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ウルグアイで大麻の販売、生産が合法化

カテゴリー: ラテンアメリカ, ウルグアイ, 健康, 市民メディア, 意見, 行政

記事の原文が書かれたのは2013年12月で、以下の翻訳文は当時の状況を反映しています。

marihuana [1]

写真は @T13 [2]のツイッター上でシェアされたもの

12時間に及ぶ激しい討論の末、ウルグアイ上院議会は大麻の合法化法案を可決した。賛成票を投じたのは政権を握る左翼連合の拡大戦線 [3][jp]党員のみであった。大麻を規制及び商業化するこの法案は、2013年12月10日火曜日22時38分に上院を通過した。

ウルグアイはこの決断により世界のニュースメディアの一面を飾り、議会の展開が注目されている。残るは規制法の制定と法案の施行のみである。この課程に四ヶ月の猶予が許されている。

この議会の決議は一般市民の間に波紋を投げかけ、世論を揺り動かしている。上院での反対派の意見の中には、同法を確実に遵守させることが困難である、麻薬違法取引との闘争に有効な対策ではない、というものがあった。政府の見解に反して、反対派はさらに、同法は実のところは麻薬の使用を助長すると提唱した。

医療用大麻の販売を管理することになるウルグアイの薬局の間では、大麻の販売を望む側と望まない側との激しい論争 [4][es]が現在繰り広げられている。

国連機関の国際麻薬統制委員会としては、大麻を合法化するウルグアイの法案は、同国が署名した国際条約に違反する [5][en]のであると指摘している。更には、ウルグアイの精神医学会は大麻使用による影響と若年層における大麻使用の増加傾向に警鐘 [6][es]を鳴らしている。精神科医達はEl País新聞に学校中退率は大麻に関連があることも報告した。

ウルグアイのニュースサイトInfobae [7][es]が入手した情報によると、ウルグアイ大統領、ホセ・ムヒカは自身の希望を以下のように述べた。「(ウルグアイは)互いに手を貸し、学び合うであろう。なぜならこの法案はウルグアイを大麻規制のない国にするためのものではないからだ。いや、いや、全くもって違う。タバコが有害であるのと同様に大麻も有害である。人々は法律で認められた分量を許可され、乱用した場合は登録された上で、医療措置を受けることになる。」

世界がこの出来事を興味深く見守り、決定に対し懸念を示すにつれ、国際的に同法案は期待と不安を生んでいる。

ツイッターのようなソーシャルネットワークにいろいろな意見が寄せられている。保守派の国民党 [8][jp]党首候補、ホルヘ・ララニャガ (@jorgewlarranaga [9])はこうつぶやいた。

安全と健康には大麻の合法化、自由には新しいメディアの法律。一方で教育のための施策は何も無い。予算の大半は何かしらの目的に使われている。

これに反して@charruasomos [11]はこの法案を擁護した。

(@NicoleOrtizChの『ウルグアイで大麻が合法化されるなんて世の中はおかしくなっている。私たちはどこへ向かうのだろう?』というツイートに対して)

>@NicoleOrtizCh、ええと、私には合法化は「偉大な一歩前進」に見えるし、麻薬密売人達も問題外になる。ウルグアイは問題から逃げ出すような国ではない。

パラグアイのテレビ司会者のルシア・サペナ(@LuSapena [14])はバラグアイとウルグアイを勘違いする外国人らに文句を言った。

私は今までにすでに三人の外国人の友人に大麻を合法的に販売している国はウルグアイで、パラグアイではないと説明しなければならなかった! みんな混同している。

ベネズエラ人のヤスネイ・ブレック(@yusnayb [16])はこの法案についての思いをこう表した。

ウルグアイは世界で初めて大麻を合法化した国になる。なんてひどい話だ。人々の健康の事なんて考えていないのだ。

アルゼンチンの活動家アレックス・フレイヤー(@AlexFreyre [18])はこの法案とアルゼンチンの法律を比較した。

大麻は「無害ではない」だから「規制されるべき」だ。現在のアルゼンチンの(大麻の個人的使用を合法とする第23737条 [20][en]法律は有益に機能しておらず、麻薬取引を助長している。

ルベン・ホルヘ・カストロ(@elojodelciudada [21])は大麻合法化の動きと同性結婚についてこうツイートした。

ムヒカ政権は同性結婚や大麻の合法化法案を我々に押し付けた。そしてこれらが実施される課程で、そしてこの間、政治はこのことばかりに集中し、教育改革は無惨にも失敗した。公平になろうとすると馬鹿になる。

これに反して、ルイス・アルベルト・ボルサリ [23]同性結婚法 [24][en]や中絶 [25][en]の合法化そして今回の大麻 [26][en]の生産及び販売は自慢の種であると述べている。彼は自身のブログ [27][es]でこう記述している。

cuando nuestros hijos y nietos estudien todo esto en sus Libros de Historia, los imagino sacando pecho por lo hecho hoy, o cantando “Uruguay es el mejor País…”

我々の子供達や孫達は今日の出来事を歴史の本で勉強したり、「ウルグアイは最高・・・」と歌いながら、誇りを持って大麻を吹かすのだろう。”

校正:谷岡華 [28]