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水洗便所より:世界トイレの日@ハイチ

([ja](日本語)以外、リンク先はすべて英語のサイトです)

今日(11月19日)は世界トイレの日だ。全世界70億の人口[ja]のうち、驚くなかれ25億人が、清潔なトイレを利用するすべを持たない。これは約3人に1人という計算になる。そうした人々はカリブ海諸島にもいて、とりわけハイチには大勢いる。衛生面での基本的人権が満たされないせいで、防げたはずの病気や死亡が後を絶たないのだ。世界トイレの日は、トイレと衛生にまつわるタブーを破り、世界中に現存する衛生上の問題に注意を喚起することを目的としている。私たちがここで行ったようなたぐいの試みを支援し、このキャンペーンの旗印である「ウンちくをたれよう」(訳注:I don't give a shitという「クソほども興味がない」の意の俗語表現を逆手に取った標語で、“I give a shit, do you?”「興味を持とうぜ!」といった意味)のもとに馳せ参じるべく、この記事ではハイチの暮らしを再訪する。私たちの多くが当たり前だと思っているもの、つまり用足しをするプライベートなスペースが無いということが、ハイチでは生命に影響してきたのだ。

この島国は、言うまでもなく、一国に降りかかるには多すぎるほどの試練を受けてきた。自然災害、中でも最近最も壊滅的な被害を受けた2010年の地震と、それによって起きた水不足。慈善救助団体における不正会計の報告。ハイチでもともと苦境にあった農業セクターを、根底から一掃してしまう恐れのあった、怪しすぎる『救援』寄付。さらに、ハリケーンの被害と、地震に続いて起こったコレラの大規模な流行により、ただでさえ急増していた死者数がさらに増えることになってしまった。ちょうど1年ちょっと前、Dying in Haitiブログはコレラ流行1周年を記録している。

In October 2010 cholera started started infecting and killing Haitians.

It has been one year now and conservative numbers say that cholera has infected 500,000 Haitians and killed 6,500 of them. This is more than any place in the world. Including India, Africa, Anywhere….

Dirty water is to blame. And Haiti's water was deplorable long before the earthquake in 2010. It was deemed worst in the world in 2002….

That is one of the reasons I named this blog Dying in Haiti six years ago. Dirty water….

2010年10月、ハイチでコレラの感染が始まり、死者が出はじめた。

現在1年が経過して、控えめな数字でも50万人のハイチ人がコレラに感染し、うち6,500人が亡くなっているという。これは世界中のどこよりも多い数字なのだ。インドよりも、アフリカよりも、どこよりも…

元凶は水の汚染だ。そもそも2010年の地震のかなり前から、ハイチの水はひどかった。2002年には世界最悪とされた…

6年前に私がこのブログのタイトルをDying in Haiti(訳注:dyeing=染色とdying=瀕死をかけている)とつけた理由の一つだ。汚れた水…

この記事はマスメディアの説明記事を引用している。

Cholera is caused by a bacteria found in contaminated water or food. It spreads quickly in unhygienic environments and can quickly kill people through complete dehydration, but is easily treatable if caught in time.

Haiti has long suffered from improper sanitation because of its poverty but sanitation conditions in the capital and other urban areas became much worse after last year's earthquake forced thousands of people to set up makeshift shelters in public plazas, soccer fields and other open areas.

Out of 12,000 latrines needed, only about a third were reported to be working in August, down from more than 5,800 the month before, Office for the Coordination of Humanitarian Affairs said. Meanwhile, the number of nonfunctional latrines more than doubled, from about 1,300 in July to about 2,600 in August.

Also, more than 1,000 latrines have been abandoned, leading to outdoor defecation, which heightens the risk of contamination for people living in the camps.

コレラは汚染された水や食料の中にいるバクテリアによって起こる。不衛生な環境でまたたく間に広まり、完全脱水であっという間に死に至りうる。しかし、迅速に対応すれば簡単に治療できるものなのだ。

ハイチは貧困のため、不適切な衛生環境に長年悩まされてきた。しかし、去年の地震で数千人が公共の広場やサッカー場、空き地などに仮設シェルターを建てざるを得なくなり、首都や他の市街地の公衆衛生状況は、その後はるかに悪化した。

国連人道問題調整事務所によると、1万2000の仮設便所が必要だが、そのうち実際使えていたのは8月時点でたったの3分の1と伝えられる。前月は5800だったのに、それより減少した。一方、使用できない仮設便所の数は、7月の約1300から8月は約2600と2倍以上になった。

また、放置される仮設便所は1000以上に及び、避難所暮らしの人々の汚染リスクを高める野外排便の誘因になっている。

ハイチのコレラ流行は単なる健康問題にとどまらなかった。国政選挙影響し、国連軍の駐留に反対する動きが優勢になったことから、国際関係にも波紋を投げかけ始めた。(コレラ発生の原因は、元をたどれば島に駐留する国連軍にあったのだ。)グローバル・ボイスのこの2010年11月の記事では、この状況を考察している。

The outbreak has turned into an epidemic, with the death toll rising every day. Haiti, already poorly equipped to deal with this level of public health threat, has been grappling more than usual to contain its spread in the aftermath of the January 12 earthquake – nearly a year later, people are still living in tent cities.

