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インド第3の都市バンガロール、深刻な水不足に立ち往生

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インド第3の都市バンガロール[ja]は、近年急速に発展する南アジア経済拠点のひとつであるが、その目前には、避けようのない深刻な水不足の危機が迫っている。水源はすでに枯渇し始めており、行政も市民も対策に追われている。

バンガロールの人口は950万人を超えるが、あこがれの仕事を求めて日々流れ込んでくる移住者たちによって、その数は膨らむ一方である。市は住民の拡大する需要に応えるべく奮闘しているが、最大の問題はやはり、水の供給である。

バンガロールの水不足について、最近行われた討論会で、市の行政局のひとつバンガロール上下水道局(BWSSB)の局長Gaurav Guptaが次のように発言している。

If you are taking a property in Bengaluru, especially in the peripheral areas, take at your own risk! We really don’t have water for those areas.

バンガロール市内、特に周辺地区に不動産を持つのであれば、自分のリスクでやって欲しい! 周辺地区にまで割り当てる水は、本当にないんだ。

Melinda Gates speaks with women serving on the Bangalore Water Supply and Sewerage Board.  Image from Flickr by Gates Foundation. BY-NC-ND (Bangalore, India, 2005)

BWSSBの女性職員らと話をするメリンダ・ゲイツ。写真はゲイツ財団提供、Flickrから転載。BY-NC-ND(2005年インド、バンガロール)

バンガロールの主な淡水源は、コーヴェリ川とコーヴェリ川流域の600余りの湖、さらに頼みの綱の地下水がある。しかし市当局によると、バンガロールで取水可能な湖は189しかなく、残りの湖は野放しに湖岸侵入されているか、あるいは下水による汚染がひどい。

2001年以降、バンガロールの人口は倍増し、やみくもなインフラ整備が進んだ結果、地下水の枯渇や水質汚染が生じた。BWSSBによるコーヴェリ川4カ所からの取水量は、以前は1日11.5億リットルであったが、現在は1日8億リットルにまで減少しており、3.5億リットルの不足が生じている。

水質汚染については、この同じ水から、重い消化器感染症の原因となる細菌が4種類以上見つかっている。この水は最終的にどうなるのか。汚染水は湖底からしみ出て地下水に流れこむ。それが井戸からポンプで汲み上げられて、都市部の各家庭に供給される。Eureka Forbes Limited(ムンバイ)のショッキングな調査結果によると、バンガロールの人々はこのような水を10年以上も飲んでおり、一部の汚染細菌に対して免疫ができているいるという。

汚染だけではない。バンガロールは、インド国内において最も急速に拡大する不動産市場でもある。つまり、街のいたる所に大型マンションや屋敷、平屋住宅などが立ち並ぶ。街全体にコンクリート構造物が点在するため、雨水が土壌内に浸透せず、そのまま下水に流れ込み、地下水源を著しく枯渇させている。さらに悪いことに、高架式高速道路やバンガロール・メトロの建設によって市内の緑地率がどんどん減少し、降水量に悪影響を及ぼしている。

Goutham Sampathのブログ「バンガロールの現実」は、水不足が急速に進む原因に注目している。

Bangalore was free of air-conditioned malls and multiplexes, but shopping and entertainment options were still plentiful. Bangalore was free of its Information Technology tag, but was still a reasonably significant industrial manufacturing hub. With its tree-lined roads, large open spaces and now abundant Cauvery water, Bangalore was really the Pensioner's Paradise, where retired folks could live without any worries.

かつてバンガロールには、空調の効いたショッピングセンターも商業複合施設もなかった。しかしそれでも、ショッピングや娯楽の手段はいくらでもあった。情報技術都市と評されることがなくても、それなりに重要な工業中心都市だった。街路樹や大きな広場、豊かな水をたたえるコーヴェリ川があり、バンガロールはまさに年金生活者のパラダイスだった。定年退職した人々が何の心配もなく暮らせる街だった。

バンガロール南部出身の工学部学生Ritwik Kaikiniは、給水車による水の運搬もいかにいいかげんかをGVに語っている。「給水車のほとんどが水漏れしている。常にだ。給水車が目的地に着くころには、水の半分が流れ出てしまって、この水の浪費は犯罪としか言いようがない。」

同地域に住む学生Purushotham Daldurは、「水道管もあちこち壊れていると思う」と言う。

Ananth Narayan Sは自身のブログにおいて、今まで決して枯渇することがなかった水系までが枯渇しつつある状況を書いている。

With an extremely poor monsoon in the previous year, most lakes had dried up. What was surprising however was that the only perennial water body in Bangalore – the sewer lines – had also dried up. The citizens and the Bangalore municipal corporation (BBMP) are at a loss on how to handle the situation. The BBMP said “We have water treatment plants in the city. Those used to satisfy a small portion of the city's water needs. Now even that is lost. We are not sure how to handle the situation; for now an ad hoc committee has been constituted”.

