pregnant belly [1]
Image [1] by Eugene Luchinin [2] CCBY [3]

このキャンペーンが柱としている映像ではヒップホップの歌が流れ、妊婦が詳しい情報を聞いてから帝王切開を必要な処置として受け入れるよう促している。そして、キャンペーンの ホームページ [4]によると、プエルトリコで出産された新生児のほぼ半数が帝王切開で産まれており、産道を通って産まれてくる代わりに、母親の腹部と子宮を切開して産まれているのだ。母子ともに危険にさらすような合併症状があった場合、帝王切開での出産は救命処置であることは確かだ。しかし、計画的な帝王切開 [5]を行うことは、自然分娩よりもはるかに高いリスクを母子ともに負わせることになる。

キャンペーンに使われているヒップホップ調の映像 [6]の中で、出産方法を帝王切開だと決める際、妊婦の健康状態よりも利便性を理由に決めている医者の姿が演じられている。 医者にとって帝王切開は、自然にまかせて出産を待つ自然分娩より、多くの妊婦を手っとり早く処置する方法なのだ。(キャンペーン主催者側は)その解決法 [7][es]として、より多くのドゥーラ(訳注:医療スタッフではないが、自身の経験から母親の出産をサポートするアドバイザー)や、自然分娩で補助的役割を果たす助産師を教育することを提案している。そうすることにより、妊婦を患者に変えてしまうような不要な医療措置を減らすことができる。

El compromiso principal de inne-CESÁREA es, promover el apoderamiento de las mujeres puertorriqueñas para atender el serio problema de salud pública que representan la alta tasa de cesáreas y las intervenciones innecesarias durante el parto para la madre y el bebé, a través de una campaña de prevención validada, actualizada y atractiva sobre la humanización del parto.

このキャンペーンを通じてInne-CAESAREAN (不要な帝王切開)が最も訴えたいことはプエルトリコの女性の地位向上を促進することにある。そうすることで高い帝王切開率や出産時の母子への不要な医療介入などに代表される公衆衛生問題と向き合えるようになる。
人間的出産を呼びかけるこのキャンペーンは、(不要な帝王切開の)防止効果もあり時流にのった、人々の関心を引くキャンペーンだ。

メーキング映像 [8]では、 妊婦、母親、子供、両親、学生、医療従事者など50人以上の人々が協力しあい、キャンペーンの映像制作の模様が紹介されている。

この記事の校正はKazumi Tomitaが担当しました。