南スーダン:世界で最も新しい国、独立1周年を迎える

先日、南スーダンの国民は独立1周年を祝った。2011年7月9日、南スーダンは正式に独立を宣言、世界で最も新しい国家となっている。住民投票は2011年1月に行われ、99%が北からの独立を支持する結果であった。

ハルツームの中央政府と南スーダン人民解放運動(SPLA/M)の間で、2005年に交わされたナイバシャ合意に基づき、この住民投票は行われた。

新たな国家の誕生を目の当たりにし、1年が経った現在も、取り組むべき課題は未だ多いと、HeatherとJoelは語る

ジュバ(訳注:南スーダン共和国の首都)で新たな国の誕生に立ち会えたのは、ここで暮らしていた中でも、大変光栄なことだった。平和と正義を求める活動を続けていくエネルギーをもらったよ。1年が経った今も、平和と正義に向け、課題はまだまだ多い。ぜひ、南スーダンとスーダンの和平を求める国際運動に加わってくれ。

Lee Crawfurdは、南スーダンの誕生日を もっと公平な目で見て欲しいと言う。

僕が気にし過ぎで、とても偏った考えなだけかもしれないけど、主要メディアは、南スーダンの1歳の誕生日をひどく否定的に取り上げ過ぎだと思うよ。

さらに、こう問うている

僕が先頭に立って、南スーダンにさらなる批判や調査を求めてもいいけれども、初めての誕生日は、もう少し公平に見ることは出来ないだろうか? また、和平協定が結ばれてからの過去7年間で、こんなに批判を受けたことはこれまであっただろうか?

喜びのあまり、手から血が出るまで力強くドラムを叩く南スーダン人。ドラムには血の跡が見える。写真はafricanfaders.blogspot.com/より提供

Tom Murphyは南スーダン独立に関するツイッター上の議論を集め、さらに、J. Mooreがそれを読者とシェアしている。

Tom Murphyは、南スーダンの独立過程に関連したツイッター上の議論をまとめ、活用しやすくしている。離散アフリカ女性ネットワークの創設者で、その事務局長を務めるSemhar Araiaは、「南スーダン:惨めな1周年」と題する、ONE キャンペーンのブログの表題に対し遺憾の意を表した。以下は、まさに的を射たツイートである。「可哀想だって、まさか。アフリカは君らがいてもいなくても自由よ。ご丁寧にどうも。」それに対し、Venessa Parra は次のような言葉で注意を与えている。ONEが題名を変えたので、Semharは感謝の意を表し、この騒ぎは片がついたけれど、記事は最後まで読んだほうがいい。アフリカの物語に対する自己矛盾した批判に対し、TMS Ruge が思慮深い洞察を最後に記しているからだ。彼はプロジェクト・ディアスポラの共同創設者である。

もし南スーダンの独立がなければ、この地域は今頃どうなっていたか考えて欲しいと、Roving Bandingは言う。

もし独立していなかったら南スーダンで何が起きていたか、ちょっと考えてみよう。平和と繁栄が生まれてた? 新しい学校や道路や病院が建てられてた? どうなっていたかを考えるには、アプローチの仕方は幾らかあるね。独立前の南スーダンの歴史に目を向けてもいいし、バシルの推進した、たいそうな開発政策を考えることも出来る。彼はしかし、1989年から2005年にかけ南部で勃発した、戦争犯罪の疑いで起訴されたことのある人物だ。その彼が建てた学校や病院。それに、まだ北部で暮らす人たちを考えてもいい。バシルの爆撃から逃れるため、家を捨て洞窟に身を隠す人たちだっている。

新たな国の誕生を祝う南スーダンの女性。写真はMatata Safiより提供。

Rob Reesは、南スーダンが直面する課題を考察している。彼によれば、隣国の動向が、一概にすべての問題の原因というわけではないようだ。

民族対立、その中でも特に、上ナイルとジョングレイ州の牧畜民同士の対立は、局地的な争いに繋がることも少なくない。しかし昨年末、ディンカ族、ヌエル族、ムルレ族の争いが大きな紛争へと発展し、ジョングレイ州だけでも推定6,000人以上が命を落とす事態となった。

汚職も同様に問題となっており、おそらく南スーダンの発展を妨げている要因でもある。(不特定の)数多くの役人が国の金を横領し、その額は数十億にのぼると、Salva Kiir大統領が公言するという有り様だ。金を国へ返還するよう、彼は求めている。

昨年の出来事は、南スーダンとスーダンに交友のある人々を大変失望させるものであったと、彼は続ける

新たな2つの国が誕生することにより、紛争、難民問題、飢餓といった多難な歴史が終結することを、我々は皆期待していたが、実際には実現しなかった。より良い未来への希望は両国民の間で広がるに違いないが、それが短期間で広まるかと言えば疑問だ。両国が互いに不干渉でいることはあり得ない。今後も、アフリカで最も長い国境で接し合うであろうし、激しい敵対心より、良好な関係の方が互いのメリットは遥かに大きいはずだ。

独立祝い以上に、誕生日のお祝いは素晴らしいものであったと、Amanda Hsiaoは語る

この日は、今年の式典は運営面をはじめ、至る所で成長の跡が垣間見られた。飲料水のボトルやスナックが参加者に配られるよう手はずが整えられ、前へとなだれる群衆をせき止めるバリケードも用意された。長時間に渡る演説が続き、気温もかなり高かったがために、脱水症や熱射病で倒れる参加者が続出した一年前の式典とは大きな違いだ。

だが、南スーダンの国民が皆、「素敵な誕生日」を過ごしたわけではない。

昨日は、たくさんの歌や踊り、ドラムの演奏や泣き叫ぶ声が上がった。その一方で、スーダン人の友達(特に、元々生まれが南スーダン国内の地域で、まだちゃんと平和に暮らせていない友達)は、この日はあまり幸せではなかったと、私に言った。彼らにとって、ひどく苦しい状況が依然として続いており、罪のない人々に対する戦争犯罪も終わりが見えないからである。数百万人にも及ぶ避難民が劣悪な環境で暮らし、命の危機に晒されているのは言うまでもない。

南スーダンの誕生日を祝うにあたり、David Leventhalは、返済率99%を誇る同国のマイクロクレジット融資の概要をブログで記している

(南スーダンで活動するマイクロファイナンス機関Seed Effectは)2、3年前に活動を開始、これまで600人の人々に、総額20万USドルをマイクロファイナンスで融資している。返済率は99.64%を維持する。書き間違いではない。99%を誇るのだ。シティバンク、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガンなど、貸し手となる大手銀行が、喜んで欲しがる数字である。そしてここ、貧困に喘ぐこの小さな内陸国で、Seed Effectはそれを達成した! 元本と利子は新たな融資に再び使われ、さらに多くの家族を支援することになる。

グローバル・ボイス・オンラインは、南スーダンの人々が平和と繁栄に満ちた未来を送ることを願っています。

校正:Izumi Mihashi

1 コメント

  • gvjapanese

    この記事を選んだ理由は?

    『以前、スーダン内戦のドキュメンタリーを見て、大変ショックを受けたから。

     南スーダンが、スーダンから分離・独立して1年あまり。同国の平和に期待し、

     より多くの方に南スーダンという国の存在や現状を知ってもらいたいと思います。』

    -- 翻訳者(2012/7/19)

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