GV Face: フィリピンの台風30号被災者を救済

Sahar Habib Ghazi
Masato Kaneko

GV Face

これまでに記録の残る台風の中でも最大級のものとされるスーパー台風ハイエン(訳注:以下台風30号とする)により、フィリピン中部で数千人が犠牲になった

グローバルボイスのフィリピン人記者によると、さらに多くの人が、かつて彼らの家のあった被災地に、食料も水も救助もない状態で取り残されているようだ。こうなったのも、台風30号(フィリピン名:ヨランダ)による被災地に対する救助の手が、時を移さずに差し伸べられていない、というそれだけの理由によるのだ。

大型台風30号がヴィサヤ諸島のレイテ州およびサマル州を襲ってから一週間後に、GV Faceはグローバルボイスのフィリピン人記者および救援活動従事者と、次の3点について話し合うことになっている。一つ目は、政府はこの災難にどのように対処しているのか。二つ目は救援活動の進捗について。三つ目は、このたびの災害を憂慮している国際社会の一員であるグローバルボイスはどのような援助ができるかである。

今週のGV Faceのビデオに、東南アジア担当記者Mong Palatino( @mongster)がマニラから Chantal Eco (@chantaleco)とともに登場する。 Chantal Ecoは精力的に活動している映像記者であり、自分の故郷レイテのためにマニラで救援活動を仕切っている。

二人の主な発言をいくつか紹介する

Mong Palatino (05:00 – 07:30):

台風がフィリピンを襲う前夜、大統領はテレビのライブ放送に登場し、死傷者は出さないと断言した。また、国民に台風を警戒するように訴えたが、その一方政府は台風に対して対策を採っており、死傷者ゼロを目指していると述べた。その後、地方警察当局から死者1万人との情報が公表された。その当局者はそのような数値を公表したために任務から外された。また、大統領は直ちに死者数の予想値を2000人と下方修正した。さらに、他の当局者は死者数を4000人とした。当局の見込んだ数値が2000であれ、4000であれ、10000であれ、死傷者数は間違いなく増加する。なぜなら、まだ多くの地域で状況が把握されていないからだ。
台風30号はフィリピンのいくつかの最貧地域を襲った。この地域の住民は農民や漁民で、フィリピンの最貧層の人々である。彼らの住む地域は道路が破壊され、最奥地であることから、依然孤立状態となっている。したがって、死傷者の実数は、1万人以上に達するといって間違いない。そうでないとしても、今回の災害はこれまでにフィリピンを襲ったものの中で間違いなく最悪のものである。これまで毎年いくつもの台風に打ちのめされてきたけれども、今回の災害は、死傷者数および破壊のひどさ、またこれまでに幾度となく体験した復旧作業に費やした多大な労力と比べても最悪のものといえる。

Chantal Eco (14:14 – 15:00)

タクロバン市(今回の災害の中心地)および被災地の外部に家族のいる人たちのために、勇気のあふれた人たち、手段のある人たちはタクロバンの被災地まで、住民の様子を確認にやってきて生存者の氏名を収集し、その情報をインターネット上に公開した。こうすることにより、家族の居場所を探している人たちを安心させようとしたのだ。
タクロバンの仲間たちは定期的に我々の情報をSMS経由で更新している。インターネットはほとんどの地域で不通になっているし、携帯電話は途切れがちだからだ。
タクロバン地方政府は市役所内に(衛星電話回線を用いたインターネット)ブースを設けた。そこから、市民は電話をかけ、大切な人に自分は無事だと知らせることができるし、Facebook上に現状を伝えるメッセージを載せることができる。Facebook利用者には1分間の利用時間が与えられている。

Mong (19:00 – 21:00):

今回の災害は、気候不公平と呼ばれるものだ。我々フィリピン人の行為が地球の汚染に関与する部分はきわめて少ない。しかし、気候変動がもたらす影響という観点から見ると、我々はその影響をきわめて受けやすい国の一つである…。毎年、我々は20以上の台風に見舞われる。それらの多くは我々に災害をもたらす。事実、2012年に起きた災害のうち世界でも最悪のものがフィリピン南部のミンダナオ島で発生した。今年は中部フィリピンが打撃を受けた。中でも、実に悲劇的なのはヴィサイヤ諸島である。この地は最近強烈な地震にも襲われた。そのことはグローバルボイスでも報じている。地震の強烈な打撃から復興しつつあるなかで、今回は大型台風に襲われ、その台風が高潮を引き起こした。我々は高潮に対する心構えがなかったのだ…。津波に対して警戒するようにいわれていたら、高台にある避難所へ退避していただろうと、いう人もいる。そこで、今回の災害から学び取るべきことは、フィリピン人にとって気候変動はきわめて現実的な問題だということである。特に今回我々に残された強烈な爪痕は深刻な問題である。今回の災害は、国際社会に対し気候変動という問題に、より積極的に取り組むべきだということを気づかせるための警鐘といえる。なぜなら、今回の災害により、フィリピンのような小群島で何人もの人が無用の死を遂げ、多くの荒廃がもたらされたからである。

Chantal (21:10 – 23:00)

我々はヴィサイヤ諸島西部のレイテ州およびサマル州の住民に対する援助を求めています。特にこれらの州の奥地の住民からの要請が多くあります…。台風で被災したときおよび政府が災害の規模に対処できずにいる間、政府からの救助を待っているときの経験に基づき、要請するものです。救助の段階が終わったら、村を再建する必要があります。特に、高潮にさらわれた海岸沿いの漁民たちの村の再建が必要です。多くの村が高潮にさらわれてしまいました。彼らは生活を再建するため、生計を立てるために援助を求めています。家と船を再建するための材料の援助も求めています。援助が得られれば、彼らは生き続けられるのです。

グローバルボイスの特集記事「台風30号によりフィリピンが壊滅状態」もご覧ください。

校正:Rina Suzuki