(記事中のリンク先で[ja]は日本語、他は英語のページです。)
2013年5月8日に起きた、ジュリア・ギラード首相[ja]とサンドイッチをめぐる事件のせいで、マスメディアはオーストラリア政治欄をくだらないものにしたとの誹りを受けた。どうやら、海外でも紙面上、ネット上共に大きな話題になったようだ。
Gawker (訳注:ゴシップ専門ブログサイト)も便乗して、鉛のように味気ない(原文ママ)画像だの、発射物(ベジマイトはオーストラリアの象徴的なサンドイッチの具)をめぐる証拠の無い主張だのを載せた。
On Wednesday, Australian Prime Minister Julia Gillard was visiting a high school in Brisbane when someone threw a sandwich at her.
And then, for a second, the world stopped.
水曜日、ジュリア・ギラード豪首相はブリスベンのある高校を訪問中に、何者かにサンドイッチを投げつけられた。
その時、一瞬、世界が停止した。
いや、爆発したとも言える。もし#sandwichgate (サンドイッチ事件)というTwitterハッシュタグの瞬間的出現を何かの予兆とみればだが。David Hortonはそれが気に入らない。
@watermelon_man: FFS journalists, with Sandwichgate you've finally lost, after many last chances, any claim to be thought of as a profession.
@watermelon_man:糞ジャーナリストども、サンドイッチ事件に至っては、今度という今度はもう、これでプロ扱いしろとはとても言えないね。
クレイグ は料理陰謀論者に違いない。
@Cutto1: So there was two sandwiches thrown at the pm. One from the book suppository, and one from the crusty roll, it’s a conspiracy. #sandwichgate
@Cutto1: 首相に投げられたサンドイッチは2切れだった。ひとつは教科書ウン庫から、もうひとつは堅焼きロールの丘から。これは陰謀である。#sandwichgate
(訳注:ケネディ大統領暗殺事件[ja]にありがちの陰謀論にひっかけたジョーク。大統領のパレードは「教科書倉庫」を通過した時狙撃されたが、前方グラシー・ノールの丘(grassy knoll)でも不審人物が目撃された)
しかしこれはTwitterの一発ジョークだけに止まらなかった。オージーたちのブログ界も参戦してきた。 Insert Clever Title Here(ここに気の利いたタイトルを挿入)では、マスメディア流の一連の疑問を含む政治記事手法を皮肉っている。
1. Who threw the sandwich, what is their Facebook link and what is the worst photo of them that media can use.
4. What was the carbon impact of the sandwich?
5. What was in the sandwich?
9. Has Newspoll conducted detailed push polling on sandwich
1.サンドイッチを投げたのは何者か、犯人のFacebookのリンクは、またメディアが使用可能な最悪の写真はどれか
4.サンドイッチにおけるCO2への影響は?
5.サンドイッチの具は何か?
9.サンドイッチに関して、Newspoll(訳注:オーストラリアの市場調査会社)による詳細な市場調査戦術(訳注:市場調査を装って有権者に電話をかけ、対立候補に偏見を持たせる選挙戦術)は行なわれたのだろうか
Yale StephensはThe Red And The Blue の中で、校庭の悪ふざけについてでなく、学校の方針について聞きたいと言っている。
THE THROWING of a sandwich at Prime Minister Julia Gillard at a Brisbane school today really is small bier; it wasn’t an egg or something really capable of making a mark, and in any case — it missed. Yet this beat-up is even being reported in London tonight [The Telegraph], and people should move on to worthier issues.
ブリスベンの学校で今日、ジュリア・ギラード首相がサンドイッチを投げつけられたこと なんて、実際取るに足りない。卵とかシミの残るものじゃなかったし、いずれにせよ命中してないし。それなのにロンドンの夕刊(The Telegraph)までが、今回の事件を書きたてるなんて。もっと報道価値のある話題に移るべきだよ。
とはいえ、彼もダジャレ心には逆らえなかった。
Forget about the sandwich folks; at the risk of mixing metaphors, it’s a red herring.
サンドイッチの連中のことは忘れよう。あえて込み入った比喩を使うなら、これは燻製ニシン[ja](訳注:燻製ニシンの強い臭いで追跡をそらすように、読み手の注意を大事なことからそらす技法)入りということだ。
乳がん患者支援のための資金調達イベント「オーストラリア最大のモーニングティー(Australia's Biggest Morning Tea)」で首相が学校を訪れた時から、この出来事全てが起こる運命だったようだ。メン・アット・ワークが彼らの代表曲「ダウン・アンダー」の中でいみじくも歌っている通り。
He just smiled and gave me a vegemite sandwich
And he said,“I come from a land down under
Where beer does flow and men chunder
Can't you hear, can't you hear the thunder?
You better run, you better take cover.”
そいつはにんまりして、俺にベジマイトのサンドイッチをくれた
そして言ったよ、「俺はダウン・アンダー(オーストラリアの意)から来たんだ
ビールが流れる地、男がゲロ吐く地さ
ほら、ごろごろいう音が聞こえるだろ
走って、逃げた方がいいぜ」
以下はCrikey (訳注:オーストラリアのウェブマガジン)の風刺漫画家First Dog on the Moon(月面着陸した最初の犬)による、独占インタビューである。
さて、もしサンドイッチ事件はくだらないとお思いなら、オージーたちの最新の出来事で海外にも広まりかけている、空飛ぶクジラ( #skywhale)の話がある。これもまた政治家が逃げ出す原因になるかもしれない。
Andrea Carew は百周年祝賀中のこの国の首都についてあれこれ考えた。
@UTLAU: Unfathomable, kind of weird but some of us like it, controversial, + full of hot air – yes #skywhale really DOES represent #Canberra
@UTLAU:不可解で、ある種風変りだけどそこが好きという人もいて、論争の的になっていて、そして熱気に満ちていて…そう、まさしく空飛ぶクジラ(#skywhale)はキャンベラ(#Canberra)の象徴だよ
キャンベラ百周年記念課のVivien Mitchell は、極秘情報を漏らしてくれた。
@Viv54: #skywhale Australia's newest mega fauna; gracing our skies from 11 May 2013 @theskywhale_ pic.twitter.com/2valK1w6EV
@Viv54:空飛ぶクジラ(#skywhale )はオーストラリア新種の大型動物で、2013年5月11日から私たちの空を彩っているんです。@theskywhale_ pic.twitter.com/2valK1w6EV