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慈善団体のIssarachon Foundationの報告によると、タイではホームレスの外国人が急増している 。この慈善団体は国内に200人におよぶホームレスの外国人がいると推定した。
パタヤではマクドナルドの前でホームレスの外国人が食べ物を求めてゴミをあさり、レストランの前にたむろして客の人々に金銭をねだる光景を目にする、とIssarachon FoundationのNatee Saravariは述べた。
タイ在住の外国人であるポール・ガリガンは、タイで最終的にホームレスになってしまう外国人がいることについて、考えられる理由を以下のように述べた。
僕より先にタイに来た他の外国人と同じく、自分の抱えている問題は自分の環境のせいで、タイみたいな異国の地に住んだら、自分を取り戻せるんじゃないかと誤解していた。でもそうじゃなかった。僕の人生はそこからまっさかさまに転げ落ちていったんだ。2006年にタイ人のみんなやタムクラボーク寺院に助けてもらわなかったら、今頃僕は、ほぼ確実に死んでいただろう。タイにいるホームレスの外国人のひとりになっていても不思議じゃなかったよ。
飛行機から降り立ってみると、タイではまるで普通の基準が当てはまらないように感じられる。でもそれは本当は僕たちがタイの文化のルールを理解していないせいで、ルールなんてないかのように誤解してしまっているからなんだ。
ポールは各国の大使館に対し、自国民への援助を拡大するよう以下の要請を行った。
ホームレスの外国人たちは人生のなかでもがき苦しんでいる人間です。このような人たちに対しては思いやりを持って接し、手を差し伸べるべきです。経済的に自立できるまで、または母国に送還されるまで、各国の大使館および領事館は安全な宿泊場所と食料の提供を行うよう踏み込んで対処すべきであり、最終的に拘置所で国外退去を待つなどということは断じてあってはならないのです。
しかし、パタヤの観光警察の部長であるAroon Promphanは、各国の大使館はホームレスの外国人たちを救済することにたいてい消極的(現在このリンクは閲覧が制限されています)であると以下の報告を寄せた。
私は時々(大使館の職員に)、「あなたの国の国籍を持つ彼らは精神的な問題を抱え、所持金もないのですよ。」と伝えています。そして我々観光警察が彼らにどういった対応をして欲しいか尋ねています。「何もする必要ありません。大使館はこういった人に対して責任はありませんから。」というのが職員の答えなのです。
この慈善団体は多くのホームレスの外国人はタイ人のパートナーに見捨てられたか、ビザやパスポートに関する問題に遭遇したかだ、と報告した。しかしケーシー・ハインズはタイ在住の外国人に対し自分たちが今手にしているものを失うのを回避するために断固とした手段を取ることができたはずであると釘を刺した 。
ホームレスの外国人たちの状況は不幸なことですが、そもそもなぜ彼らがこのような状況を緩和するための手段を取らなかったのか理解し難いものがあります。外国人にとってタイに自分のコンドミニアムを購入することや長期で土地を借りることは不可能ではないですし、そうすればきちんとした書類のために妻やガールフレンドに頼らなくてもよくなるのです。確かにビザの申請や継続の手続きは面倒ですが、ビザとパスポートの両方を失効させることはもっと面倒なことです。なぜなら彼らには家や移住した国でわずかな選択肢しか残されていないからです。
ブロガーのBangkok Bloggerは外国人への保護を厚くするよう、当局による地域の条例の見直しを求めた。
これらホームレスの外国人たちがお酒を飲まずにいられなくなった原因は、彼らのおかれた境遇にあったことは確かで、これは完全に避けることができたはずだ。
記事(訳注:the Bangkok Postの記事)には、タイでは外国人を保護する法律がほとんどないこと、タイ北西部の大学の某教授が外国人の権利に関して法律を改訂する必要があると述べていることが書かれていた。
うまくいけば権力者の同意も得られるだろう。
バンコク・ポストの報告に関して、この問題に対する興味深いコメント(現在このリンクは閲覧が制限されています)が寄せられた。例えば、juggernaut(訳注:Bangkokpost.com communityのメンバー)はタイにおける「外国人配偶者に対する法的なアパルトヘイト」について次のようなコメントを投稿した。
タイ在住の外国人(旅行者、外交官、仕事上の理由による入国者を除く)は十分な保護を受けていない。米国などの国とは異なり、タイ国民との婚姻関係がある配偶者には自由と権利がほとんどないのだ。その限られた権利にも不当な条件がつけられており、事前に申請し、高額な支払いをしたパスポートの査証印がなければ、タイへの再入国はできない。年間の残高が4万バーツに満たない場合は、不法滞在となる。許可を毎年受けなければならないが、この許可はいつでも正当な理由なしに取り消される可能性がある。これでは結婚したカップルが新しい家族としてスタートをきるには良い環境とは言えない。外国人配偶者に対するアパルトヘイトが法的に存在するのである。永住者カード(訳注:永住権の資格証明書)は取得が難しく、高額で、様々な条件が付けられている。しかもこれは正当な理由なく簡単に取り消される。皆の成功を祈る!
タイ政府はホームレスの外国人に対して親切で公平な扱いをしてきたとBanmebkkは主張した。
実際タイの人々はこのようなホームレスに対してかなり寛容だ。ほとんどの警察官はこれらのホームレスを単に見なかったことにしてやっているのだ。もしこれがほとんどの先進国であれば、期限切れのパスポートを持ったホームレスは警察に拘束、逮捕され本国送還の手続きが始まっているところだ。
onlyaskingはホームレスの外国人の様々な事情に対して言及した。
この問題はひとつの側面からだけ見ていても駄目なのです。なかには収入がなく、生き延びるためにヨーロッパからタイに逃げてきてここに滞在している人たちもいます。タイに来たときにはお金があったのに、それを失ったり、浪費してしまったという人もいます。ほんの少しの収入しかなく、自分の国に戻ったらとても生活ができませんが、タイでなら生きていけるという人もいます。ビザが切れてそのまま15年も経ってしまったという人も。しかし、このような人たちに対する責任を負うべきなのは彼らの母国であり、タイではないのです。
upenaはタイ政府にはホームレスの外国人全てを救済する義務はないと考えている。
ここ3年間タイに住んでいる外国人として、また1973年にタイに来てからここで働いてきた者として、失礼ですが、私は自分の面倒を自分でみられないような人々に対して全く同情を感じません。タイに来る前はこの人たちもルールについてわかっていたはずで、彼らのサポートや援助はタイ政府の責任ではありません。この人たちは家族と連絡を取るか、自分の国の大使館や領事館に援助を求めるべきなのです。
Chem-zamはホームレスの外国人に遭遇したとき、政府や援助を提供する慈善団体を単に待つのはやめて欲しいと呼び掛けた。
タイ在住の外国人の一人として、金銭的に苦しい時に、頼るものや親戚もなく生きていくことがどんなに困難なことであるかとてもよく分かります。もしホームレスの外国人に出会ったら、慈善団体の活動や政府の援助をただ待つのはやめてください。この人たちを救うのは誰にでもできることなのですから。