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オーストラリアスポーツ事情 - 薬物・八百長・組織犯罪

[原文掲載2013年2月11日。言語コードのないリンク先は、すべて英語のサイトです]

オーストラリアに国民的宗教があるとすれば、それはスポーツだ。誰もが熱狂する国民のスポーツが、今、厳しい試練に立たされている。違法薬物を摂取し、八百長試合を演じ、それが犯罪組織ともつながっているとの疑惑に、ネット上にはモラルを問う怒りの声が殺到し、手垢のついた発言が繰り返されている。はたして、聖人は罪人となるのか。

ここ最近に起こった海外でのスポーツ不祥事に続き,2013年2月7日はオーストラリアスポーツ界にとって「最悪の日」となった。この日、「スポーツ界における組織犯罪と薬物」についてのオーストラリア犯罪調査委員会(ACC)報告が発表された。

(警告:陳腐な言い回しあり!)

ニュースサイトThe Conversation において、Mike PottengerとCiannon Cazalyのブログ記事「笑えない話-組織犯罪とスポーツ」パンチに容赦がない。

Australian Crime Commission report

オーストラリア犯罪調査委員会報告

The problem is not just a few deceitful and devious players. Though there may be some bad apples, all athletes in elite competitive sport face clear incentives to take performance and image enhancing drugs (PIEDs).

この問題は、何人かの選手が不正を働いたというだけの問題ではない。腐ったリンゴは一部にしても、パフォーマンス・イメージ・エンハンシング・ドラッグ(PIED)(訳注:ドーピング薬物)摂取の誘惑は、エリートスポーツ界にいる選手全員が直面する問題だ。

しかし、取り締まる側にとってこの問題が持つ意味あいはもっと大きいと、彼らは懸念する。

…networks and connections established to smuggle PIEDs into the country can be used to traffic other prohibited substances, like hard narcotics or weapons

… [this] involves corrupting or drawing upon already corrupted public officials

…PIEDを国内に持込むための人脈や流通ルートが、ハードドラッグ、武器など、他の禁輸品の取引にも利用される可能性がある。

…つまり、行政関係者が買収されたり、汚職職員がそのまま利用されたりする。

Jon Kundelka は、風刺漫画「勝算やいかに」において、クリケット選手Don Bradmanら伝説のスポーツ「聖人」が活躍した古きよき時代と、最近の薬づけ文化とを対比させている。

A Sporting Chance

勝算やいかに – Jon Kudelkaブログ提供

あと知恵も役に立つ。そう気づいたスポーツファンは多い。Jack the Insiderは、不正行為は「クリケットではない」という思い込みのうそをあばいている。クリケット競技におけるスポーツマンシップとフェアプレイを表した、昔ながらの(英語)表現だ。Jack the Insiderは、もうひとりのクリケットの英雄、英国チームの主将Dr. W.G. Graceを引き合いに出す。彼のずる賢さは、100年以上たった今でも語りぐさだ。

Cheating in sport is as old as sport itself.
… The rewards in professional sport are counted in the millions. In Grace’s day it was simply the business of beating an opponent by hook or by crook. Now sporting clubs in the major football codes are facing the embarrassing and destructive revelations that they may have engaged in criminal conspiracies.

That athletes might cheat should come as no surprise to any sports fan.

スポーツにおける不正行為は、スポーツと共に始まった。

… プロスポーツは報酬何百万の世界だ。Graceが活躍した時代は、どんな手を使ってでも試合に勝つ、ただそれだけだった。それが今や、フットボール主力競技の各クラブチームは、組織ぐるみの犯罪に加担していたのではないかという疑惑をつきつけられてたじたじだ。

アスリートが不正な手を使っているかもしれないといって、今さら驚くスポーツファンはいない。

風刺サイトThe Shovelは、国民的娯楽よりむしろ国語が受けるダメージの方が大きいのではないかと皮肉る。オーストラリアン・フットボール・リーグ(AFL)所属のあるクラブが、クラブでの「サプリメント」使用について再調査を求めたが、ACC報告の発表前に要請するというフライングを犯した。The Shovelはさらに続ける。

Just hours after allegations broke that Essendon players may have been forced to inject performance enhancing drugs into their bodies, it has emerged that many were made to inject clichés into their interviews as well.

