この記事は 2012年ロンドン五輪特集 の一環です。
南スーダン出身の選手、グオル・
南スーダンは世界で最も若い国である。
マルティナ・ニコルスはFeast or Famineというブログの中で、グオルについて書いている。
“グオル・マリアルは国旗や国のしるしを身にまとわず、
一人の独立した選手として走るのだ。28歳の彼は、 8月12日に行われるマラソンに出場する。
マリアルの祖国、新生:南スーダンは、去年独立を勝ち取ったばかりで、 まだオリンピック委員会は組織されていない。 彼が現在居住しているのはアメリカ合衆国である。 マリアルは永住権は持っているし、市民権も申請中だ。 といってもまだ米国民ではないので、 アメリカ国旗の下に走ることはできないのだ。”

グオル・マリアルは男子マラソンでロンドン五輪に参加する。ww
当初IOCはマリアルに、
グオル・マリアルがスーダン南部に生まれたのは、
この国で長期にわたる内戦が始まった頃だった。 その内戦が世界一新しい国、 南スーダンを生み出す形で終結したのは、 やっと去年のことである。 従って南スーダンのオリンピック委員会はまだ設立されておらず、 今週から開催される五輪競技に1チームも派遣できないので、 マリアルが祖国の代表になることはかなわない。
IOCは、彼のチーム加入を要請しているスーダンのために走ることを打診し たが、内戦で一家のうち28人を亡くしたマリアルは、 それを拒絶した。
「僕は家族と親戚を亡くしたし、南スーダンでは200万人が死んだんだ」と 彼は今住んでいる米国アリゾナ州フラグスタッフからの電話で語っ た。
「僕にとっては、スーダンの代表となって出場するだけでも、まず第一に祖国への裏切りだし、 自由のために戦死した同胞を蔑ろにすることになるんだ。」
五輪旗の下に競技することになる選手は、他に2人いる。
来週開催のロンドン五輪には、204もの国が参加する。
しかしPhilipine van AanhotlとReginald de Windtはどこの国の代表団にも所属しない。
彼らはカリブ海諸島のオランダ領アンティルの住民であるが、 その地は2010年10月10日に解体された。それに伴い、 オランダ領アンティルのオリンピック委員会はIOCから脱退した 。
2人のオリンピック級の選手が、代表する国がなく宙に浮くことになったのは、 こういういきさつからである。
Runner’s World blogのニック・ウェルドンがマリアルにインタビューしている。
もし出場許可が出たら、僕に出来るのは、
そこに行って全力を尽くすことだけだ。結果はわからないけどね。
でも今、僕にとって大切なのは、行って世界と南スーダンの人たちに、こう示すことなんだ。
僕はここにいる。君たちもここにいる。君たちは一つの国だ。君たちはここにいるんだ 、と。
つまり、次回の2016年、出場するのは僕ひとりじゃないはずだってこと。
子供たちが今年の僕を見た時、2人でも3人でも、 よし自分もやってやろうと思う子がいるだろう。
そういったことが起きたら、うれしいね。
この記事は 2012年ロンドン五輪特集 の一環です。
1 コメント
この記事を選んだ理由は?
『昨夜、GV英語版を見ていたら、ロンドン五輪+南スーダンという、
超タイムリーな記事があったので、読んでみたいなと思いました。
もう日本の各メディアで記事になっているようですが、
本人の言葉とかここまで詳しいものはないと思います。』
-- 翻訳者(2012/7/25)