- Global Voices 日本語 - https://jp.globalvoices.org -

ミャンマー:電力不足への抗議広がる

カテゴリー: 東アジア, ミャンマー (ビルマ), 市民メディア, 抗議, 政治, 経済・ビジネス, 開発

ミャンマーにおける夏期の電力不足はよくあることだが、今年は一層深刻な状況だ。国内二大都市の大部分の地域において、電力施設は輪番で1日あたり6時間の電力しか供給できない。ヤンゴン供給委員会の議長は、『電力不足は、シュエリー水力発電所へとつながる送電線の鉄塔が、爆弾の爆発により破壊されたのが原因だ』と説明した [1]

輪番電力供給の災いは大衆の生活を不便にしたため、数日前のマンダレーにおける、めったにない平和的抗議の引き金となった。抗議参加者はろうそくに火をともし、彼らのメッセージを伝えるポスターを貼り出した。CJ Myanmarは、抗議の写真をフェイスブック上にアップロードした [2]

電力不足に対する、ヤンゴン市役所周辺での抗議の模様。 画像はCJ Myanmarのフェイスブックページより。 [3]

電力不足に対する、ヤンゴン市役所周辺での抗議の模様。 画像はCJ Myanmarのフェイスブックページより。

Thant Zin Oo Kseは、マンダレーの実際の状況はもっと酷いと明らかにした [4] [my]。

6時間の電力供給と12時間の電力不足という状況ですらなく、電力は2日間で6時間だけ供給されています。
信じられないなら現地に来てみて下さい。予定されていた供給期間の間でさえ、電力不足は起こったんです。

Nyunt Aungは、これに関して皮肉たっぷりのコメントを付した [5]

ほとんど毎日「キャンドル・ライト・ディナー」を過ごせるなんて、私たちは贅沢だな。ありがとう

抗議は翌日まで続き、抗議活動は別の町にも広がった [6]。 作家、詩人、ボランティア、そして野党・国民民主連盟のメンバーを含む約50名の参加者は、尋問のため、ミャンマー公安警察に拘束された [7]。しかしながら、自らが公務員であり、大統領府の職員になる見込みだと名乗るHmuu Zawは、抗議参加者を拘束せよとの指示があったことについて否定した [8]

マンダレーでのキャンドルナイト
この状況で、誰かを拘束する指示や命令はありませんでした。
おそらく、暴力沙汰の懸念に関連して、詳細情報を尋ねただけですよ。
落ち着いて。陰からの脅しに気をつけてください。

尋問を受けたそれらの人々は皆、告発されることなく解放された [9] [my]。 2012年5月22日、その前の2日間に抗議参加者が集まった地域には、すでに警官隊がいたことが、CJ Myanmarによって報告されている [10]

抗議運動は、ヤンゴンにも達した。人々はヤンゴンのスレー・パゴダに集まって抗議した。
Maung Kaungは抗議のビデオ映像をアップロードした [11]

電力消費者は、第一電力省の大臣であるゾー・ミンの辞任を要求した。ゾー・ミンは、『ミャンマーの超過電力供給分は、近隣諸国に売ることが出来るから、地方のニーズのためだけに用いられるべきではない』と述べていた [12] [my]。Lay Maung Khinは、大臣についての彼の意見を、Yeyint Ngeの フェイスブックノート [13]示した [14] [my] 。

親愛なるあなた(ミャンマーにいらっしゃる)ゾー・ミン殿、もしあなたが、義務を果たせないならば、辞任してください。もしあなたが、本分に忠実になれないとしたら、あなたには他の人々に役職を引き継ぐ責任があります。

Kaba Phyarも、大臣についてフェイスブックのステータスにこう書いた [15]

あんたにはたわごとしか言えないとしても、落ち込まないで。少なくとも電力省の大臣なんだからさ!

Kyaw Myo Khineもまた、フェイスブックページ上の ミャンマーのネチズン [16]にこう書いた [17]

ゾー・ミンは市民の不安を無視し続け、電力を中国に売っています。これは許されることではありません。
彼は政府を辞める必要があります。

同様に、中国に対して猛反発している人々もいる。
なぜならば、ミャンマーの水力発電所で発電された莫大な量の電力が中国に売られているからだ。Sai Kaung Satt Tharは、送電線の鉄塔が破壊された原因が明らかにされなかったことを指摘した [18]

理由と行動とが大いに矛盾している。
ヤンゴンに供給される電力の70%は、ローピタとイェーユワーの水力発電所からのものであり、シュエリー水力発電所からのものは中国に送られている。なぜ、ヤンゴンで電力不足が起こるんだ?中国の電力を切りに行けよ!

Aung Myoも、中国に対する怒りを、CJ Myanmarが公開したアルバムによせて以下のように示した [19]

一切何もするな。中国が電力供給の一切を持っていくから、全くすっからかんだ。

ヤンゴンの抗議は止められなかった。
抗議運動は、同じく輪番停電に苦しむモンユワ、ピー、そしてバゴーへと広がった。
抗議を支援するために、プロフィール画像とタイムラインの写真を、真黒な背景にろうそくが載った画像へと変更したミャンマーのネチズンたちがいる。

校正:Yukari Sugimoto