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日本:コーヒーアートは3次元へ

カテゴリー: 東アジア, 日本, ユーモア, 市民メディア, 旅行, 芸術・文化, 食

「温かい飲み物を選ぶとしたら、まず緑茶」が根強いこの国で、3Dコーヒーアートの泡立つ一杯が、心をとりこにする [1][en]ものとして人気を集めている。

日本では、コーヒーの上に立ち上がるスチームミルクの作品が、ソーシャルメディアに写真で載せられ感動を呼び、自分のラテも同じように立体アートで彩って欲しいと願うカフェ常連客が日に日に増えている。

日本のコーヒー文化は決して日が浅いものではない。 全日本コーヒー協会 [2]報告 [3]によると、日本はコーヒー輸入国のうち、総消費量において第3位である。

2010年、世界ラテアートチャンピオンシップでは、日本の村山春奈 [4][en]が優勝を飾った。

2Dのラテアートは、この国ですでに人気を博している。 ツイッターで「ラテアート [5]」と検索すれば、ハートや葉っぱ、ティディーベアに人気アニメキャラ、更にはネットで見かけるアイコン [6]まで、特別なラテの写真がいくらでも出てくる。

羽田空港 [7](東京国際空港)にある自動販売機では、京都の有名化粧品店「よーじや [8]」の定番デザインである、伝統的な日本女性の顔のアートが入ったカプチーノさえ販売 [9]されている。

ユーチューブユーザーのNowtoo Sugi [10]は、カフェラテにチョコレートシロップでキャラクターを描くステップを、以下の動画で説明している。

さらなる高みへ

しかしバリスタたちは、この創造的コーヒーアートをさらに進化させ、泡立つ立体芸術の域にまで高めた。

3D latte art by twitter user @george_10g: a cat is looking at golden fish. Image captured on twitter [11]

ツイッターユーザー@george_10gni投稿による3Dラテアート。タイトル「金魚を見つめるネコ」

ラテアートマスターの山本員揮 (@george_10g [12])は、自身のラテアートをツイッターにアップし、ブログでは大阪にあるベルジアンビアカフェ バレルで働いていることを明かしている。 彼は自分のラテアートを「暇カプチーノ」、つまり退屈しのぎや時間つぶしからの産物であるとしている。もっとも、手間と愛情をかけた仕事なのである。 彼のツイッターには、これまでに描いてきた数多くのラテアート作品を振り返った以下のようなツイートが投稿されている。

@george_10g [13]:最近気づいた怖いこと。去年から始めて1000杯くらい描いているけど作品も描いた時期も飲んだ人も覚えてる。

ツイッターユーザーの@petakopetako [14]はこのツイートに対し、彼の特技への賞賛も交えながら以下のように返信している。 [15]

@petakopetako [15]:?じょーじさんこんにちは。私は人物写真を撮るのが好きですが人の顔を覚えるのは超苦手です。が、写真を撮らせてもらうと場所や会話がすぐに思い出せます。思い入れがあるからでしょうかね。

ソーシャルメディアの影響

カフェ経営者やバリスタは、裏メニューの3Dラテアートの写真をソーシャルメディアにアップロードしてきた。 投稿された写真は広く拡散され、後に地元メディアや雑誌からも注目されるようになった。

知名度が上がったことで、多くの新しい顧客の注目の目が集まり、オーナーが対応しきれないほどになっている喫茶店もある。 静岡にある「カフェバール・ジハン」のマスターは、フェイスブックの効果について自身のブログ [16]で以下のように書いている。

お客様のリクエストがきっかけで始めた3Dラテアート。お遊びのつもりでfecebookにアップしたその日、物凄い数の『いいね!』とシェアにビックリしました。
その拡散がきっかけで取材の問い合わせが幾つかありました。 中でも東京のTVメディアからの出演依頼には戸惑いました。(*^_^*)

facebook photo by caffe.bar.jihan. A cat is taking a bath in espresso coffee [17]

カフェバール・ジハンのフェイスブックに投稿された写真。エスプレッソのお風呂につかるネコ

彼は続ける [18]

このニャン子は、作るのにとっても時間が掛かりますので混雑時はお受け出来ないのが目下の悩みです。
平日の18時からでしたら比較的にお時間が取れると思いますので、どうしても3Dラテアートを…というお客様はこの時間帯のリクエストをお願いいたします。

この記事は執筆Ayako Yokota,編集Tanaka Keiko ,副編集L.Finchによる。
校正:Sadako Jin [19]