2012年9月11日、日本政府は、中国、台湾、日本の3政府が領有権を主張する尖閣諸島 (中国・台湾:釣魚台) の3島を地権者から購入し、国有化した。
長年保たれていた均衡は、対外強硬姿勢で知られる石原都知事が寄付金を募り尖閣諸島購入を押し進めたことで破れた。これを受けて、日本政府は尖閣諸島の国有化に踏み切った。
官房長官は会見で「尖閣諸島の長期にわたる 平穏かつ安定的な維持・管理を図るため」と購入の意図を説明しており、東京都の購入を阻止することで、他国との摩擦を避ける狙いが伺える。
いずれにしろ、この決議が引き金となり反日デモが拡大。中国各地で数十万人が参加するなか一部が暴徒化し、日本のメディアでは連日、中国に住む日本人や日系企業の被害が報じられた。
ネチズンにも動揺が広がる。
反日デモ、反日デモって、日本と関係のない企業まで、炎上させて、ここまできたらデモどころじゃない、ただ暴れたいだけなんじゃないか?国民性疑う、情けない…
@activeminority
ほっとんどの中国人は、まるでほっとんどの日本人が尖閣諸島は自分たちのものだと思っているのと同じように、魚釣島は当たり前に自分たちのものだと思っている。そんなお互いが我を張り続ければどうなるだろうか?自分はそれが恐ろしい。
@activeminority
反日デモ隊が集まった花園酒店に、しばらくして「理性愛国、反対暴力」というプラカードを持った学生が集まった。彼らはデモの終息後、花園酒店の周りのゴミを拾い集めた。「中国の将来にも希望はある」このTweetをWeiboにあげた中国人のコメント pic.twitter.com/Co78MeQT (写真:松松老師)
政治やマスメディアへの批判も少なくない。
@kou_1970
尖閣問題をこれだけ大きく煽ったのは石原慎太郎氏であることは間違いない。在中日本人への被害、日本製品不買運動、交流イベントの中止、旅行客激減、地方自治体同士の会談延期など被った被害や金銭的損害ははかり知れない。石原氏はどう責任を取るのか。それでもなお「シナ人は無法」などと言うのか。
@myoga33は、日本が憲法上交戦権を放棄しており、日米安保条約によりアメリカ軍の保護を受ける可能性があることに目を留めている。
@myoga33
尖閣問題で日中が対立して喜んでいるのは、この件で人気取りを狙う政治家やメディア、日米の軍需産業、そしてアメリカ軍と人民解放軍の軍拡派だろう。 国民にとっては尖閣問題で中国とけんかしても何の益もない。煽りにのるより、尖閣問題を乗り越えて日中関係をどう改善するかを考えた方がよい。
@noyamapisakaは、マスメディア数社が中国メディアからの情報を元に中国の漁船1000隻が尖閣諸島海域に向かうと伝えた誤報について言及している。(リンク先はマスコミの誤報を収集、検証するウェブサイトGohoo)
@noyamapisaka
普段はマスコミを疑ってて、これは!と思って信じたら誤報。これじゃマスコミの信頼は落ちる一方。 RT @antennakun: 大量の中国漁船尖閣行きを否定=「禁漁明けと勘違い」-11管本部長 http://bit.ly/U8nvpj
一方@mipoko611は、このデモが中国当局に組織されたものであるとの指摘に注目する。
@mipoko611
中国は国民に反日感情を植え付け、政治利用出来ると思ってたけど、もう制御できなくなってしまってるんじゃないかな。ここで力づくで制御すれば、一度着いた火は内政に向かうから
@mipoko611
民衆の感情なんて、そうやすやすと操作できるものじゃないし、中国史なんて、その失敗の繰り返しなのに、なんで権力者というのはいつの時代も学習しないんだろう。
2012年10月現在、デモは沈静化し日常が戻りつつある。
しかし、日中で企画されていたイベントの中止が相次ぎ(リンク先は企画されていたイベントの1つ)、懸念されていた経済的リスクは現実的なものとなり、今後も更なる影響拡大が懸念されている。
ブロガー陽光堂主人は、「莫言氏のノーベル文学賞受賞 [en] は日中関係修復のシグナル」とし、新たな展開に期待を寄せる。陽光堂主人の文章を取り上げた記事を近日公開予定。