Twitterでの茶番劇:インドネシア大統領への豪スパイ疑惑のあとで

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オーストラリアによるインドネシアへのスパイ疑惑をめぐって、両国が外交上のにらみ合いを続けている中、オーストラリアの保守系政治報道アドバイザーがネチズンの想像力をかきたて、Twitterでの茶番に巻き込まれた。インドネシアのスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領は、Twitterでオーストラリア国防信号局(DSD)が2009年に大統領と夫人の携帯電話を盗聴したとしてこれに抗議するツイートをした。

オーストラリア首相の声明は、今回のインドネシアへの盗聴疑惑を臆面もなく矮小化しようというもので、まことに遺憾である。*スシロ・バンバン・ユドヨノ(SBY)*

今回発覚した情報は一連のパワーポイントのスライド中に含まれていた。たとえばこのスライドには盗聴対象者の電話情報がリストアップされている。

Indonesian surveillance targets

インドネシア監視対象者
資料元:エドワード・スノーデンによる暴露文書

オーストラリア与党自由党の世論、政治戦略アドバイザーであるマーク・テクスター氏は、2013年11月20日Twitter上で次のようなツイートをした。
「なんでオーストラリアが、あんな1970年代のフィリピンのポルノ男優みたいな顔をした不埒なやつに謝罪を要求されるのか」と。(原文誤綴りはテクスター氏によるものである。)
ここでテクスター氏がインドネシアのマルティ・ナタレガワ外相を指しているのは明らかだ。
この発言のためにテクスター氏は、あのTwitterで味わう一種独特な経験をする羽目になった。

テクスター氏はこの失礼なツイートを削除したが、赤恥をかくのは免れなかった。

こんなバカな人物が私の国の自由党のアドバイザーにいることを謝罪します。

テクスター氏はこのツイートを削除した後、一度発言を否定し、さらに謝罪ともとれる発言を続けた。
このテクスター氏のTwitterでの謝罪が注目を集めたため、トニー・アボット首相の謝罪拒否にも関心が集まった。首相の謝罪拒否理由は、国家安全保障に関する事項についてはコメントしないというものだった。

メディアが引き起こした(今回の両国関係の)亀裂を憂慮されておられるインドネシアの友人の皆様に謝罪します。全くTwitterは外交問題について語るような場ではないのです。

(今回の件は、)ツイートを削除して、後でその発言を否定してみても、問題は消えないということの良い教訓になった。

なかにはこの問題のユーモラスな側面を捉えたツイートもあった。

うーん、マーク・テクスター氏はフィリピンのポルノ俳優について熟知してるみたいですね。私はむしろそちらのほうに不安を感じますね。

マーク・テクスター氏は、殺害の脅迫を受けたとして、その後自分のTwitter
アカウント自体を削除してしまった。しかしVermeeraはそれさえシニカルに受けとめている。

『マーク・テクスター氏、殺害の脅迫を受けてTwitterをやめる』- ひょっとしたらこれも彼の世論操作かも?

当然のようにその後マーク・テクスター氏を名乗るニセのTwitterアカウントが現れた。

@TwitterAUさま、騙されやすい人がひっかかる前に、@Markatextorと@MarkTextorCTのアカウントを削除していただけますか?

いまや「テクスターの法則」#Textorができたといえるかもしれない。すなわち、いかにソーシャルメディアに長けた世論操作のプロであっても、たった140文字で、後で取り消しようにも取り消せない馬鹿げた発言をしかねないということだ。

スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領は、オーストラリアとの軍事、諜報活動の協力を中止し、 また密入国斡旋業者取締りの協力も中止した。一方ジャカルタでは一部の抗議団体がオーストラリア国旗を燃やして抗議した。

Demonstration in front of the Australian Embassy, Jakarta, Photo by Denny Pohan, Copyright @Demotix (11/21/2013)

ジャカルタのオーストラリア大使館前でのデモ、写真Denny Pohan
Copyright @Demotix (11/21/2013)

(今回の)エドワード・スノーデンによる一連の機密暴露を受けて、オーストラリアの国家安全保障機関は、インドネシア政府に対する諜報活動をめぐる米国とのパワーポイントのシェアを再検討しているにちがいない。

アップデート: Carolinaがインドネシアのネチズンたちの反応を以下の記事にしているので参照:Indonesia-Australia Diplomatic Tension Escalates Over Wiretapping

校正:Mari Watanabe

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