1980年代後半から1990年代前半にかけてのバブル景気を、あなたはどう語るだろう。当時は一時的な好景気迎えて社会全体が消費に明け暮れ、この機に乗じて荒稼ぎをしようと睡眠を削って働く傾向があった。土地や車、高級品が飛ぶように売れ、たちまち地価は高騰した。そして他方では財テクブームが起きた。
しかしその後は土地価格の崩壊を契機とするバブル崩壊の混乱を経て長い景気低迷期に入り、現在は諸外国同様、経済的な問題や今後の展望が懸念されている。
注:この記事は日本の状況を知らない世界中の読者に読んでもらえるように書かれています。記事が翻訳されるまでの仕組みはこちら。
以下に女性会社員、neji-koさんのブログポスト[jp] を本人の許可を得て掲載する。neji-koさんはバブル崩壊後の就職氷河期を体験し、非正規雇用として働く割合が高い世代にあたる。
彼女の文章からは、日本の20代・30代の若い世代がバブル期を乗り越えてきた親世代、また彼らが築いてきた社会へ抱いている違和感を感じられる。
●neji-koさんのブログ
こないだ会社の50代くらいのオッサンと27歳の若者と三人で飲みに行ったんですけど、オッサンとのジェネレーションギャップがすごかったです、
そのオッサンは、若い頃は自営で仕事をしていて、そりゃもうブイブイ言わせておったそうです、
数年前にうちの会社に入ったときには、給料明細をみて、「子供の小遣いか!」と思ったそうです、
そんでオッサンが「お前らもこんなチンケな仕事じゃなくて、もっと他にあるだろう」と言うのだけど、27歳と29歳(★訳注:neji-koさん)の二人は「いやいやいや!」と言う。
オッサンの娘さんがもうすぐ結婚することになって、婚約指輪をもらってきて嬉しそうにつけているけど、オッサンの奥さんはそれを見て、
「あんな小さいダイヤのついた指輪じゃ、かわいそうであたしの結婚指輪なんか見せられないわ」と言うてるそうです、
奥さんは指が隠れるくらいでかいダイヤのついた結婚指輪を買ってもらったんだって。
そのオッサンはたぶんうちの父親と同世代だと思いますが、この、親子の世代間のジェネレーションギャップは、なかなか大変だなあ、と思います。いま50すぎくらいのオッサンと、いま30くらいの我々が見ている世界は全然違うのだなあ、と。
わたしはいま、正社員で、残業代がついて、しかし残業せずともがんばり次第では定時に帰れて、完全週休二日制、有給休暇有り、そのほかに年間十二日まで有給の休暇が有り、賞与年二回(月給約六か月分相当)、昇給有り、産休・育休取得可能、子供が小さいうちは時短勤務可能、という労働条件で働いているのですが、自分よりも労働条件のよい環境で働いている人が友達とか知り合いに一人もいません。
お給料がよくても労働時間がすごい長いとか、仕事は楽だけど非正規雇用とか、休みがないとか、そんな感じで、自分が一番マシ、と思わざるを得ない、
大企業に勤めるOL、とかならもっと労働条件がいいかもしれないけど、大企業に勤めるOLの友達がいないのでわかりません……。
そして、まさかの、国土が放射能汚染されたという現実、
こんな展開は漫画とかでもあまりないんだけど、これでもともと難易度の高かった「子供を生み育てる」という選択肢の難易度が更にパワーアップして、人生全体がハードモードになりすぎている……いま30くらいの日本人にとっての日本での生活って、生活レベルの向上を志向するどころか、いまの生活が維持できるのかも不明、子供を生んでも健康に育つかも不明、自分が健康に人生を全うできるのかも不明、現実から目を背ける以外にポジティブになれる要素皆無、というのが実際のところなんですけど、そんなもん50代60代の世代には実感できるはずないんだなあ、よかったですね、幸せな人生で……。
いまの日本の状況に、あえてポジティブ要素を見出すとすれば、よくわからないけど社会がなんか変わるかもしれない、そういう局面にある、
というのは面白すぎる、あれだけ国策として推進してきた原子力発電事業について、首相(注:2011年8月に退陣した菅直人首相)が脱原発とか言い出すなんて、思いつきで言っているのだとしても普通ありえなさすぎるし面白すぎる、人生の先行きは暗いけどとりあえずいま目の前で面白いことが起こっている、という点ではわたしの人生は高く評価できるぞ!
この記事は女性会社員、neji-koさんのブログ[jp]を本人の許可を得て掲載しています。