去年はモンスーンが極端に少なく、ほとんどの湖が干上がってしまった。しかし驚くのは、バンガロールにおいて今まで枯渇することのなかった唯一の水系、下水ラインまでも干上がってしまったことだ。市民やバンガロール都市圏当局(BBMP)は、この状況にどう対処すればいいのか途方にくれている。BBMPは、「市内にいくつか浄水場がある。都市の水需要のごく一部を充足するのに使っていたが、今やそれも失った。この状況にどう対処すればいいのかわからない。さしあたり、特別委員会は立ち上げた」と言う。

この問題は、プネやハイデラバードなど、拡大を続ける都市に共通した問題だ。新聞 the Hindiに掲載されたSainath Pの記事によると、

Every apartment is a dream come true — the coronet that tops the king-sized lifestyle of true blue blood. So run the ads. Yup, the blue bloods do it big. Each apartment has its own private swimming pool. These are, after all, super-luxurious, supersized designer apartments. The kind that match the royal lifestyles.

どのマンションも夢の実現-真の貴族の壮大なライフスタイルの頂点を飾る宝冠。広告はそう歌う。その通り、貴族のやることは大きい。各マンションはプライベートプール付き。超ぜいたく、スーパーサイズのデザイナーズマンション、王族のライフスタイルにも匹敵する。

どうやら、インド大都市にある何千もの高層ビルでは、超リッチな住民たちがきれいな水を惜しげもなく使ってプールに水を張り、一方、中流・貧困層は、何百年来のバンガロール最悪の行政問題のひとつである水不足に、息も絶え絶えというのが現実のようだ。

バンガロールが急速に悪化する水不足に揺らいでいる頃、アート・オブ・リビング財団のボランティア150人余が教祖シュリ・シュリ・ラビ・シャンカールとともにウォーカソン(長距離行進)を行い、2013年7月の節水を呼びかけた。

教祖シャンカールはNDTV(国内ニュースチャンネル)に対し次のように語っている。

Water is such a scarce thing now and we must do all we can to judiciously use it. Our volunteers are trying to prevent one of the small rivers, the Kumudvathi in Bangalore from drying up. They are planting trees in the area which can help prevent soil erosion, building boulder checks. Anything which can help rejuvenate and revive our natural resources must be done, today and now.

本当に水が足りない。水を賢く使うよう、みんなができる限りのことをしなければいけない。私たちボランティアは、バンガロールにある小型河川のひとつ、Kumudvathi川が枯渇しないよう、植林で土壌の浸食を防いだり、石を積み上げたりして頑張っている。市民共有の天然資源の再生・回復に役立つことはすべて、今日、今すぐに行わなければならない。

暗い話ばかりが続く中、わずかな希望の光も見えている。市民が水不足を自らの問題として、家庭やオフィスなど、身近にできることから節水し、水の無駄遣いをチェックし始めたのだ。

さらには、カルナカタ州科学技術協議会インド科学研究所(バンガロール)の上級研究員A.R. Shivakumarにも期待が寄せられている。Shivkumarは「バンガロールの雨男」とも言われ、バンガロールの水消費量(1日あたり14億リットル=180億立方メートル)に対応するための答えは、雨水の貯留にあると言う。

市当局は、2,400平方フィートを超える家屋を対象に、雨水を貯めて使用するよう義務づけてはいるが、手間をかけてまで雨水の貯留設備を設置しようとする家は少ない。今回のような深刻な状況においては、この機知に富む対策が必ず実行されるよう、市当局は早急に手を打つ必要がある。

この問題に対するバンガロールの取り組みは、非常に重要な意味を持つ。バンガロールをひとつのモデルとして、これから開発を進めようとする他の都市にも対策を適用することができるからだ。すでに少なくなった水をいかに保つか、今必要とされるのは市当局の迅速な対応であり、市民一丸となっての取り組みである。

校正:Masao Kaneko