…An Essendon spokesperson said the club was taking the allegations seriously and would co-operate with any investigation. “The footy club is going to have a good hard look at the tapes during the week and then we’ll hope to put this behind us, draw a line under it and move forward with playing good, accountable footy”.

エッセンドンの選手らがPIEDを打つよう強要されていたのではないか、という疑惑が持ち上がってほんの数時間後、インタビューを受けた選手らにお決まりコメントがすり込まれていたことははっきりした。

… エッセンドンのスポークスマンは、「クラブは疑惑を深刻に受け止め、どのような調査にも協力する用意がある」と述べた。「当クラブとしては、この1週間の録画を細かく分析する。その後は、この問題を過去のものとし、一線を画して、正しい責任あるオーストラリアン・フットボールに邁進したい」と語った。

ラグビーリーグ、ラグビーユニオン、サッカー、オーストラリアン・フットボールと種類は違っても、フットボール競技全体が疑惑の渦中にいることに変わりはない。

熱心なスポーツツイッターでもある人権派弁護士Sarah Josephのコメントは、ずばり核心を突いている。

‏@profsarahj: I'm sick of hearing how corrupt & doped Australian sport is. Name names! Put up or shut up ACC! Otherwise all are unfairly tarred.

@profsarahj: オーストラリアのスポーツ界がどんなに不正だらけで薬づけになっているか、そんな話はもううんざり。実名を出しなさい! それができないのなら、ACCは黙ってなさい! そうでないと、選手全員が悪者にされていい迷惑だわ。

ACC報告は、数種類のスポーツを調査しただけで、対象範囲が狭い。オリンピックのビーチバレーボール金メダリストKerri Pottharstは、オーストラリアン・フットボール選手で全体を判断されたくないとコメントする。

‏@kerripottharst: Oh please…. To say this is the blackest day in Australian Sport is crazy! Is “Australian Sport” just Football… http://fb.me/1wW1d7wTE

@kerripottharst: お願いよ。…これがオーストラリアのスポーツ界「最悪の日」だなんて、むちゃくちゃよ!「オーストラリアのスポーツ」はフットボールだけなの? … http://fb.me/1wW1d7wTE

リンクは彼女のフェイスブックページへ。彼女に賛同するコメントがいくつか寄せられている。

一方、オージースポーツファンは、地元クラブやひいき選手が不正というクモの巣に絡み取られないかどうか、はらはらしながら見守るしかない。フットボール2競技のチームを応援するBekは、自分が応援するチームは潔白だとかなりの自信を見せる。

@BekkieBee: all this talk about drugs in sport I can say with confidence my 2 teams parra & the suns are definitely not & probably not NSW team #enufsaid

@BekkieBee:スポーツ界のドラッグの話なんて、私が応援するパラとザ・サンの2チームには絶対ない。NSWチームも多分違うわね。#enufsaid

(著者の個人メモ: 私が応援するAFLクラブはセント・キルダ、愛称「ザ・セイント」。長い年月をかけて、ある種、芸術的な負け方をあみ出した。いつもの言いぐさをするなら、「勝てた試合だったのに」。 犯罪組織がチームを買収して八百長試合を組んだかもしれないなんて、あり得ない。)

皮肉なことに、タンキング(選手ドラフトで有利になるよう、わざと試合に負けること)に関するAFL調査はずっと継続していた。‏Nick Fairlieは、道徳観念がどうなっているのかいぶかる。

‏@Nickfairlie: What is more repugnant to a sports fan: losing on purpose or cheating to win? #tanking #doping

@Nickfairlie: スポーツファンの反感が強いのはどっちだ? 試合にわざと負けることか、それとも、不正をしてでも勝つことか?#tanking#doping

多分、今回の一件で一番奇妙だったのは、スポーツくじについて悪いうわさが出てきたとする意見だろう。有名ブロガーGreg Jerichoはどうやら、金の行方を追うべきだ考えているようだ。

@GrogsGamut: “Betting fraud a bigger problem than doping: analyst”. Alas I think he might be right – http://bit.ly/11wiFqC

@GrogsGamut:「スポーツくじ必勝法詐欺はドーピングより大きな問題:アナリスト」 ああ悲しや、そのとおりかも-http://bit.ly//11wiFqC

しかし、それはまた別の話。今回の不祥事は今回の不祥事として、ひとつひとつクリアしていくしかない。

翻訳協力:Yuko Aoyagi, Sadako Jin, Takemichi Shibuya in alphabetic order.