Adding insult to injury – or, in this case, anger to anguish – have been reports claiming that the epidemic was caused by “excrement from Nepalese peacekeepers.” It is no secret that the occupying UN forces, known as MINUSTAH, have a troubled history in Haiti; bloggers have been quite outspoken on the subject, asking whether stabilization is actually a euphemism for subordination.

Against this backdrop, the mere possibility that the cause of the cholera outbreak could be traced back to MINUSTAH (a claim which the UN denies) is proving to be the final straw. As the disease spread to the capital, Port-au-Prince, so have the anti-UN protests.

連日死者数が増えるのに連れ、「発生」は「流行」に変わった。ハイチは、ただでさえこれほどの公衆衛生の脅威に対処する能力を持ち合わせていなかったところへ、1月12日の地震の余波による感染拡大もあり、悪戦苦闘を続けている。なにしろ1年近く経つのにまだ、人々はテント村に住んでいるのだ。

傷に塩を塗るような、いやこの場合、苦悶の火に怒りの油を注いでいるのが、コレラ流行が『ネパール平和維持部隊の排泄物』が感染元だとする報告書である。MINUSTAH(国連ハイチ安定化ミッション)という名の、国連軍によるハイチ占領には、トラブル歴があることは公然の事実である。ブロガーたちはこのことをかなりあからさまに話題にし、「安定化」とは事実上「隷属」の婉曲表現なのか、と問いかけている

こうした背景にあって、コレラ発生の原因がMINUSTAHまで遡れるかもしれない(国連はこの主張を否定している)という、単なる可能性にすぎないものによって、耐えてきたハイチ人の怒りがついに沸点を超えたとわかってきた。病気が首都ポルトープランスまで広がるのと同じように、反国連の抗議運動も広がった

ハイチ草の根ウォッチ(訳注:ハイチの市民活動メディア)はこう説明する。

Cholera is a disease of the poor, of the disenfranchised. Poor people in poor countries. Cholera thrives where there is no clean water, where there is inadequate sanitation, where there are poor health systems.

While it’s now clear that UN soldiers likely brought Vibrio cholera to Haiti, and while it is also clear that good health care, access to a clean water and sanitation, good hygiene practices and a vaccine can keep it at bay, it’s not clear how to achieve all of that before many thousands more die.

And even if cholera is beaten, dozens of other waterborne diseases threaten Haiti. According to the World Health organization, every year 1.4 million people die from waterborne diseases – about four per minute – most as a result of unsafe and inadequate water and sanitation.

Haiti Grassroots Watch decided to dig into the why and the how of Haiti’s ‘ravaged’ and ‘striken’ situation and asked

• Why has cholera taken hold so easily?
• Why don’t Haitians have access to clean water and adequate sanitation?
• And if all $164 million the UN is seeking is rounded up and cholera eradicated, what will keep another water-borne disease from sweeping ghrough the country?

コレラは市民権のない貧しい人の病だ。貧しい国々に住む貧しい人々の病。清潔な水のないところ、下水設備の不十分なところ、医療制度の乏しいところでコレラは栄える。

コレラ菌をハイチに持ち込んだのが国連兵士たちらしいことが今や明らかになった。また、良質の医療、清潔な水や下水設備の利用、正しい衛生習慣、それにワクチンがあれば、コレラを食い止めることができるのも明らかだ。それなのに、何千人もが死ぬ前にいかにしてこれらすべてを達成するか、明らかにならない。

また、たとえコレラを撲滅しても、他の何十もの水系感染症によってハイチは脅かされる。世界保健機関(WHO)によると、毎年140万人が水系感染症で命を落とす。これは毎分4人の計算だ。そのほとんどが、危なくて不十分な水と衛生設備に起因するものだ。

ハイチ草の根ウォッチは、ハイチがなぜどのようにして『荒廃』した『被災』地になったのかを掘り下げることに決め、こう問いかけた。

・なぜ、こんなに簡単にコレラが根を下ろしたのか?
・なぜハイチ人は清潔な水とまともな衛生設備を使えないのか?
・もし、国連が必要とする1億6400万ドルをすべてかき集めてコレラを根絶したとしても、他の水系感染症にこの国が襲われないためにはどうしたらいいのか?

この記事ではこれらの問いに答えることはできなかったが、プロファイリング医のブロガーであるJan Gurleyによる人命救助法の普及に役立とうと努めている。Gurleyは2010年1月12日の地震以来2度ボランティア活動でハイチを訪れた。そしてハイチ人の同僚や患者に託すべく、このような経口補水療法(ORT)教育ビデオを作成した。

さて、世界トイレの日がぴったりなのはどこだろうか。この日が目指しているのは、意識を高め、行動を起こし、この21世紀に下水設備と衛生法を、すべての人にとって現実のものにすることである。あなたが参加できる方法としては、安全なトイレについてのキーメッセージをシェアするもよし、公衆衛生向上を唱えるイベントを主催し、インタラクティブな『世界トイレの日マップ』にその活動を登録するもよし、そしてFacebookやTwitterで世界に向けて「ウンちく」を語るもよし。他人のトイレのトラブルなど自分に関係ないと思ってはいないだろうか。しかし覚えておいてほしい、トイレに何の障害もない地域にあっても、衛生設備が役立たないせいで起こる病気が蔓延するかもしれないのだ。請願書への署名はこちらから