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ノルウェー主催、先住民報道に贈る初のジャーナリズム賞

カテゴリー: 北アメリカ, 東アジア, 西ヨーロッパ, アメリカ, オーストラリア, カナダ, ニュージーランド, ノルウェー, 台湾(中華民国), メディア/ジャーナリズム, 先住民, 市民メディア, 民族/人種, 芸術・文化

この記事は特集 「先住民の権利」 [1]の一部です。

権威あるノーベル平和賞の授賞式が、ノルウェーで開催されていることは広く知られている。今月(2012年3月)29日、スカンジナビアのその国で、もう一つの注目すべき、しかしほとんど知名度のない、世界先住民テレビ局ネットワーク (WITBN) [2] のためのジャーナリズム賞の授賞式が初開催される。世界先住民テレビ局ネットワーク・先住民ジャーナリズム賞 (2012 WIJA)、「徹底報道」部門の24のエントリー作品の中から9作品が最終選考作品に選ばれている。式典はノルウェー、サーミの地(訳注:先住民であるサーミ人が多く居住している)、カウトケイノで開催される。

WIJA はその公式ウェブサイトで以下のように 説明されている [3]

2012 WIJA は、テレビやオーディオビジュアルメディアでの報道を通して、先住民族の視点を描くことに力を注ぐジャーナリズムへの初めての国際的な賞です。報道倫理を踏まえているかを評価の基本としつつ、先住民の視点が、地域、国内、国際的にインパクトのある物語の中で描かれているかを重視します。

次のビデオでは、台湾、オーストラリア、ノルウェー、カナダ、ニュージーランド、アメリカといった先進国の先住民テレビ局の中から最終選考に選ばれた作品を紹介している。

ノミネート番組のひとつであるアオテアロア ニュージーランド Māori Television は、アメリカのオキュパイ・ムーブメントの1年前に起こっていた「オキュパイ・イースター島」と名づけられるべき活動を取材した。これは、ほとんど報道されることがない ラパ・ヌイ [4](イースター島の現地語名)の活動家たちによる抗議活動であった。活動家たちは、半年間政府所有のホテルを占拠して、先住権を認めるよう要求し、政府による不当な土地所有に抗議を示した。

'We are ready to die for our land' says Rapanui activist in program broadcast by Maori Television of New Zealand [5]

ニュージーランド Maori Television で放送された番組の中でラパ・ヌイの活動家は「土地のために死ぬ覚悟はできている」と言う。

イースター島 [6](ラパ・ヌイ)は、植民地化により先住民族が島の小さな一画に追いやられ、観光業によって持続可能性の低い経済が生み出されてきた土地だ。持続可能性の問題は、生き残りと文化の維持に奮闘する世界の先住民の人々の間に広がっている。

先住民コミュニティの権利を促進するために、先住民が放送報道や新しいテクノロジーを活用するということは一つの前進だ。最終候補に残った放送局と番組名は 下記 [5]の通り。

  • AMAZIGH、NRK Sápmi、ノルウェー
  • AMNESTY CHIEF VISIT TO UTOPIA、National Indigenous Television、オーストラリア
  • JOURNEY HOME、Aboriginal Peoples Television Network、カナダ
  • KIMBERLY GAS HUB SERIES、National Indigenous Television、オーストラリア
  • POLITICIAN REPORTS HIMSELF TO THE POLICE、NRK Sápmi、ノルウェー
  • TE PITO O TE HENUA、 Māori Television、アオテアロア ニュージーランド
  • THE VALUE OF WATER、'Ōiwi TV、ハワイ
  • VUVU’S LAST PIECE OF LAND、Taiwan Indigenous Television、台湾
  • WATER EXPLOITATION、 Aboriginal Peoples Television Network、カナダ

この記事は特集 「先住権」 [1]の一部です。

校正 Reina Sumita [7]