RuNet Echoは、帝政ロシアがナポレオンに勝利してから200周年を迎えたことを記念して、シリーズの考察を続けている。今回はレフ・トルストイの小説「戦争と平和」と今日同小説が果たす役割についてオンライン上で考察した。また、今日ではオンライン上でその役目が果たされている。この初刊は1896年に発行されたが、この物語の始まりは1805年の7月であり、ボロジノの戦いとモスクワ占領による1812年のフランス軍の侵略、フランス退陣までの道のり、さらにロシアの再建を背景にこの物語は進行している。100人以上のイギリスとアメリカの高名な作家たちによる最近の調査では、「戦争と平和」は過去二世紀で最も偉大な作品の一つとみなされていると、明らかにしている。ロシアのブロガ―paradise-appleは、「アンナ・カレーニナのほうが優っている!」というタイトルの投稿記事の中で、このような結論を熱狂的に述べている。
これらの作品は19世紀の最高傑作として挙げられた。
「アンナ・カレーニナ」レフ・トルストイ著、「ボヴァリー夫人」ギュスターヴ・フローベール著、「戦争と平和」レフ・トルストイ著、「ハックルべリ・フィンの冒険」マーク・トウェイン著、アントン・チェーホフの短編小説、「ミドルマーチ」ジョージ・エリオット著、「白鯨」ハーマン・メルヴィル著、「大いなる遺産」チャールズ・ディケンズ著、「罪と罰」フョードル・ドストエフスキー著、「エマ」ジェーン・オースティン。
さらに、The Russian America.comはイギリスとアメリカの選考員によって選ばれた、歴史上最も偉大な作家について再検討した。またもやトルストイがそのトップに挙げられ、ウィリアム・シェイクスピア、ジェイムズ・ジョイス、ウラジーミル・ナボコフ、フョードル・ドストエフスキーがその後に続いた。
Runet上では、現在「戦争と平和」とトルストイの文学スタイルについての議論が日常的に行われており、題名の適切な訳、作品の長さと深み、トルストイのフランス語の使用といった、様々な問題を扱っている。
「Voinai i mir」、題名の訳
「War and Peace」というタイトルはロシア語では「Вoйнá и мир」(アルファベットつづりでは、Voina i mir)と記されている。「Voina」とはロシア語で「戦争」。トルストイの小説の文脈からすると、「mir」は慣例上「平和」と訳される。しかし、様々な文脈の解釈では、「mir」は「世界」というもう一つの訳もある。
近日、二人のRunet Twitterユーザーが、現在一般的に訳されている「戦争と平和」か「戦争と世界」のどちらがトルストイが意図したものであるかについて議論を交わしている。
Вчера узнал, что слово “мир” в “Война и мир” Толстого имеет значение “сообщество”, а не “перемирие”.
А я не согласен. Я считаю, что он сравнивал их. Ведь у него через том описывается то война, то мир (перемирие).
Влияние войны на общество.
Ты так говоришь, как-будто сам Толстой встал из гроба и тебе об этом рассказал :) Это же не математика!
Добавь к моему мессаджу “мне кажется”))
「戦争と平和」の長さと深み
「戦争と平和」は、キリル文字あるいはローマ字で書かれたこれまでの著作の中でも、最も長い小説のひとつとして有名であり、四巻に分けられている。この小説においては、戦争の本質についての現実的で綿密な議論が特徴的である。トルストイは、トゥキディデスの『ペロポネソス戦争史』似た伝統的小説を書くため、フランスによる侵攻を生き抜いた人々への取材と、彼自身のクリミア戦争での経験を小説に取り入れている。
Twitter上で、RuNetユーザーは、プーシキンやドストエフスキーやブルガーコフといった他のロシア作家について度々言及しつつ、この作品の長さと深みの見地から、作品の分量に焦点を当てている。
Школьники, которым предстоит прочитать 4 тома «Войны и мира» очень жалеют, что на дуэли убили не Толстого, а Пушкина!
Читал войну и мир, только позже, когда проникся мировоззрением толстого. у булгакова до сих пор люблю только записки юного врача
トルストイの小説中のフランス語
1812年、ナポレオン軍が侵攻した頃、ロシア貴族の言語としてフランス語が事実上使用されていた。トルストイは、冒頭部分を含め「戦争と平和」をフランス語で書くことで、上流階級のフランス語との関わりを強調している。
2012年4月の投稿に対するコメントの中で、Russian LiveJournalのブロガ―であるdohlik_nemruchiは、外国語で芸術作品を制作する実例について議論している。そこでは、「戦争と平和」と、ドイツ語で製作されたロシア人監督アレクサンダー・ソクーロフの2011年に賞を受賞した作品「ファウスト」を比較している。Russian LiveJournalユーザーの menelik3 は読者に、トルストイの「戦争と平和」の中ではフランス語で書かれているところがあると示唆したうえで、ソクーロフはただ論争を掻き立てるためにドイツ語を使用しているようだとmenelik3は述べている。 dohlik_nemruchiは、トルストイは物語の進行を示すためにフランス語を使用していると返答している。つまり、「戦争と平和」の冒頭はロシア語とフランス語の両方で書かれたものであり、その中で小説のプロットが進行し反仏感情が増長していくにつれて、フランス語は薄れて行ってしまったのである。
あるロシアのブロガ―たちはトルストイの文体分析を好んでいない。一方で彼らは、「戦争と平和」から有名かつおそらく時代を超越した文章をステータスアップデートとして投稿している。
Обратите все ваше внимание на самого себя, наложите цепи на свои чувства и ищите блаженства не в страстях, а в своем сердце. источник блаженства не вне, а внутри нас…