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コントレラス投手、キューバに悲願の帰国

[記事の原文は2013年2月7日に書かれたものです。また言語コードのないリンク先はすべてスペイン語のサイトです]

2012年4月、キューバの雑誌Espacio Laical(訳注:ハバナを拠点とするカトリック教会系メディア)の編集者でもある若手ジャーナリストのレニエル・ゴンザレスは、その編著「By Consensus for Democracy(民主主義への一致によって)」の序章をこう締めくくった。

El intenso debate sociopolítico que está teniendo lugar en la sociedad cubana, y su capacidad demostrada de impactar sobre la opinión pública insular, constituyen una muestra irrefutable de que Cuba está viva.

キューバ社会では、この島国の世論を左右するほど、社会政治についての活発な議論が起こっている。これはキューバが生きていることをまぎれもなく証明しているのだ。

キューバ国民の活気は、ブログやソーシャルメディアを通じて広まっている。とくにインターネットをめぐる最近の議論[en]や移民制度の改正[en]をめぐる議論からもわかるとおりだ。

(記事が書かれた2月7日の)ほんの1週間前、ホセ・アリエル・コントレラスがキューバに戻ってきた。彼は2002年からアメリカを拠点に活躍しているキューバ人の投手だ。コントレラスの帰還に、彼の生まれ故郷であるピナール・デル・リオ州の住民をはじめ、キューバの国技である野球のファンたちも心を動かされた。

Las últimas modificaciones de la Ley migratoria, que finalmente “pusieron” a mi primo en Miami y en Belice a mi mejor amigo, trajeron a José Ariel Contreras al Capitán San Luis. ¡Demasiado para el aburridísimo pueblito de Pinar que José Ariel, en el castellano que casi olvidara antes de “irse”, hubiese intercambiado con su pueblo!, cuenta desde su perfil en Facebook el periodista Carlos Díaz.

直近の移民法の改正のせいで、私のいとこはマイアミに、一番の親友はベリーズに行ってしまった。でもコントレラスはカピタン・サンルイス球場に戻ってきた。彼はキューバを離れる前にしゃべっていたスペイン語をほとんど忘れかけていたけど、彼の帰還はピナールの退屈な町を大いに変えてくれたんだ。(ジャーナリスト、カルロス・ディアスのFacebookページから

移民制度の改正は1月14日から施行されている。それは医療専門家や優れた業績を持つスポーツ選手の帰国を許すものだ。帰国できるのは、彼らのうち「1990年以降に国を離れた者で、出国してから8年以上経過している者。なお人道的な理由を考慮する場合は、それより短い期間でも帰国が認められる」。通信社Inter Press Serviceの記事はそう報じている。

Aliet Arzolaは、自分のFacebookページでこのように評している。

Esto era un sueño hace muy poco, pero finalmente se hizo realidad… Como mismo René Arocha rompió el hielo y desertó, ahora José Ariel Contreras se convierte en el primer pelotero cubano en regresar a la Isla… Ojalá detrás puedan venir muchos más, deseos no les faltan, de poner sus pies en Cuba y de enfundarse en la camiseta de las cuatro.

つい最近までこれはただの夢だった。でも今とうとう現実になった。レネ・アロチャ(訳注:彼もキューバの野球選手)が先駆者としてキューバを離れたように、コントレラスは祖国に戻った最初のキューバの野球選手になった。これに続いてもっと多くの選手が戻ってきて欲しい。キューバの土を踏んで、背番号4のユニフォームに身を包んで欲しい。その気持ちは尽きることがないんだ。

ジャーナリズムを専攻する学生でブロガーでもあるカルロス・マヌエル・アルバレスは、祝賀会に参加してコントレラスにインタビューを行った。アルバレスは、1月30日の遅くにコントレラスの生まれ故郷であるラス・マルティナスの町まで出かけ、彼に10年ぶりのキューバで体験していることなどについて聞いた。コントレラスは喜んでそれに応じた。

Carlos Manuel Álvarez interviewing José Ariel Contreras. Photo: Courtesy of Carlos Manuel Álvarez

コントレラスにインタビューするアルバレス。写真:カルロス・マヌエル・アルバレス提供

アルバレスによると、2002年にコントレラスが国内選抜チームから抜けたことは、大きなショックをもたらした。「過去に多くの選手が去っていきました。でもコントレラス投手、あなたはしばらく(チームに)とどまっていましたね。そしてあなたが帰国したことで、(チームに)戻る道を作った。ある意味、橋を架けたといえます。あなたは一度去った選手が再びキューバ代表としてプレーすることを思い描けますか?」アルバレスはそう尋ねた。

それに対してコントレラスは答えた。

Antes que todo somos cubanos. Donde quiera que estemos y haciendo lo que hagamos. Jugando beisbol, o barriendo una calle en cualquier lugar del mundo, seguimos siendo cubanos. De hecho, yo tengo una cláusula, que firmé en 2002 con los Yankees, donde dice que en contra de Cuba no juego. Si juego en un evento internacional, es con mi equipo. Y ese es mi sueño, tener la oportunidad de jugar por Cuba antes de retirarme.

何よりもまず私たちはキューバ人だ。どこで何をしているかに関わらずね。世界のどこで野球をしていても、通りを掃除していても、私たちはキューバ人であり続ける。実際、私は2002年にヤンキースとある契約を結んでいた。その契約とは、私はキューバと対戦しないというものだ。もし私が国際大会でプレーするとしたら、わがチームでプレーするだろう。引退する前にキューバ代表としてプレーする機会を得ることが、私の夢なんだ。

キューバは今月中の国営テレビチャンネルの番組編成も変更した。この変更の一部として野球の試合の週間放送予定が発表され、外国のプロリーグの試合が放送されることになった。人々の長年の願いがついに叶い、ニューヨークヤンキースをテレビで見るという夢が可能になるのだ。

野球のプロ化は、キューバのスポーツにおけるもうひとつの懸案だ。コントレラスはこう語る。「世界一の野球はアメリカにある。そこでは日本人も韓国人もドミニカ人もベネズエラ人も、みんな一緒にプレーしているんだ。キューバ人だってそこに参加すべきだ。それによって野球のレベルが上がるのは間違いない」

このインタビューはOnCubaに独占記事として掲載された。読者の思いは、ある読者が願いを込めて書いたこのコメントに凝縮されている。「キューバ人野球選手はメジャーリーグの一翼を担うことができる。そしてキューバ代表としてワールド・ベースボール・クラシックに出場するというコントレラスの夢は実現するかもしれない」

校正:Ren Okumiya