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韓国:客室乗務員がズボンを着用する権利を要求

カテゴリー: 東アジア, 韓国, デジタル・アクティビズム, 労働, 女性/ジェンダー, 市民メディア, 抗議

2012年3月8日の今年の国際女性デーで、異例の抗議運動が韓国のソウル繁華街で開催された。国内の主要な航空会社のひとつであるアシアナ航空 [1]の女性客室乗務員は、錦湖(クムホ)アシアナビルの前で記者会見を開催し、女性客室乗務員の外見に関する会社の性差別的ガイドラインを非難した。
フェミニスト組織のメンバー、Park Bong (@jayparkbong [2])はツイートした [3] [ko]。

실핀 개수, 눈화장 색, 스타킹 색까지 규정하고 있는 아시아나 외모복장규정. 안경 불가 규정 때문에 건조한 비행기안에서 렌즈를 껴야 하고, 커트 머리도 몇 년 전 파업으로 간신히 따낸것이라 한다. 여성노동력을 어떤 시선으로 보고 통제하고 활용하고자 하는지 너무 티난다.

アシアナの外見やユニフォームに関するガイドラインは、使用することができるヘアピンの数、アイメイクの色、さらにストッキングの色さえ規定している。眼鏡を客室内で着用することは許可されていないので、その乾燥した環境下でコンタクトレンズを着用しなければならない。ショートヘアの権利は彼女たちが数年前ストライキを行って戦って勝ち取ったものだった。会社側は女性労働力をどう見ているか、また彼女たちをコントロールし利用する欲望がどういうものなのかを明確に示している。
Asiana Flight Attendants [4]

アシアナ航空の客室乗務員のスクリーンキャプチャ画像、もともとYouTubeのユーザーRogapolがYoutubeにアップロードしたビデオクリップである。

その後、彼女は抗議についてツイートした [5][ko]。

금호아시아나 빌딩 앞에서 여성승무원에게 바지를 허하라는 기자회견을 하고 사무실 들어가는 길. 104주년 여성의날인데 정말 이런 내용의 시위를 하고 있어야 한다는게 이 나라 여성의 현실. 짜증난다.

今、会社に戻っているところ。クムホアシアナビルの前で女性乗務員が航空会社にズボン着用を求める記者会見に出席したの。今日は104回目の女性の日だから、こんな抗議活動をしているの。この国のこんな状況も女性の地位も本当にストレスが溜まる。

数日前から急速に広まったハンギョレ新聞のニュース記事 [6]によると、アシアナ航空には、女性客室乗務員に関する、最も複雑なルールがある。航空会社の女性社員の制服はスカートのみ存在し、ズボン型はない。スカートは膝までの長さを要求される。女性客室乗務員は眼鏡を着用することはできない。髪はまとめられ、耳の後ろにピンで留められなければならない。額の少なくとも3分の1以上は出さなければならない。合計たった2つのヘアピンのみ髪につけることを許可されている。制限は、イヤリングとネックレスのサイズにさえ課されている。アイライナーとマスカラは黒か茶色のどちらかでなければならない。
アシアナ航空は、彼らが女性の制服にズボンを取り入れない理由は “同社のブランドイメージに合わない”からだと答えた。
客室乗務員の苦情 [6]に呼応し 、韓国のネットユーザーの大半は、同社の差別政策について怒りを表明した。 Twitterユーザー @vanilladoll8 [7] ツイートした [8] [ko]。

여성 근로자의 “외모” 따위로만 설명할 수 있는 회사 이미지란.. 참.. 하찮다.. 예쁜 승무원이 아닌 안전한 비행, 편안한 서비스.. 이런게 이미지가 되어야 옳지 이 양반들아[…]

女性従業員の外見によってのみ説明、定義することができるのであれば、同社のブランドイメージはどんなにつまらないものだろう。かわいらしい乗務員ではなく、飛行の安全性と快適なサービスの提供にもっと注意を払うべきだ。

@Astralpink [9]は、女性乗務員の外見にあまりにも多くの焦点をあてることは、航空会社のボイコットを考えるまでに人々を不愉快にさせる可能性があると警告している [10][ko]。

여성 승무원들에 대한 불필요하고 성차별적인 용모, 복장 규정에다가 바지 유니폼을 허용하지 않고 근무 시, 비상 시 불편한 치마 유니폼만 고집하는 아시아나 항공 @Flyasiana [11].승객 안전보다 승무원 용모를 중시하는 항공사라면 불매하게 될지도.

女性乗務員の外見や制服に関する航空会社のポリシーは、不要であり差別的である。スカートの着用は彼女たちの職場環境には合わないし、緊急時となるとことさらだが、同社は客室乗務員がスカートのみ着用するべきと主張している。この航空会社が本当に乗客の安全より客室乗務員の外見に注意を払うなら – 人々は同社をボイコットするだろう。

Lee Jung-hoon(@sm749 [12])は、ツイートした [13][ko]。

m.hani.co.kr/arti/society/l… [14]아시아나항공 승무원은 바지입으면 안된다네요. 시대착오적이고 인격체로 보지 않고 기업의 이익을 극대화 하기 위한 상품 (으로 보는) 복장 용모규정 70년 박정희 시대인가

ズボン(制服)はアシアナ航空の客室乗務員に許可されていない。このガイドラインは、時代錯誤であり、女性を人間として扱うよりもむしろ、会社の利益を最大化するためのものとして悪用している。この会社の方針は、(韓国の元大統領)朴正熙(パク・チョンヒ)政権下の1970年代に寄るところが大きい。

韓国グローカルアクティビズム [15][ko]が提出した請願書 [16] より[ko] 。

이와 같은 규정들은 항공사가 […] 여성 승무 노동자들을 ‘관리'의 대상으로 보고 있음을 보여주는 것이다.[…] 기업들의 이러한 행태는 여성 노동자들이 수행하는 업무의 전문성을 보이지 않는 영역으로 밀어내 버리고…

このガイドラインは、航空会社が女性社員のプロフェッショナリズムを軽視し、管理/制御することが必要な対象として女性を見ていることを表している。

請願書は、女性客室乗務員に関するガイドラインは5ページの長さにわたるが、男性乗務員は単に “クリーンできちんとした外見”の維持を要求するのみである。

校正:Yukari Sugimoto